写真:小林 理沙
地図を見る建物は1482年から1498年にかけて建てられました。ゴシック様式の堂々たる姿を誇っています。当時、地中海に面するという地の利を生かした貿易により、経済力を増した時代のバレンシアを偲ぶことができます。なんとなくお城のように見えると思われる方もいらっしゃると思いますが、それは、塔や、内部から銃や弓を打つための銃眼、そして厚い壁がお城のつくりと共通するためです。
建物の壁には、悪魔を形どった飾りが所々に見られます。また悪魔とは対極にある純真の象徴「マリア様」を戴く門があるかと思えば、宗教とは無関係のドラゴンやケンタウロスなども見ることができます。この一貫性のなさも「ラ・ロンハ」へ関心を集める動機となっています。
さあ、中に入ってみましょう!
写真:小林 理沙
地図を見るこの大広間は、絹商品の取引の契約時に使われていました。広々とした空間に、高い天井とそびえる柱が圧倒的な美しさを生み出しています。12メートルの高さの螺旋形の柱が8本伸びています。柱はヤシの木を見立てられています。そして、広間全体のイメージが「ヤシの木が生い茂る楽園」です。楽園のイメージがヤシの木とは、地中海人の発想らしいですね!
天井から少しだけ目線を下に移した壁に暗い色の部分があります。そこにはラテン語で文字が書かれています。その意味は、「私は有名な家で、15年の歳月をかけて建てられた。嘘のない取引がなんと良いことだろうか。誓いを守り、暴利の金を借りないことがなんと良いことだろうか。こうした取引により商人たちは裕福になり、その後の人生を享受するだろう。」
写真:小林 理沙
地図を見る一年を通じて青空が広がり、空の青さを映したかのような海と、それらと対象をなすオレンジ。バレンシアを訪れた人が目にする色がそのままステンドグラスになっています!先の「契約の広間」に隣接した小さい部屋で、このステンドグラスが見られます。
分厚い壁を持つ建物内は、薄暗く彩色も施されていません。外からの光がこのステンドグラスを通って映し出される姿が、建物に唯一色を与えています。
写真:小林 理沙
地図を見る「契約の広間」から外に出ると、天井がなく開放感のある「オレンジの中庭」につながります。その名の通りオレンジの木が植えられ、すがすがしい空間です。この中庭から階段を上ったところにあるのが「海洋領事の広間」です。建設された時代の関係からルネサンスの影響を受けています。この広間は海洋領事の裁判所が置かれていました。「ラ・ロンハ」が建設される以前の1283年からバレンシアの海事・商業上の問題を扱ってきました。なんと、スペインで初めての商事を扱った裁判所です!
広間を代表するのが芸術的な木の格間天井です。金色が基調となっています。この色から広間は、「黄金の広間」とも呼ばれています。天井には、670もの登場人物が描かれています。その中には、グロテスクなもの、戦争に関係のあるもの、神話、植物、星座に関したものなどがあります。この天井を手がけたのは、フアン・デル・ポヨです。彼により、1418年から1455年にかけて完成されました。
写真:小林 理沙
地図を見る「ラ・ロンハ」の建物は、ガーゴイルが守っています。魔除けですから、グロテスクなものや怖い表情でなければいけないはずです。しかしながら、よく見てみると、乗馬をする人、怪力の男とライオンの取っ組み合いや、一休みをしている巡礼者や下品なものなど、人間味が溢れるガーゴイルが多くあります。上を見上げて、訪れる来場者を見張っているガーゴイルをご覧ください!
「オレンジの中庭」から建物の地階へ通じる階段があり、降りることが可能です。この階段は、目立たないところにひっそりとあるため、気づかない訪問者も少なくありません。見逃さないでください!
階段を降りると、天井の低い部屋があります。倉庫として使われていた場所です。実は、「ラ・ロンハ」は絹の商品取引所のみではなく、「穀物類の倉庫」として食糧難の時代に使われていたのです。
なお、食べ物つながりでは、道路を挟んだ「ラ・ロンハ」の向かい側には、ヨーロッパ最大級の規模を誇る「バレンシア中央市場」もあります。「ラ・ロンハ」の出入り口は、中央市場に面した側にもありますが、現在はそこは開放されていなく、建物をぐるりと廻ったところです。
見学はどちらが先でも構いません。どちらにもぜひ行ってみてください!
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(2024/4/24更新)
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