サン・ジミニャーノへのアクセスは、フィレンツェからバスで2時間30分程。または列車でピサ方面に乗って、途中のエンポリでシエナ方面に乗り換えて、ポッジボンシ下車。そこからバスで30分程と、かなりアクセスは悪いです。そのため、効率よく廻るならレンタカーをお勧めします。
一方、バスは城壁に隣接したバスターミナルに到着します。そして街の入り口である、サン・ジョヴァンニ門が見えますので、そこから中に入りましょう。城壁の中は石畳の通路やレンガ造りの建築物で覆われ、その情景に一気に700年ほど時間が戻ります。
ここは中世の街並みが非常に高品位に保存されています。城壁の中は原則車が入れないので、外の駐車場に止める訳ですが、こうした観光客の車の規制が高品位な維持につながっているのだと改めて感じます。
サン・ジミニャーノは城壁内の市街地が南北1km 東西500mの非常に狭い地域に集中しています。この大きさは日本で言えば新宿御苑や大阪城公園程度の大きさです。かつて、ここには街の貴族たちの富と権力の象徴として、70本を超える塔が、その高さを競い合うように立っていました。今では当時の20%、14本にはなってしまいましたが、「栄光の跡」は感じて頂けると思います。
このチステルナ広場とドゥオーモ広場がこの街の中心地。夕食前の軽い腹ごなしには最適の散歩道です。中世の街並みを現代の格好をして、ゆったりと粋に歩くのも、時間にとらわれないFITの醍醐味です。
さて、観光の楽しみの一つ、夕食はぜひトスカーナ料理で楽しんでみましょう。この小さな城壁の中で「リストランテ」といって、きちんと食事をするレストランは多くなく、その中で「イル・ピーノ」をお勧めします。料金的にもリーズナブルで本格トスカーナ料理を楽しめます。入り口は狭いですが、中は広く絵画も多く飾ってあり、上品なレストランです。ペンショーネ(宿泊施設)併設なので泊まれます。
このトスカーナ料理は16世紀に当時のアンリ2世の妻、カトリーヌがフィレンツェよりもたらしたとされる料理で、現在のフランス料理(2010年世界無形遺産登録)の原型となったとされます。この料理の特徴は、素材の味を重視したシンプルな料理で、肉料理はウサギや鴨など、豊富な素材をその味を生かした調理法で食べるというものです。世界文化遺産の街で世界無形遺産の料理を食べる贅沢を是非ご堪能下さい。
城壁の中は、車の往来が極度に制限されているので、夜の帳が降りた頃には、昼間でもそれほど喧噪で無い街は、すっかり静まりかえっています。外灯のほの暗いオレンジ色の光が、煉瓦造りの建物に一層の暖かみを添え、訪れる人を優しく包み込んでくれます。夕食後のひととき、皆さんが昼間と同じ道を歩いても全く別の処に来たような感覚を感じて頂けると思います。
さあ、世界遺産の街に相応しい、上品で穏やかな大人のナイトライフを楽しみながら、中世の空気を思い切り吸ってみましょう。
サン・ジミニャーノは、街の規模が小さく、中世の街並みを保護するため、大型の建物はなく、従って大規模宿泊施設はありません。
今回ご紹介する「ル・アンティコ・ポッツォ」も中世の建物を使用しているために、わずか18室しかないホテルです。もちろん内装は全て現代風アレンジされ、館内にはWIFIも完備しています。中世の部屋で現代の暮らしが出来ます。
宿泊料金は、広さや設備の割には決して高くなく、朝食付きで概ね100ユーロ程で泊まれます。ホテル内にはバーなどもあり、小さいながらも付帯施設も充実しております。団体客が居ないので、館内は大変静かです。さあ、静かな夜に中世の夢を見ませんか?
サン・ジミニャーノのあるトスカーナ州は、州都フィレンツェを含め、シエナやピサといった都市にも世界遺産を含めた観光資源が豊富です。またなだらかな丘に整然と並ぶ糸杉を伴った自然景観もまた見事です。
そして、各観光地で出会う地元住民の穏やかで優しい振る舞いに、皆様がイタリアの旅に癒やしを感じて頂ければ幸いです。
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