写真:盛 千夏
地図を見るバレンシアで1度しかパエリアを食べるチャンスがないならば、迷わず注文すべきが「バレンシア風パエリア」(Paella Valenciana)。
日本では魚介がふんだんにデコレーションされた見た目も豪華なパエリアが人気ですが、本場スペイン・バレンシアで一番人気なのは、「バレンシア風パエリア」と呼ばれる、うさぎ肉、鶏肉、ガラフォン豆、モロッコインゲンが基本の見た目が地味なパエリアです。これに、アーティチョークやかたつむりを好みや季節により足します。
出汁は使わず、鶏肉とうさぎ肉をオリーブオイルでじっくり炒め、十分に滋味が出たところでお米を炊き上げます。
筆者がおススメするレストランはバレンシアの中心部にある「ナバーロ」(Navarro)。ここはお米料理以外にも伝統的なスペイン料理が食べられるクラシックなレストランです。
「ナバーロ」のバレンシア風パエリアはまさに王道。味はもちろんのこと、日本とは違ったパエリアの色艶やお米の炊き具合を楽しんで下さい。
車両通行が禁止の通りにあるので、春から秋にかけてはテラス席での食事もおススメです。
「ナバーロ」(Navarro)
住所:Calle del Arzobispo Mayoral, 5, 46002 València
写真:盛 千夏
地図を見るバレンシア州ハティバ(JátivaあるいはXátiva)の郷土料理「アロス・アル・オルノ」(Arroz al Horno)。
「アロス・アル・オルノ」のおススメレストランは、「ラコ・デル・トゥリア」。こちらはバレンシア市内、それもショッピング街から徒歩5分程度の立地でアクセス良好です。店内はバレンシア人画家のソロージャ風の絵やタイルで飾られ、まさにバレンシア風!
「アロス・アル・オルノ」はパエリアと違い、バレンシア州を出るとレストランではまず見かけず、スペイン人に聞いても「食べたことない」と言われる確率が高いかなりレアなお米料理です。
スペイン語で米はアロス(arroz)、オーブンがオルノ(horno)で、パエリアのようにガスや薪でお米を炊き上げず、オーブンで調理します。
具は、スペアリブ・豚のばら肉・肉団子・モルシージャ(豚の血のソーセージ)・ひよこ豆・トマト・ジャガイモ・丸ごとのニンニクなどを使用し、食べると体の中からぽかぽかしてくるお米料理です。肉から出たスープがお米になんとも言えない旨味を与え、ヘビーな外見に似合わずペロリと食べられます。真ん中のホクホクになったニンニクは皮を外し、潰してお米と混ぜて食べるとまた風味が変わりますので是非トライして下さい。
「ラコ・デル・トゥリア」は前菜の種類も豊富です。メインの「アロス・アル・オルノ」が出来上がるのを待つ間には、日本でも人気の「海老のアヒージョ」(Gambas al ajillo)や、注文してから切り分けてくれる生ハムをつまむのがおススメです。デザートには絶品のかぼちゃプリン(Flan de calabaza)をお忘れなく!
「ラコ・デル・トゥリア」(Racó del Turia)
住所:Calle Ciscar, 10, 46005 Valencia
写真:盛 千夏
地図を見るバレンシアの旧市街カルメン地区のど真ん中にあるトサル広場(Plaza del Tossal)に隣接する「エル・セジェール・デル・トサル」(El Celler del Tossal)。
こちらのおススメはなんと言ってもスペイン風おじや、あるいはリゾットとも言える「アロス・メロソ」(Arroz Meloso)です。
「アロス・メロソ」は出汁が命。「エル・セジェール・デル・トサル」の「アロス・メロソ」の出汁は濃厚で、魚介や肉の凝縮された旨味がダイレクトに伝わる絶品のスペイン風おじやです。
「アロス・メロソ」はア・ラ・カルトでも注文出来ますが、お得なランチメニューで試してはいかがでしょう? アミューズ、前菜2品、メイン(アロス・メロソ他、肉・魚料理も選択可能)、デザートで20.50ユーロ(2015年現在)とコストパフォーマンス最高です!
旧市街、世界遺産のラ・ロンハ、中央市場などの観光後に是非お寄り下さい。
エル・セジェール・デル・トサル」(El Celler del Tossal)
Carrer de Quart, 2 Bajos, 46003 Valencia
963 91 59 13
パエリアの本場バレンシアでは、お米料理はランチに食べるものです。
お米料理に自信があるレストランやお米料理専門店を見つける方法は、まずディナーにパエリアを提供していない店、そしてパエリアの写真をポスターや看板のように使用している店を避ける事です。こういった店は観光客相手が多く、味にはあまり期待が出来ません。
また、パエリアを初めとするお米料理は初めに何を食べたいか予約時に伝えないと「今日は出来ない」と断られてしまうことがあります。どうしても食べたい料理がある場合は、必ず予約をし、メインのお米料理を注文しておくようにしましょう。
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(2024/4/20更新)
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