源氏物語の舞台!神戸・須磨寺とその周辺を訪ねる

源氏物語の舞台!神戸・須磨寺とその周辺を訪ねる

更新日:2015/04/13 17:31

源氏物語12帖の舞台となった、神戸の須磨。
中学生や高校生のときに、古文の授業で習った方も多いのではないでしょうか?
今でこそ須磨は、関西随一の海水浴場をもつ若者に人気のスポットとして有名ですが、山に向かって少し歩を進めれば、古の時代に起源をもつ寺社や遺跡が旅人を迎えてくれます。
今回の記事では、歴史好きには堪らない、純和風な須磨の山手を紹介します。

光源氏が桜を植えたという伝説の地、須磨寺

光源氏が桜を植えたという伝説の地、須磨寺
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源氏物語で、京を追われた光源氏が居を構えたのが、ここ須磨の地です。物語では、光源氏が、須磨で若木の桜を植えたという記述がありますが、その若木の桜跡が残るのが、須磨寺。現在でも桜の名所として有名で、本堂に通じる桜並木は必見!JR「須磨駅」や山陽電車「須磨寺駅」からは、徒歩10分程度という便利な立地も手伝って、いつも多くの参拝客で賑わっています。
一方で、時代は下って源平合戦の時には、ここ須磨が一ノ谷の戦いの舞台となりました。その戦いで討たれた若武者、平敦盛ゆかりの品々や遺構も須磨寺に残されています。
平敦盛の首を洗った池、平敦盛の首塚、更には遺品となる笛もあります。
(本文下MEMOに「須磨寺」へのリンクがあります)

「西の巣鴨」と称される須磨寺商店街とその周辺

「西の巣鴨」と称される須磨寺商店街とその周辺
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多くの高齢者で賑わう東京巣鴨の「地蔵通り商店街」は全国的に有名ですが、それに対抗してか、「西の巣鴨」と呼ばれているのが、須磨寺の参道となる須磨寺前商店街です。毎月のように開かれる市は人で溢れかえり、門前町としての風情を今に伝えています。
商店街の賑わいには、須磨寺も一役買っています。写経会や落語会、琴の演奏会や、境内を舞台にしたマウンテンバイクのダウンヒル大会まで、若者から高齢者まで幅広い年代に注目されるイベントを開催!
地域に開かれた寺となっているのです。
(本文下MEMOに「須磨寺前商店街」へのリンクがあります)

神秘的な雰囲気が漂うパワースポット、関守稲荷神社

神秘的な雰囲気が漂うパワースポット、関守稲荷神社
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須磨海岸から須磨寺のある山の方向に歩くと、住宅街の中に、ひょっこり小さな森が現れます。ここが、かつて関所が置かれていたという関守稲荷神社です。
春は桜、秋はモミジが美しく、夏になれば蝉の声に包まれます。建物に囲まれた中にあって、ここだけ別世界のようにいつも静か。かつて、光源氏が厄払いをしたという話にも頷けます。今は猫が住み着いていて、時折、鳥居の上で寛ぐ姿を見かけることも。

学業成就に御利益あり!個性的な珍オブジェが並ぶ神社、網敷天満宮

学業成就に御利益あり!個性的な珍オブジェが並ぶ神社、網敷天満宮
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須磨寺から網敷天満宮に向かって続く道は、通称「智慧の道」と呼ばれています。須磨寺が弘法大師を祀り、網敷天満宮が菅原道真を祀っていることから、共に学業に御利益があるとのことでつけられた名前だそうです。
実は、須磨は菅原道真ともゆかりが深い場所。菅原道真が九州に左遷される際に、須磨に立ち寄っているからです。
須磨海岸を臨む網敷天満宮は、その道真を祀る神社。ここの見どころは、なんといっても境内に点在する個性的なオブジェ。願いが叶うといわれる「なすの腰掛け」、波に乗るという意図からつくられた波乗り坂(よくみれば、石畳がサーフボードの形!)、極めつけば、サーフィンを片手にもつ菅原道真像。なんでも、須磨海岸がサーフィンの名所であることから、このようなデザインになったとか・・・・・・。
(本文下MEMOに「網敷天満宮」へのリンクがあります)

関西随一の砂浜、須磨海岸を歩く!

関西随一の砂浜、須磨海岸を歩く!
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関西を代表する海水浴場、須磨海水浴場を有するのが、2kmにわたって続く須磨海岸です。
夏ともなれば、多数の海の家が立ち並び、若者たちで大いににぎわいます。しかし、オススメなのは須磨海岸が静けさを取り戻す秋から春にかけて。人もまばらなこの季節、海岸にそって続く松原を仰ぎ見ながら砂浜を静かに歩くと、波の音だけが辺りにこだまし、まるで源氏物語の時代に迷い込んだかのような錯覚に陥ります。
(本文下MEMOに「須磨海岸オフィシャルサイト」へのリンクがあります)

おわりに

いかがでしたでしょうか?
今回紹介した場所は、いずれもJR「須磨駅」や山陽電車「須磨寺駅」から徒歩圏。気軽に訪れて歩いて回ることが可能です。特に、JR須磨駅は、駅の改札をでたらすぐに須磨海岸という抜群の立地。海岸へ続く駅のテラスから眺める瀬戸内海の美しさは格別で、通勤時間帯には、電車待ちのサラリーマン達の憩いの場所となっています。
歴史に興味がある方、和風な寺社巡りで、ほっ、と和みたい方、ぜひ、古を今に伝える須磨においでください。癒しの休日をお約束いたします。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/03/25−2015/04/04 訪問

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