秋田県南部の角館は、東京駅から新幹線で約3時間、秋田空港を利用すると羽田空港から飛行機で約2時間です。お車でいらっしゃる方は、桜の季節は住民の方々が空地を駐車場として貸し出しているので、駐車をすることも可能です。
一足遅い角館の春は、4月中旬から5月上旬にやってきます。角館は武家屋敷が残る地区が観光スポットの中心になっていますが、まずは見ておきたいのが桧木内川堤の桜並木です。角館の町中を流れる、桧木内川に沿って植えられているソメイヨシノの桜並木は2キロメートルにもおよび、国名勝に指定されています。1934年に今上天皇のご誕生を祝して植えられたのが始まりだそうです。桧木内川堤の桜並木は、角館武家屋敷の桜とともに日本さくら名所100選に選ばれています。
桧木内川の桜並木を対岸から見てみます。桜並木だけでなく、奥に見える外ノ山にもたくさんの桜が咲いています。
角館は、樺細工の工芸品で有名です。樺細工とは、山桜の樹皮を利用して造られる茶筒などお茶の道具、ブローチなどのアクセサリー類、インテリア雑貨です。江戸時代に下級武士の手内職として始まり、明治以降に安定した産業となっていきました。
武士たちはこの山に咲く桜の樹皮を利用して、樺細工を作っていたのだろうかと、この景色を見ながら思いをはせました。
城下町である角館は約400年前の藩政時代の町並みが今も残り、築200年の武家屋敷が立ち並ぶ、国の重要伝統的建造物群保存地区の指定を受けている町です。
武家屋敷通りに立ち並ぶ武家屋敷は、見学できるところがいくつかあり、上級武士から中級武士まで、階級によって家の造りがそれぞれ違います。係の方が説明してくださる屋敷もあるので、ぜひ江戸時代の武士の暮らしぶりを体感してみてください。
武家屋敷通りに植えられている162本のシダレザクラは、国の天然記念物に指定されています。約350年前に京都からお嫁入りした女性の花嫁道具の中に苗木が含まれていたのが、今に続く武家屋敷通りのシダレザクラの始まりと言われているそうです。
満開の時期に訪れたら、そよ風が吹く度に、シダレザクラの吹雪が舞いました。思わず花びらを受け止めようと手のひらを出す方もいて、その幻想的な雰囲気に息をのみました。
武家屋敷通りには、さまざまなお食事処、おみやげ屋が軒を連ねます。景観に合うように、外観も和の造りになっています。秋田名物にぜひ舌鼓を打ってください。
米どころ、酒どころで有名な秋田ですが、日本三大うどんとして知られている稲庭うどんも、実は秋田の名産の一つ。お食事に、ぜひ稲庭うどんを召し上がってみてください。半透明で平たい、つるっとしたのどごしが特徴の稲庭うどんは、冷やしても、温かくしてもおいしく召し上がれますよ! おみやげとしても購入することができます。
銘菓では、もろこし(諸越)が有名です。もろこしは落雁の一種で、小豆粉と砂糖で作られる干菓子です。焼きもろこしが主流ですが、ぜひ試していただきたいのが、唐土庵の生もろこしです。生もろこしはしっとりしていて、口溶けのよい、優しい味のお菓子です。賞味期限が短いため、自宅や近しい人向けのおみやげとしておすすめです!
角館は春夏秋冬、どの季節に訪れても景観は美しく、ため息が出ます。しんしんと降り積もる雪の中の、人通りの少ない武家屋敷通りも強くおすすめしたいのですが、最初に訪れるならやはり桜の季節でしょう(JR東日本のポスターでもおなじみです)。桜を愛でながら武家屋敷通りを散策し、ぜひおいしい秋田名物も楽しんでください。
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(2024/4/20更新)
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