謎の磐座が初公開!『国宝御本殿特別公開』春日大社「第六十次式年造替特別公開」

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謎の磐座が初公開!『国宝御本殿特別公開』春日大社「第六十次式年造替特別公開」

謎の磐座が初公開!『国宝御本殿特別公開』春日大社「第六十次式年造替特別公開」

更新日:2015/07/09 17:03

いずみ ゆかのプロフィール写真 トラベルjpナビゲーター いずみ ゆか 学芸員資格

今しか拝観出来ない、特別な聖地へ。
古都奈良の世界遺産であり、境内の鹿でも有名な春日大社。年間2200回以上のお祭りが奉仕され、その中で至高最上の祭典が20年に一度斎行される「式年造替(しきねんぞうたい)」です。2015年は60回目の節目に当たり、4月1日〜5月31日まで国宝御本殿が特別公開されています。なんと後殿への参入が許されたのは140年ぶり!しかも御本殿創建に関わる謎の磐座は初公開です!

今までとは違う、本当に特別な御参拝!春日大社の式年造替とは?

写真:いずみ ゆか

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春日大社は神護景雲2年(768年)、平城京の守護と国民の繁栄を祈願するため、御蓋山(みかさやま)の中腹に四棟の神殿(御本殿)を造営し、四柱の神々(春日四所明神※)を御祀りした事が始まり。

「式年造替(しきねんぞうたい)」とは、「決まった一定の年限で社殿を造り替える」という意味です。神様が御座所ごと遷(うつ)される事を「遷宮」といいますが、春日大社では、御本殿の位置を変えずに造り替えし、御神宝・調度品・祭器具を新調・修復を行うので「造替」といいます。
お住まいを新たにする事で、神様の若々しく力強い御神威を願って始まった制度であり、宮大工の建築技術継承や御屋根の檜皮葺の耐用年数といった見地からも、20年毎ぐらいが丁度良い期間なのだとか。

現在、2015年3月から2016年11月にかけて、記念すべき60回目となる「式年造替」が斎行されています。普段は皇室以外、足を踏み入れる事が許されない国宝御本殿を間近で拝観できる20年に一度のチャンス!
更に今回は、今までとは異なり、本当に特別で貴重な御参拝が出来るのです。

<今回の御本殿特別公開の見所>
■140年ぶり!御本殿「後殿(うしろどの)」特別参拝
■御本殿「磐座(いわくら)」初公開!
■御仮殿(移殿)特別参拝
■禁足地「御蓋山浮雲峰遥拝所(みかさやまうきぐものみねようはいじょ)」特別参拝

※写真は国宝御本殿。奥から第一殿・武甕槌命(たけみかづちのみこと)/第二殿・経津主命(ふつぬしのみこと)/第三殿・天児屋根命(あめのこやねのみこと)/第四殿・比売神(ひめがみ)

御仮殿(移殿)の御参拝では「六面の御神鏡」を目にする事が出来る!

写真:いずみ ゆか

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春日大社御神霊が鎮まる御本殿の御簾に掛けられた「六面の御神鏡」は、御神威の象徴として重く扱われています。もしこの鏡が落ちるような不吉な事があれば、宮中から勅使が派遣され、七日七夜、御神楽が行われていたとのこと。
御神霊が御仮殿(おかりでん)に遷されたので、私達は20年に一度だけ、この「六面の御神鏡」を御仮殿にて間近で御参拝できるのです。本当に貴重な体験です。(二礼二拍手一礼)

また、現在は見られませんが、桂昌殿にて御神宝の「鹿島立御神影図(かしまだちごしんえいず)」と「鹿島立鉾(かしまだちのほこ)」が特別公開されていました。
御祭神・武甕槌命が茨城県の鹿島神宮より白鹿に乗って御蓋山に奉遷した御姿を表した「鹿島立御神影図」は、御神影を直接拝するのをはばかる故実が残るため、紙垂(しで)という白い紙を垂らしています。写真左側の「鹿島立鉾」は、なんと初公開。
式年造替や国宝御本殿の拝観をより深い視点から味うためにも、掲載写真を参考までにご覧下さい。

※御仮殿(移殿)内は撮影禁止。

140年ぶりの解禁!御本殿の後殿へ

写真:いずみ ゆか

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後殿(うしろどの)とは、御本殿の背後にある白砂を敷いた斎庭のこと。災難厄除けの神々が御鎮座されています。

後殿は不思議な場所で、江戸時代の絵巻物では、御参拝図が残されているものの、明治以降約140年にわたり、何故か立ち入りが禁じられてきました。

しかしこの度、140年ぶりに立ち入りが解禁!御本殿の周囲は複廊形式の朱塗りの回廊が取り囲んでいますが、創建当初は四方すべて築地塀だったそう。特に御本殿の背後であり、神山である御蓋山に接した極めて重要な神地である事から、唯一後殿の北東部分だけ築地塀が残されたと考えられ、必見です。

そして御本殿裏側の第一殿と第二殿間の床にご注目を!

初公開!!春日大社にしか存在しない謎の磐座

提供元:春日大社第六十次式年造替記念奉祝行事実行委員会

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後殿の第一殿と第二殿の間には、何とも不思議な姿の磐座(いわくら)が祀られているのです。今回が初の公開!絶対に見逃さないで下さい。

この磐座には二つの特徴的な謎があります。
【1】表面が白い漆喰で塗り固められている
同様の磐座が春日大社摂社の水谷神社(みずやじんじゃ)本殿の床下にもありますが、日本でこの2例だけという極めて珍しいもの。

【2】一切の記録がない
春日大社に伝わる文書にも記載が無く、「春日権現験記」などの絵画資料においても確認が出来ない。

今まで春日大社神職以外、拝礼する事が出来なかった本当に神秘の石なのです。御本殿直下にあり、御蓋山の浮雲峰から平城京の大極殿への尾根線上にある事から、御本殿創建に深く関わりがあるのでは?と考えられています。

磐座のある後殿は、パワースポットなどと軽々しい言葉では表現できない、まさに聖なる地。厳かで澄み切った空気を五感で感じられる地です。

※磐座は内覧会取材でも一切撮影禁止。スケッチ画は春日大社の許可を得て掲載

20年に一度のチャンス!国宝御本殿への御参拝と見所

写真:いずみ ゆか

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御本殿は一間春日造で、文久3年(1863年)の幕末に造替されたものですが、後世の改変を受けず、平安朝の古式を維持・踏襲してきた事から国宝に指定されています。

細かい建築様式に関しては今回ご紹介できませんが、これだけは是非、ご覧頂きたいというポイントを。

■ 本朱(水銀朱)塗り100%の柱
全国でもほとんど例のない本朱塗り神殿。回廊等に見られる朱色が明るい朱なのに対し、御本殿の本朱は濃い赤の朱色が特徴。(写真参照)

■横一列に並んだ四棟の社殿の間を連結する御間塀(おあいべい)に描かれた獅子や神馬。絵馬の原型と言われている。(写真参照)

■神蹟・御蓋山の地の利を最大限活かした造営
東(第一殿)から西(第四殿)に向かって緩やかに下った地盤をそのまま利用し、各殿の土台部分を階段状に高低差をつけて繋がっている。

「禁足地御蓋山浮雲峰遥拝所特別参拝」も忘れずに!

見所が沢山あるため、御本殿を出てから最後の拝観になる「禁足地御蓋山浮雲峰遥拝所特別参拝」を忘れてしまう方が意外と多いのでご注意を。普段は閉門している「影向門」をくぐり、左手に進むとあります。(御本殿東側)

奈良時代初めに、鹿島の武甕槌命が白鹿に乗り降臨された神蹟・御蓋山の頂上浮雲峰の遥拝所で、現在も禁足地として入山が厳しく制限されており、神聖な空気を直接肌で感じられます。4月下旬頃からは、山藤が咲き誇る美しい場所なので、是非訪れて下さい。

実は、禁足地である御蓋山の浮雲峰に御鎮座の本宮へ精進潔斎の上、特別に御参拝できるという「御蓋山本宮神社特別登拝」が2015年の7月〜8月のうち20日間だけ行われます。(※要事前予約/有料)
その他にも、式年造替の期間、様々な特別御開帳や行事※が行われますので、春日大社から目が離せません!

奈良の歴史の真髄に触れる本当に特別な期間です。是非、人生に一度、あなたの記憶に残る御参拝を体験してみませんか?

※詳しくは春日大社公式HPをご確認下さい。
※国宝御本殿、御神宝は、一般拝観者の撮影は禁止されていますのでご注意下さい。
※記事は、メディア内覧会を取材したものです。写真の転載・二次利用は春日大社より一切禁止されています。

<国宝御本殿特別公開>
2015年4月1日(水)〜6月30日(火)まで公開延長
■拝観時間 8:30〜16:45
■拝観料/1,000円(式年造替特別記念品付)
※神事等により参拝できない場合があります。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/03/30 訪問

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