あの女優も愛した!? 優雅な奈良ホテルで至福の時間を

あの女優も愛した!? 優雅な奈良ホテルで至福の時間を

更新日:2013/04/05 14:17

沢木 慎太郎のプロフィール写真 沢木 慎太郎 放送局ディレクター、紀行小説家
奈良の大仏、奈良公園と、都会の喧騒を離れ、優雅にくつろぐことができる奈良。そんな奈良への旅行をお考えの方に、おススメしたいのが奈良ホテルです。落ちついた風格を持つクラシカルな老舗ホテルは“西の迎賓館”と呼ばれ、皇族関係者や世界的な著名人を数多く魅了してきました。調度品もそうですが、一流が引き寄せられる魅力がこのホテルにはあるのです。そんな上流な空気を、あなたも感じに出かけてみてはいかがでしょうか?

辰野金吾らが設計を手がけた人気の老舗ホテル

辰野金吾らが設計を手がけた人気の老舗ホテル

写真:沢木 慎太郎

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奈良市高畑町にある奈良ホテルは1909年(明治42年)に開業。興福寺や春日大社、奈良公園などの観光地に近い人気のホテルです。

桃山御殿風檜造りの2階建て瓦葺きの本館と、1984年に営業を開始した鉄筋コンクリート造4階建ての新館から成り、東京駅駅舎を手がけた辰野金吾らが設計を手がけました。

春には玄関先に写真のような枝垂れ桜が咲き誇り、鮮やかな桃色と木造建築の品が相まって、“日本の春”をダイレクトに感じることができます。

また、園内には1年を通じてさまざまな植物が育てられており、和風の本館が醸し出す和の優美さと、季節の草花のコントラストが美しく、多くの外国人客に愛されているのも納得です。

ヘップバーンさんが絶賛した和風シャンデリア

ヘップバーンさんが絶賛した和風シャンデリア

写真:沢木 慎太郎

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奈良ホテルの本館にはマントルピース(暖炉)や大正時代から使われるスチームウォーマー、釣燈籠を模した和製シャンデリアなどが飾られ、創業当時を偲ばせる優雅な雰囲気を漂わせています。

写真は、フロントの天井から吊り下げられている和製シャンデリア。なんとも優雅な味わい深い雰囲気だなと見ていると、実はこのシャンデリアは、映画『ローマの休日』などで知られるイギリスの女優、オードリー・ヘップバーンさんが絶賛したことでも知られていたのです。。

ホテルの方からお話しをうかがったのですが、ヘップバーンさんは1983年(昭和58年)3月31日〜4月2日に宿泊。奈良ホテルについて「ビューティフル、ワンダフル」を連発して褒めていたようで、彼女が最も気に入ったのが、このシャンデリアだったそうです。

「世界の恋人と言われる方だけあって、映画そのものの優美さが漂っていた」。ヘップバーンさんは1泊の予定だったのですが、13歳のご子息が体調を崩され、3泊することになりました。

ホテルに滞在している時は、部屋からほとんど出ずに、付きっきりでご子息を看病していたようです。ヘップバーンさんの優しい人柄が感じられるエピソードですね。

ラウンジにはアインシュタイン博士が弾いたピアノも

ラウンジにはアインシュタイン博士が弾いたピアノも

写真:沢木 慎太郎

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フロントの近くのラウンジにはマントルピースがありますが、これはドイツ風マントルピースに和風の鳥居を重ね、和洋折衷を象徴したユニークなデザイン。また、その隣には写真のように一台ピアノが展示されています。

これは、ドイツ生まれのユダヤ人理論物理学者、アルベルト・アインシュタイン博士が弾いたピアノ。アインシュタイン博士は1922年(大正11年)12月17、18日に奈良ホテルに宿泊し、奈良公園を散策したようです。

博士は奈良ホテルで、米国ハリトン社製のピアノを弾いて楽しんでいました。このピアノは戦後の混乱期に行方不明になり、どこに行ったのかまったくわからないまま。

しかし、1992年に旧国鉄大阪鉄道管理局舎が解体された時に見つかり、博士のピアノは交通科学博物館に保管されていたことがわかったのです。

奈良ホテルは、2008年にアインシュタインがピアノを弾く写真の原版を入手。奈良ホテル創業100周年に当たる2009年、約60年ぶりに里帰りを果たすことができました。これも深い歴史性を感じさせる話です。

開放的な本館のティーラウンジ

開放的な本館のティーラウンジ

写真:沢木 慎太郎

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奈良ホテルは宿泊しなくても、本館のティーラウンジでゆっくりとくつろぐことも可能。天井にまで大きく開かれた窓は眺めが良く、桜の季節はご覧の通り、満開の桜を見ながらリラックスした気分で過ごせますよ。

ここのティーラウンジの特色はなんといっても、『ロンネフェルト社』の紅茶やハーブティーを楽しむことができること。

『ロンネフェルト社』は、1823年に設立されたドイツの最高級老舗ブランド。紅茶の国・イギリス国内ではもちろんのこと、世界中のセレブからも愛され続けています。

奈良ホテルでは、水の性質(軟水)や温度などドイツ北部と同じ条件にこだわり、本場と変わらない最高級の紅茶が楽しめるのです。

特製のケーキセットで、ぜいたくなひとときを

特製のケーキセットで、ぜいたくなひとときを

写真:沢木 慎太郎

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本館のティーラウンジでのおススメは、写真の「ケーキセット」(1501円)。パティシエ特製のケーキは上品な甘さが口の中に広がります。値段も手ごろで、ちょっと休憩する時に注文したいセットです。

一方、ダージリン・アールグレイ(ホット)のセットは1,732円。

「ケーキセット」だとカップに入った紅茶が出て来ますが、こちらのホットセットを注文するとリーフティーにこだわったスリーピングポットを使って紅茶を楽しむことができるのです。

スリーピングポットとは、ロンネフェルト社のオリジナルティーポットのこと。

100年前から作られている形のティーポットで、だるまさんに似た愛嬌のあるデザインが特徴。このポットは「縦」「斜め」「横」の3段階に傾けることができるのです。

つまり、ポットを真横に寝かすと紅茶がお湯に浸かり、縦にすると浸からないようになり、これは紅茶の濃さをお好みに調整できるための工夫。

紅茶葉をポットに入れると、2杯目が濃くなり、足し湯をするのが普通ですが、このスリーピングポットだったらいつでも好きな時に好きな濃さで紅茶をおいしくいただくことができるのです。

このお利口なポット。ロンネフェルト社は、スリーピングポットの国際特許を持っています。

以上、いかがでしたでしょうか?
ヘレン・ケラーやチャールズ・チャップリン、マーガレット王女、ローマ法王(パウロ6世)といった、そうそうたる方々も宿泊した奈良ホテル。

お寺めぐりで歩いた後は、古都の歴史と四季を感じられるラウンジで、深い味わいと香りに満ちた紅茶に癒され、ぜいたくなひとときを過ごされてはいかが?

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掲載内容は執筆時点のものです。 2013/04/02 訪問

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