清水の舞台はもう古い!?京都・将軍塚に巨大な舞台が完成!

清水の舞台はもう古い!?京都・将軍塚に巨大な舞台が完成!

更新日:2014/10/30 12:14

京都で舞台と言えば「清水の舞台」が超有名。ところがこれを遥かに超える、大舞台が、2014年10月4日京都・東山に完成しました!しかも昔から展望スポットで有名な、「将軍塚」に併設されたもの。これが京都の新しい観光スポットとして、人気を集めているのです。京都を一望するならここ!今回は、この将軍塚をご紹介します。

将軍塚って何?事の起こりは、「鳴くよウグイス平安京」から。

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桓武天皇が奈良から長岡、さらに京都中心部へ都を移そうとしたとき、和気清麻呂と共に、京都を見下ろしてその場所を決めたといいます。それがこの山上でした。そして平安京を遷都。これが794年、いわゆる「鳴くよウグイス平安京」です。長岡京は「呪われた都」とも呼ばれるほど、災難や不運が相次ぎました。そこで「今度こそ、平和な都を作る」という願いを込めて、将軍の像を作ります。その像をこの地に埋めて、塚を作ったのです。それが「将軍塚」と呼ばれる由縁。

将軍塚のある東山山頂は、京都市東山区に位置する天台宗の門跡寺院「青蓮院」の飛地。直径約20メートル、高さ約2メートルの円墳型をしていて、国家の大事があると、鳴動して異変を知らせたのだとか。また、大日如来をお祀りした大日堂もあります。

清水の舞台約5倍!?将軍塚の大舞台も、そこからの眺めも必見の価値あり!

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この将軍塚に、明治から大正時代にかけて最高の木造建築技術を用いて作られた「平安道場」を移築。青蓮院と言えば、青不動明王で有名ですよね?その「青不動明王」を安置し、護摩祈祷を行うお堂として再建しました。それが大護摩堂「将軍塚青龍殿」です。

総ヒノキ造りの堂内は、「青不動明王」が祀られる奥殿、護摩祈祷が行われる内陣、約500人が収容できる外陣という三つの構造。そして外には清水の舞台の約5倍、延べ面積1,046平方メートル!という、圧巻の大舞台が作られました。八坂神社のほぼ真東にあり、標高約216メートル。遥かに見える比叡山は向かって左に大比叡が、右に小比叡が見えます。銀閣寺、浄土寺、果ては大阪まで見渡すことも可能。鴨川の流れを目で追いながら、御所やいくつもの大橋を眺めるのも楽しいでしょう。

さらに西の展望台へと移動すれば、そこは五山の送り火がすべて見渡せる名所。将軍塚が、京都の新しい観光スポットとして、人気になるのはうなずけますよね!

青不動御開帳と夜間ライトアップは幻想的!

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高野山明王院の「赤不動」、三井寺の「黄不動」とともに日本三大不動のひとつとされる「青不動」。この青不動は1144年より、秘仏として青蓮院に受け継がれてきました。今回青龍殿の落慶を記念して、「青不動」を御開帳。3年の修復を終えての御開帳となるため、色鮮やかさと繊細さには、きっと心を奪われるでしょう。美術作品としても一級品の仏教絵画を、この機会にぜひお見逃しなく!

御開帳にともなって、将軍塚では夜のライトアップも行っています。
(2014/10/7〜12/23(火・祝)17:00〜21:30)
昼のパノラマ展望もさることながら、京都の夜景もまた見どころ満載です。舞台全体に柔らかい灯りが灯り、自分がふんわりと浮き上がったような感覚。背中には青龍殿、眼下には夜景、とその幻想的な風景に、一瞬我を忘れてしまいそうです。

まだまだ見どころ満載!四季折々の草花と、軍人たちの想い。

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約3,000坪の広い飛び地境内には、中根金作氏作庭の枯山水式庭園があります。庭園には1本の枝に様々な色の花を咲かせる変わり咲き桃の木を始め、彼岸桜、紅葉、藤、桜など四季折々の花と緑が楽しめます。

さらに将軍塚にあやかって、有名人手植えの松が植えられているのも必見!陸軍大将・乃木希典、海軍大将・東郷平八郎、政治家・教育者で早稲田大学創始者の大隈重信などなど。勝利を願って、日本の平和を願って…どんな思いで彼らが松を植えたのか、今では知る由もありません。ただ京の町を眺めながら、大志を抱いたのは確かなはずです。

大日如来をお祀りした「大日堂」には、幕末の勤皇志士が身の安全を祈願。新田義貞が足利尊氏の陣をこの地で敗り、太平洋戦争ではここに砲台が置かれ、大砲を打ち下ろしたと言われています。いろいろな想像を巡らせながら、庭園を散策するのも良し。草花で季節を感じるのも良し。最後まで、飽きさせない将軍塚をぜひ、ゆっくり堪能してください!

おわりに

「京都の夜景が見られる場所」として、東山ドライブウェイや東山展望台へ行くのが通例だった昔。その頃も通称「将軍塚」と呼ばれていましたが、実は正しい場所ではありませんでした。今回、5年以上もの歳月をかけて、本当の将軍塚が楽しめるようになったのです。今一度、大舞台での浮遊感覚と京都を一望してみてください。昔の人々の、将軍塚に賭ける思いが伝わってくる気がします。

2014年10月8日〜12月23日 (青不動御開帳、夜間ライトアップ期間)
9:00〜21:30(21:00受付終了)※昼夜入れ替えなし
拝観料/大人1000円、高中生400円 

通常拝観は昼のみ。御開帳はしていませんが青龍殿、大舞台、将軍塚、庭園などはすべて拝観可能です。ライトアップは春と秋に開催予定。

青蓮院からシャトルバスを運行しています。片道100円。
自家用車は途中の一般駐車場で車を止めてください。そこからシャトルバスが運行しています。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2014/10/23 訪問

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