46億年の時間旅行!広大な野外施設もある茨城県自然博物館

46億年の時間旅行!広大な野外施設もある茨城県自然博物館

更新日:2015/04/10 14:13

茨城県にある広大な菅生沼の畔、ゆたかな自然に囲まれたここ茨城県自然博物館は、館内で学んだ知識を体験できる自然体験型の博物館です。

館内展示室の「自然のしくみ」では、土の中の小さな生き物たちが100倍に拡大して展示されており、楽しく自然を学ぶことができます。

地球誕生から46億年の自然や生物の進化について、公園のように楽しく誰でも自由に学べる。ミュージアムパーク茨城自然博物館をご紹介します。

エントランスを抜けると体長9メートルの松花江マンモスが迎えてくれる

エントランスを抜けると体長9メートルの松花江マンモスが迎えてくれる
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エントランスを抜けると体長9メートル、高さ5メートルの世界最大級の松花江マンモス(写真)が迎えてくれます。その大きさに驚きながら進んでいくと、さらに大きな、体長26メートル、高さ10mの世界最大級の草食恐竜ヌオエロサウルス、生きている化石といわれるメタセコイアが展示されています。

これらは中国の内蒙古自治区から産出したレプリカで内蒙古自治区博物館との友好の証として展示されています。恐竜やメタセコイヤはその大きさのため博物館の1階から2階までを突き抜けています。

茨城自然博物館の魅力はこれだけではありません。雑木林や沼など里山の環境を再現した広大な野外施設では本館で学んだ知識を体験できる体験学習の場です。また、博物館のコンセプトである「46億年の時と空間の旅行」の通り、「宇宙の進化」、「地球の生いたち」、「自然と生命の不思議な営み」と物語のある展示となっています。

第1展示室「進化する宇宙」から第2展示室「地球の生い立ち」へと続きます

第1展示室「進化する宇宙」から第2展示室「地球の生い立ち」へと続きます
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常設展示は「進化する宇宙」から始まります。 ここでは、太陽系の惑星などの特徴やそれを取巻く銀河が展示されています。また、地球に落下した隕石が展示されていて実際に触れ、持ち上げることができます。隕石は46億年前の太陽系誕生の謎を探る上でも貴重な資料です。

46億年前に誕生した地球に、最初の生命が誕生したのはその約8億年後と考えられています。その後、長い時間をかけて生物はゆっくりと進化してきました。 第2展示室では、地球を構成する岩石や鉱物、プレートが移動する様子や、さまざまな動物、植物の進化が展示されています。

海で誕生した生命は、古生代の中頃なると海から陸地へと生きる道を探し始めました。シルル紀には原始的なシダ類が、デボン紀には原始的な肺で呼吸ができる動物が陸上に現れ、やがて両生類へと進化します。中生代には、温暖な気候の中、シダ類やソテツ類に覆われ、さまざまな恐竜や大型虫類が地球を支配していました。

第2展示室のクライマックスは、白亜紀のティラノサウルス、ランベオサウルス、ドロマエオサウルスなどの恐竜です。まるで生きているように動くティラノサウルスは圧巻です。

第3展示室「自然のしくみ」では1/100に小さくなって土の中を見ることができる

第3展示室「自然のしくみ」では1/100に小さくなって土の中を見ることができる
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第3展示室の「土の中の生き物」では、土の中の小さな生き物たちを100倍に拡大して展示されています。自分の体より大きなムカデやキノコに囲まれ、まるで蟻になって土の中にもぐりこんだような感覚を味わうことができます。

「森の生態」では、茨城県花園山の山地林がジオラマで再現されています。ブナやミズナラ、スズタケなどの夏緑樹林が観察できます。また、平地林(雑木林)を紹介したジオラマもあり、山地林や平地林で聞こえる鳥や虫の鳴き声を聞くことができます。

「山地林の夜の生態」では昼とは違った夜の森を、暗視スコープを使って覗くことができます。また「植物の形」ではさまざまな形をした植物の標本が展示され、花や果実、葉や茎、根などの違いを知ることができます。

第3展示室の最後は「水の生き物コーナー」で、久慈川水系をモデルに川の上流から海にかけ、それぞれに生息する魚を一連の水槽で再現されています。上流では、イワナやヤマメ、ニジマス、ハヤが泳ぎ、中流では、鯉や鮒、ブラックバス、ハクレン、海の中では、鯛や鯵、サメ、フグと川の流れに沿って間近で見ることができ、環境による生態系の違いが分かります。

第四展示室からは「生命のしくみ」「人間の環境」と続き、知らずに破壊した自然に心が痛みます

第四展示室からは「生命のしくみ」「人間の環境」と続き、知らずに破壊した自然に心が痛みます
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第4展示室「生きているしくみ」では、命のメカニズムにふれて命の大切さや尊を学びます。動物は食べる食物により頭や歯の形が違います、肉食動物の頭骨は短く歯は獲物を捕らえたり肉を引き裂いたりする構造になっています。一方、草食動物の頭骨は長く歯は草木をすりつぶすのに適した構造になっています。

また、「細胞の部屋」では、DNAの二重らせん構造などを見る部屋があり、まるで細胞の中に入ったように細胞の構造を見ることができます。

第5展示室「人間と環境」では、人類の豊かさを追求する副産物として起きた自然環境の破壊をテーマにした展示がされています。資源衛星ランドサットから見た戦争や森林伐採による自然破壊の様子を見ることができます。

この展示室のテーマである、「私たちは人間の活動による動植物への影響や環境破壊の現状を認識し自然環境を守り回復する」小さな努力を続けていかなければいけません。

東京ドームの3.5倍の野外施設は変化にとんだ自然が実感できる

東京ドームの3.5倍の野外施設は変化にとんだ自然が実感できる
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自然博物館には約16ヘクタール(東京ドームの約3.5倍)の野外施設があります。自然発見工房では、バードウォッチング用双眼鏡や貝の化石さがし用スコップなどを無料で貸し出しています。

自然発見工房では「観察器具の貸出し」のほかに、「野外ガイドツアー」や「化石のクリーニング(事前予約制)」、「ネイチャートレイル」、「博物館ボランティアによるふれあい野外ガイド」などの自然観察、体験活動が模様されています。

花の谷では桜や、ニッコウキスゲ、ヒガンバナ、スズランなど春夏秋冬それぞれに咲き誇る花を見ることができます。

施設の隣には南北約5.5キロメートルに及ぶ菅生沼が有り、対岸まで菅生沼ふれあい橋が架かっていて、沼に生息している色々な野鳥や生き物たちを観察できます。

2階のバードウォッチングカフェではお茶を飲みながら野鳥を観察!菅生沼は野鳥の宝庫!!

この他に、館内には、イベントや研修などのセミナーハウス、お弁当やおやつを食べる場所として休憩コーナーがあります。1階にあるミュージアムレストラン『ル・サンク』は、ショートケーキ、ミルフィーユなどのケーキ、カレーやパスタ、ハンバーグなどの洋食、うどんやそば、かつ丼などの和食と豊富なメニューがそろっています。また、2階のバードウォッチングカフェでは、お茶を飲みながらフィールドスコープで菅生沼の野鳥を観察でき優雅な気分で自然観察ができます。

ミュージアムショップでは、ストラップ・ボールペン・手ぬぐいなどのミュージアムグッズをはじめ、鉱物・化石なども販売されていて、館内の人気コーナーです。博物館には屋上があり、菅生沼や筑波山、晴れた日には富士山が一望できます。 こちらにも双眼鏡が備え付けられていて菅生沼に生息する鳥生物を観察することができます。

公園のように楽しく誰でも自由に学べるミュージアムパーク茨城自然博物館。あなたも、広大な自然の中で「46億年の時と空間の旅行」に出かけてみませんか。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/01/31 訪問

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