京都駅から歩いてすぐ!渉成園(枳殻邸)で季節折々花ごよみ

京都駅から歩いてすぐ!渉成園(枳殻邸)で季節折々花ごよみ

更新日:2015/03/30 18:37

渉成園は、京都駅から程近くにある東本願寺の別邸です。
京都にたちよれる時間があまりないような方や、新幹線の発車ギリギリまで京都を堪能したい!という方にはとってもおススメの観光スポットですが、実はここ、一年を通して花見が出来る素敵なスポットなのです!
お花見とはいっても勿論一年中桜が咲いているわけではありません。

では渉成園では一体どんなお花が楽しめるのか?
四季の花々を鑑賞できる渉成園の魅力をご紹介します!

渉成園とは??

渉成園とは??
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冒頭にも書いた様に、渉成園は東本願寺の別邸、飛池境内地としてつくられました。

東本願寺は、日本で最大の木造建築である御影堂を有し、広さ2万8千坪のダイナミックなお寺です。その500m程東にある渉成園ですが、別邸とはいえ敷地の広さは本邸のおよそ2分の1とかなり広く、京都駅のすぐ近くとは思えない落ち着いた空間が広がっています。

敷地内には大小二つの池があり、その二つが小川でつながっています。
勿論寺院の別邸ですから、敷地内には持仏堂があります。さらに数棟の茶室・書院がちりばめられた庭園は、どこをとっても素晴らしい風景を眺めることができるのです。

この広い敷地内には、四季を通じて庭園を美しく鑑賞できるように様々な観葉木や花が植えられています。その為、一度訪れた後でも別の季節に遊びに行けばまた新しい美しさを堪能できるという嬉しさがあるのです。

ではいよいよその花達を順にご紹介しましょう。

春の渉成園

春の渉成園
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まずは春の花をご紹介します。
春は花の季節、鑑賞できる花も種類が豊富!

冬が終わり、少しずつあたたかくなり始める季節、最初に渉成園の庭に彩を加えるのは梅の花々です。

渉成園内には「双梅檐」と呼ばれる梅林があり、紅梅・白梅が20株ほど植えられ、毎年2〜3月に花を咲かせます。
「檐」とはひさしの意味。これは双梅檐の隣にある大書院「閬風亭」が、かつては現在のものより規模が大きく、屋根がこの辺りまでかかっていたことが由来です。
残念ながら1864年の蛤御門の変で焼失しており、現在の大書院は翌1865年に再建されたものです。
そして梅がピークを迎える3月ごろからは真っ白なユキヤナギが咲きはじめ、季節外れの雪のように園の緑を覆います。

春の花といえばやはり忘れてならない桜。
園内には染井吉野や枝垂桜、関山など多くの種類の桜があり、それぞれ見ごろが違うので、4月いっぱいくらいまでお花見を楽しむことができます。桜並木の傍らにはその名も「傍花閣」という名の建物が。かつてここで春の花見を楽しんでいたことがうかがえます。

そして4月の中旬からはカラタチの花。
これこそが渉成園を象徴する花ともいえるでしょう。
今は白壁垣に囲まれていますが、かつては枳殻(からたち)の垣根で囲まれていたということから、別名「枳殻邸」と呼ばれており、地元民からはこの名で親しまれています。

5月に入ると菖蒲やツツジが咲きはじめ、彩も赤や黄色と鮮やか。
池のほとりでは藤棚も見事です。

夏の渉成園

夏の渉成園
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渉成園には「印月池」という名の広い池があり、ここでは夏になると一面の睡蓮で水面が埋まります。
いうまでもなく、蓮は仏教のシンボル花!極楽浄土や往生の象徴的な花です。閑静な中で睡蓮を眺めていると心洗われるような気分になれますよ。

梅雨には紫陽花。紫陽花は咲き始めてから枯れるまでにどんどん色が変化していくので、いつ行っても違った趣が楽しめます。
同じころ咲き始めるのがクチナシの花です。暑い京都の夏ですが、真っ白なクチナシが爽やかな清涼感を与えてくれますね。

真夏になると、紫の上品な色合いを魅せる紫式部や、鮮やかなオレンジ色のユリ・野萱草が咲き始めます。夏の濃い緑とのコントラストは見事。ここに紫式部が植えられているのには、この庭園にまつわるちょっとした伝説が関わっています。それはまた記事の後半にて。

秋の渉成園

秋の渉成園
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夏から秋は萩の花が咲き乱れます。
とはいえ、萩の花は小さくてとっても控えめ。同じく控えめな花ですが、茶の木も花をつけます。お茶の花というとあまりイメージが湧かないかもしれませんが、茶の木は実は椿の仲間。椿に似た形の真っ白な花を咲かせます。
園の北側にひっそりと建てられた「代笠席」という茶室があるのですが、その横に茶の木が植えられています。ここで摘まれたお茶をこの茶室でたてていたのでしょうか。想像が膨らみます。

花ではありませんが、秋の渉成園ではやはり紅葉を楽しむ方が多いようです。
池のほとりの園路には、両サイドに楓が植えられ、「丹楓渓」と名付けられています。「丹」は赤という意味。紅葉の美しい渓谷を模して造られました。

冬の渉成園

冬の渉成園
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冬にも咲く花があります。それが椿です。

椿も数種類が植えられています。シンプルで如何にも日本的な林檎椿や、ゴージャスな紅八重、また写真の侘助など色々。

普段から美しいのですが、特に雪が積もった日には、真っ白な雪景色の中に真っ赤な椿が映えてびっくりするほど美しい風景が広がります!

雪の中の観光は少し大変ですが、是非お勧めしたい光景です。

四季の渉成園

さて、四季を通じて常に美しい花を咲かせる渉成園。

伝説の域を出ませんが、源融の邸宅であったという説があります。源融は、かの有名な「源氏物語」の主人公・光源氏のモデルとされる人。
源氏物語の作者(諸説ありますが)である紫式部の名を冠した花も庭園には植えられていましたね。
そんな素敵な人がここで暮らしていた(かも)と思うと、一際風流さを感じられます。

渉成園は入園料は取っていないのですが、参加者協力寄付金という形で500円以上の寄付をすると、季節の花のカタログか、渉成園の建造物を紹介するパンフレットどちらかが貰えます。

京都駅からも近いので是非何度も足を運んでみて、四季折々の美しさを感じてみてください!

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/03/13 訪問

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