備えて安心!FPが教える海外旅行保険の賢い選び方<初級編>

備えて安心!FPが教える海外旅行保険の賢い選び方<初級編>

更新日:2022/09/29 15:06

一番ヶ瀬 絵梨子のプロフィール写真 一番ヶ瀬 絵梨子 コムラード・オブ・チーズ

海外旅行先での病気やケガ、盗難被害など、家を出てから帰宅するまでのさまざまなトラブルを補償してくれるのが海外旅行保険。しかし、ただ加入しているだけではいざというときに使い物にならず、宝の持ちぐされになってしまう可能性もあります。

そこで今回は、ファイナンシャルプランナーの資格を持つ筆者が、賢い海外旅行保険の選び方、役立て方について解説します。今回は基礎の基礎、初級編です。

1.短期や近場でも、海外旅行保険は必要?

1.短期や近場でも、海外旅行保険は必要?

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

短期の旅行や近くの国への旅行の場合、「わざわざ入らなくてもいいのでは」と思ってしまうかもしれません。

しかし海外では日本の健康保険は効きませんし(※)、国によってはわずかな治療でも日本よりずっと高額になってしまう場合があります。
海外に渡航するにあたって、海外旅行保険は必要経費だと認識しておきましょう。

※公的な健康保険(国民健康保険、社会保険)は効きませんが、生命保険や医療保険は海外での死亡や入院でも支払い対象になります。

2.クレジットカード付帯の保険だけではダメ?

2.クレジットカード付帯の保険だけではダメ?

提供元:写真AC

https://www.photo-ac.com/

クレジットカードに自動的についている海外旅行保険は、申し込み不要で無料なので、お得で便利なサービス。
しかし、以下の点についてはあらかじめ確認が必要です。
不安が残ると思われる場合は、クレジットカード付帯ではなく、有料の海外旅行保険の契約を検討しましょう。

■クレジットカードの海外旅行保険で補償される内容
・傷害死亡、後遺障害(ケガによる死亡や重度の障害)
・傷害治療(ケガの治療)
・疾病治療(病気の治療)
・携行品損害(身の回り品の故障、盗難)
・賠償責任(人やモノに対する弁償、賠償)
・救援者費用(不測の事態の際の捜索費用や日本から迎えに来る人の渡航・宿泊費等、死亡時は遺体運搬費用など)
※一部のハイグレードのカード(ゴールドカードなど)に限り、航空機遅延や手荷物遅延の補償がつく場合があります。
※基本的に、疾病死亡(病気による死亡)はありません。

■クレジットカード付帯の海外旅行保険利用時のチェックポイント
渡航先や旅程と照らし合わせて以下の点を確認してください。

□利用付帯ではないか
年会費無料や年会費の安いクレジットカードの場合、「出国前にツアー代金や航空券代を該当カードで支払っておかなくてはならない」といった条件がついていることがあります。
※この条件がついていることを利用付帯と言います。

□治療費用は安心できる額か
クレジットカードの海外旅行保険で補償される治療費用は、100〜300万円。体力に自信のない人や衛生状態の悪い国に行く場合には、心もとない金額です。

□キャッシュレス治療はついているか
一部のクレジットカードでは、現地での自己負担のないキャッシュレス治療に対応していないことがあります。また、対応していても現地でクレジットカードの本人確認作業が発生する場合がありますので、想定外の時間がかかる可能性も頭に入れておきましょう。

□家族の補償は含まれるか
クレジットカードのグレートによって、家族(子ども)が補償されるかどうかは変わります。

□補償期間は足りているか
クレジットカードの海外旅行保険の有効期間は、ほとんどが3ヶ月間です。長期旅行の場合は予め長期間の保険に加入しておく必要があります。

3.海外旅行保険の補償額は、いくらあれば安心?

海外旅行保険で最も重要なのは「治療費用(傷害治療、疾病治療)」と「救援者費用」です。その2つを柱に保険を選べば、その他は特に考慮しなくても安心できる額の補償がついてくる海外旅行保険のセットになります。

■治療費用
海外では手術をするだけで数百万、ICUに1日入るだけで数十万といったケースもあります。クレジットカード付帯ではない保険にわざわざ加入するのであれば、治療費用は2,000〜3,000万円がおすすめです。

■救援者費用
捜索費用や渡航費用になりますので、こちらは1,000〜2,000万円が目安。「治療・救援者費用」が一緒になっている保険の場合は、合算して4,000〜5,000万円あると安心です。

4.海外旅行保険は、いつどこで申し込む?

4.海外旅行保険は、いつどこで申し込む?

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クレジットカード付帯とは別に海外旅行保険に加入する場合、いつどこで申し込めばいいのでしょうか?

■申し込むタイミング
海外旅行保険は、家を出てから帰宅までを補償してくれる保険です。そのため、出発前に加入しておくのが基本。出発後の加入はできないので、少なくとも出国までに契約を済ませてください。

■申し込む場所
・旅行会社
ツアーや航空券を旅行会社で手配するなら、一緒に申し込んでしまうのが手軽です。
・インターネット
インターネットで申し込むと、ネット割引で節約になることもあります。
但し、高齢の場合や持病によってはインターネット申し込みができないことがあるので注意してください。
・郵送
パンフレットを資料請求し、郵送で申し込むこともできます。
・空港
出発当日に空港で手続きすることができます。ATMのような自動契約機と保険会社の有人カウンターがあり、出国審査後でも加入できます。

おわりに

海外旅行保険の手配も完了し、万が一の場合の手続きや必要書類も確認。あとはいよいよ出発するだけ。

でも、最後まで安心はできません。下記の書類や控えは、必ず紙で印刷しておくようにしておきましょう。電子機器類は盗難や故障の可能性がありますし、いつでもwi-fiが使える環境だとは限らないからです。

□保険契約書
□保険請求の手順や必要書類のリスト
□日本語対応してくれる現地での連絡先
□現地の病院リスト(キャッシュレス対応の病院がある場合はそのリスト)
□持病や体質について英語や現地語で説明した資料(必要な場合)
□パスポート、Eチケットのコピー

これらを人数分印刷し、クリアファイルに入れて1人ずつ持っておくようにしましょう。
では、備えを万全にして楽しい海外旅行を!

掲載内容は執筆時点のものです。

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