写真:井伊 たびを
地図を見る稲荷鬼王神社(いなりきおうじんじゃ)は、都会のど真ん中、東京都新宿区歌舞伎町にある。
全国で唯一の「鬼の福授けの社」として信仰を集め、「撫で守り」の授与で有名。皮膚病やその他病気平癒に御利益がある。境内社の「三島神社」に祀られている「恵比寿神」は、新宿山ノ手七福神の一つである。
天保2年(1831年)、大久保村の氏神であった稲荷神と、熊野から勧請されていた鬼王権現を合祀し、稲荷鬼王神社となった。熊野の鬼王権現は現存していないため、「鬼王」の名を持つ日本唯一の神社だ。また、大祭で担がれる宮御輿は、鬼面が彫られた珍しいものである。
祭神は、稲荷神の宇迦之御魂神、鬼王権現の月夜見命・大物主命・天手力男命。また、大久保村が祀っていた神々(火産霊神など)も明治時代に合祀されている。
ところで、神社の名前から誤解されやすいが、「鬼」を祭神としているわけではない。また、平将門の幼名を「外都鬼王」「鬼王丸」といったことから、その名をとったという説もある。
写真:井伊 たびを
地図を見るこの石造の水鉢は、江戸時代(文政年間)に制作されたものだ。しゃがんだ鬼の頭に、その鬼より大きな手水鉢を乗せた姿をしている。
言い伝えによると、当時毎晩この水鉢から水を浴びるような音がしたため、ある夜そこの主人が刀で切りつけたところ、その後そこの家人が頻繁に病気や災難に見舞われたため、天保四年(1833年)当社に寄進されたとか。
この水鉢は、高さ1m余りと小柄だが、とにかく凄い顔だ。なんでも、「子供の夜泣き」には効果覿面という。お子様の夜泣きに悩まされている親御さんは、一度訪れて願をかけてみられてはいかがだろう。
写真:井伊 たびを
地図を見る社殿わきにある「天水琴」は、雨水を利用したものだ。大神様のおわします社殿の屋根からの雨水を大きな甕に溜め、少しずつ水琴窟に注いで、音を奏でる仕掛けになっている。
耳を澄ますと、地中から弦を弾くような、微かな響きが聴こえてくる。滴りが作り出す、可憐で、聴くたびに不規則に変化する余韻が耳の奥にしみこみ人の心を包みこむ。
一度、竹筒に耳を近づけて聴いてみてはいかがだろう。
写真:井伊 たびを
地図を見るこちらの祭神は事代主命。恵比寿神として、新宿山ノ手七福神の一つに数えられている。よって別名(開運)恵比寿神社とも呼ばれている。
毎年10月19・20日の大祭「恵比寿祭」では、境内にべったら漬を売る露店や出店などが並び賑わう。この祭りでべったら漬を買うと金運が付くといわれており、別名「べったら祭」とも呼ばれている。べったらのあの粘りで金運が授かるということだ。
また、食べ物を口にすると幸せが腹に貯まり、衣服をもとめると福が身につき、鉢植えの花を買うと幸福が根付くともいわれている。
この神社のわきにも、「水琴窟」がある。手水鉢の水を柄杓ですくい左下方の紐で巻かれた苔の生えた飛び石を目印に少しずつかけると、地中から弦を弾くような微かな響きが聞こえてくる。こちらの竹筒も耳を近づけてみては・・・。
大都会の喧噪の中にいながら、あたかも大自然の中にいるような錯覚を引き起こす、癒される響きをいつまでも聞き入っていたくなる。
写真:井伊 たびを
地図を見る博物館といっても建物ではない。映画関係の資料や当社の神事やお祭りの告知をする掲示板である。かつて、当社の境内隣接地に「大久保館」という映画館があった。大祭開催時に、映画資料を展示したのが始まりだ。
現在では「鎮守の杜まちかど博物館」の名称で、本殿わきに常設されている。昔懐かしい映画の資料だけでなく、大祭事には当社所蔵の貴重な資料も展示される。
境内社「三島神社」のわきに「かえる石」がある。恵比寿様をお参りしてから、この石に手水を柄杓でかけてさすりながら、心の中で次の言葉を三度唱えると、その願いが叶えられるとのことだ。
一日の無事を願う人、あるいは交通事故や旅行安全を願う人は「無事かえる」、開運を願う人は「良き運にかえる」、金運を願う人は「金かえる」、縁結びを願う人は「想い人の心が自分にふりかえる」あるいは「待ち人かえる」、健康を願う人は「若がえる」、あらゆる願いを「カなエル」と三度唱え、その後もう一度、恵比寿様にお参りすればいい!
都内観光のついでにでも足を伸ばせば、御利益多き神社である。
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(2024/4/19更新)
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