シンガポール初の世界遺産「ボタニック・ガーデン」は大都会のオアシス

シンガポール初の世界遺産「ボタニック・ガーデン」は大都会のオアシス

更新日:2015/07/06 10:28

高層ビルが並ぶ大都会シンガポール。その中にあって古くから市民に愛される憩いの場「シンガポール・ボタニック・ガーデン」は、52ヘクタールもの敷地面積を持つ庭園植物園です。古くは植民地時代から国の発展を支え続けた植物園は、2015年7月に世界遺産へ登録という形で、シンガポールに新たな歴史を刻みました。

古いけれど最新の観光スポットで無料がうれしい「シンガポール・ボタニック・ガーデン」をご紹介します!

シンガポールの憩いの場「ボタニック・ガーデン」へいこう

シンガポールの憩いの場「ボタニック・ガーデン」へいこう
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シンガポールのメインストリート、オーチャードロードから西へ1.7キロメートル。「シンガポール・ボタニック・ガーデン(Singapore Botanic Gardens)」は、入場無料ということもあって、ジョギングをする人々や、芝生にシートを広げてピクニックをする人々の姿が何ともほほ笑ましい、シンガポール随一の観光スポットです。

広大な敷地は、いくつかのテーマに区切られ美しく整備されています。道中には「ヘリテージ・ツリー」と呼ばれる、年月を重ねた11本の大木や、自然と沿うようにさりげなく置かれた彫刻などもあるので、散歩をしながらそれらを探すのもよいでしょう。レストランなどの施設もあるので、気兼ねなくゆっくりと滞在できます。

え?この花って?が面白い「ジンジャー・ガーデン」

え?この花って?が面白い「ジンジャー・ガーデン」

提供元:遠藤隆尚

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めったに見られないジンジャーの花。「ジンジャー・ガーデン」では、中南米から東南アジアなどの熱帯多雨林に分布する、さまざまな種類のジンジャーを一同に見られます。

熱帯雨林をイメージしたジャングルのようなガーデンの足元に、独特の形と色と香りで昆虫を惹きつけるジンジャーの花が、ぽつんぽつんと咲いています。その見た目とは裏腹に、とっても繊細で短命なジンジャーの花は、午前中が見頃です。

世界最大規模のラン園「ナショナル・オーキッド・ガーデン」

世界最大規模のラン園「ナショナル・オーキッド・ガーデン」
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シンガポール土産としても、大変人気があるランの花。チャンギ空港内のお花屋さんの前では、日本未入荷のランなどを買い求める人々でいつも賑わっています。シンガポールのラン産業は、ここ「ボタニック・ガーデン」から始まりました。1928年、当時の園長だったエリック・ホルタム教授の発案によって始まったランの交配と繁殖は、やがてシンガポールの重要な輸出品となります。

園内にある「ナショナル・オーキッド・ガーデン」は、ボタニック・ガーデンの最大の目玉です。世界最大規級を誇る園内では、約6万本のランが観光客を出迎えてくれます。またその奥にある「VIPオーキッド・ガーデン」は、ここを訪れた世界各国の著名人の名を冠したランが見られます。今上天皇の深紅のラン「Renanthera Akihito」や、皇太子妃雅子さまの白く可憐なラン「Masako Koutaishi hidenka」は見ておきたいですね!

*このゾーンのみ有料です。
*ランは空港内で購入しても、帰国時の植物検疫は必至です。

シンガポールの自然の宝庫は生物たちのパラダイス!

シンガポールの自然の宝庫は生物たちのパラダイス!

提供元:遠藤隆尚

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とても広大な「ボタニック・ガーデン」に集まるのは、人々だけではありません。シンガポールの大都会に住む、多くの生物たちにとっても貴重な楽園なのです。

日本では聞きなれない、南国特有の鳴き声に耳を澄ませば、そこにはオオハッカ(White-vented Myna)やインドハッカ(Common Myna)が、飛び回っています。ナショナル・オーキッド・ガーデンでは、無数の蝶に出会えるでしょう。そして、運がよければ出会えるかもしれないオオトカゲは、ジンジャー・ガーデンやスワン・レイク(Swan Lake)などの水辺で見られるかもしれません。

ボタニック・ガーデンの歴史を学ぼう

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シンガポール・スリング発祥の地で有名な「ラッフルズ・ホテル(Raffles Hotel)」といえば、シンガポールを旅する人々が一度は耳にする有名な観光スポット。その名は、シンガポールの創設者にして、英国植民地を建設した「トマス・スタンフォード・ラッフルズ(Sir Thomas Stamford Raffles)」にちなんでいます。ここ「シンガポール・ボタニック・ガーデン」も、植物学に興味を持つ彼と英国の植民地政策を基板として、1859年に農業園芸協会により設立されました。

その後「シンガポール・ボタニック・ガーデン」は、英国の「キュー王立植物園(世界遺産)」のスタッフなどの協力も得ながら、東南アジアにおける本格的な植物研究所として、ゴムの木やランの研究に積極的に取り組みました。やがてこれらの研究は、東南アジアの発展の礎となります。たくさんの高層ビルが建ち並び、近代的な街並みへと変貌を遂げたシンガポール。「シンガポール・ボタニック・ガーデン」は、植民地時代から変わらぬ景色と歴史を持つ、貴重な場所なのです。

タングリン・ゲート(Tanglin Gate)近くにある、SBG・ヘリテージ・ミュージアム(SBG Heritage Musium)を訪ねてみましょう。ガーデンの歴史や、標本の一部、当時使用した器具などが見られます。

シンガポール初の世界遺産「ボタニック・ガーデン」

「シンガポール・ボタニック・ガーデン」は、シンガポールの植民地時代の面影を残す英国庭園、標本などの貴重な資料、またシンガポールでも絶滅が危惧されている植物などが生育していることなどから、2015年7月にシンガポールにおいて初の世界遺産登録という快挙を成し遂げました。

常夏のシンガポールでも時期によって違った表情を魅せてくれる「シンガポール・ボタニック・ガーデン」は、何度訪れても新しい魅力を発見できるはず。シンガポールを訪れたら、是非足を運んでみてください!

■シンガポール・ボタニック・ガーデン(Singapore Botanic Gardens)
住所:1 Cluny Rd.

■アクセス
MRTオーチャード駅から約1.7キロメートル。タングリン・ロード(Tanglin Rd.)を歩き、タングリンモール(Tanglin Mall)の前のホーランド・ロード(Holland Rd.)を右折、右手に公園のゲートが見えます。そのほか、シンガポール市内を走るバスでもアクセスが可能。

*詳しくはMEMOの「Singapore Botanic Gardens(英語)」を参照してください。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/04/19 訪問

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