大和路に個性溢れるお寺・仏さまを巡る!大和十三仏参り

大和路に個性溢れるお寺・仏さまを巡る!大和十三仏参り

更新日:2015/07/19 18:04

奈良といえば世界遺産に指定された超有名なお寺がいっぱい。しかし、日本仏教文化発祥の地である奈良はこれだけではありません。
大和路に点在する十三仏霊場には、亡き人の供養・現世のご利益・建物や仏像の拝観・花の観賞・・・様々な目的で様々な人々が訪れています。

各地にある十三仏霊場の中で特にユニークな奈良の「大和十三仏参り」をお勧めします。亡き人への想いと共に個性溢れるお寺を巡る旅に出かけてみませんか?

十三仏とは?大和十三仏参りとは?

十三仏とは?大和十三仏参りとは?
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「十三仏」とは初七日から三十三回忌まで十三回の法要の守護仏で、亡き人はこの十三の仏さまに守られて極楽浄土に導かれ成仏するとされています。また、十三仏は現世においても生まれ年の干支の守護仏として、身近なありがたい仏さまでもあるのです。

そして、これら十三の仏さまにお参りする霊場が「大和十三仏」です。

第1番から順に宝山寺(不動明王)、西大寺(釈迦如来)、安倍文殊院(文殊菩薩)、長岳寺(普賢菩薩)、矢田寺(地蔵菩薩)、當麻寺中之坊(弥勒菩薩)、新薬師寺(薬師如来)、おふさ観音(観音菩薩)、長弓寺(勢至菩薩)、霊山寺(阿弥陀如来)、信貴山玉蔵院(阿しゅく如来)、円成寺(大日如来)、大安寺(虚空蔵菩薩)が十三仏の霊場となっています。
(詳細は関連メモにあるリンクを参照してください。)

これら十三のお寺には、それぞれに現世ご利益・花・仏像・建物・庭園・展望・猫などの様々な魅力・特色がありますが、特にお勧めのお寺を紹介します。
ご朱印をいただきながら日常の喧騒を忘れ静かにお参りしましょう。

第一番宝山寺は現世のご利益パワー溢れるお寺!

宝山寺のご本尊は不動明王ですが、ここは「生駒の聖天さん」と呼ばれる歓喜天に商売繁盛を祈願する参拝者で賑わっています。そして、境内では歓喜天の好物であるという「大根」と、手に持っている砂金袋を表した「巾着袋」という、お寺にしては珍しいものを見ることができます。ここでは現世のご利益もお願いしておきましょう。何かいいことがありそう!

生駒山の中腹にあるこのお寺には車やケーブルカーで行くこともできますが、麓の近鉄生駒駅から雰囲気のある昔からの参道を歩くのもお勧めです。約1.5キロメートルの坂道・石段を上れば格別な街の展望が待っていますよ。

第一番宝山寺は現世のご利益パワー溢れるお寺!
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第四番長岳寺はのんびりムードのお寺!

古代の街道としてハイカーに人気の山の辺の道。この道沿いに弘法大師創建の古寺長岳寺があります。ここは境内に猫たちが遊ぶ実にのんびりとしたお寺です。

「関西花の寺」として四季折々に美しく咲く花々、特に春のツツジが有名ですが、本堂前と拝観受付のある庫裏(旧地蔵院)にある庭園もきれいですよ。このお寺には花や新緑・紅葉のシーズンに訪れることをお勧めします。
そうそう猫たちには特にシーズンはないようです。

また、門前にある天理市トレイルセンターは無料で休憩や観光案内が利用できるので便利ですよ。

第四番長岳寺はのんびりムードのお寺!
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第八番おふさ観音は超庶民的なお寺だ!

おふさ観音は、かつてこの土地の娘であった「おふさ」さんが観音さまを祀ったのがお寺の起源だと言われており、他のお寺のように時代の権力者や偉いお坊さんの創建ということではないのです。そして、後の時代に建てられた本堂も市民の協力によって建てられたという、まさに庶民信仰のお寺です。

そんな庶民信仰のお寺らしく、古い町並みの中に小さなお堂が建っています。「バラと風鈴の寺」と言われ季節にはお祭りが行われますが、バラはともかく「風鈴」というのは実にユニーク。本堂前にあるたくさんの風鈴は風情あるというよりは壮観です。

あまり観光ガイドに大きく取り上げられることがない、こんなユニークなお寺をぜひ訪れてみてください。ここは何だかホッコリできるスポットですよ。

第八番おふさ観音は超庶民的なお寺だ!
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第十二番円成寺は雰囲気抜群のお寺だ!

円成寺は、奈良市街と柳生の里を結ぶ柳生街道の途中にあります。奈良市街からは「滝坂の道」を通ってこのお寺まで歩くコースもありますが、これはちょっと健脚向けです。

国宝として有名な大日如来像は若い頃の運慶作と言われていますが、落ち着いた静かな表情の仏さまで一見の価値あり。さすがに見事です。そして、お堂や楼門前の庭園もよいのですが、何よりもお寺の周りも含めて全体の雰囲気が素晴らしいのが、このお寺の特徴です。ここは四季を通していつ来ても満足のスポットですよ。

第十二番円成寺は雰囲気抜群のお寺だ!
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おわりに

第一番から第十三番まで、十三の霊場をすべてお参りすることで結願となりますが、大和路に点在する十三のお寺は順番に並んでいる訳ではないので、効率を考えてコースを決めましょう。また、一気に数日でお参りすることもできますが、奈良観光を兼ねて数回に分けてお参りするのもいいですね。

亡き人を偲び供養するための十三仏参りは、残された者が残された時間をどのように生きていくかを静かに考える旅でもあります。大和路の街・里・山を巡りながら、のんびりと時間をかけて旅することをお勧めします。
結願時の達成感と共に、忘れられない思い出を得られる旅になることは間違いありません!

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/09/01−2014/09/04 訪問

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