かつて貨物輸送で栄えた終着駅。北海道の港町にある「増毛駅」

かつて貨物輸送で栄えた終着駅。北海道の港町にある「増毛駅」

更新日:2015/03/16 11:03

深川〜留萌間は水田地帯や緩やかな山間を通り、そのあとは日本海沿いを増毛方面へとすすむ、北海道のJR留萌本線(るもいほんせん)。石炭や水産品の輸送で栄えたのは昔の話、現在見られるのはローカル線としての穏やかな姿です。

「増毛駅(ましけえき)」は、そんなローカル線の終着駅。駅舎の姿は、懐かしい気分にさせてくれる木造建築です。この駅はかつて貨物輸送の拠点だった場所で、いまは静かな佇まいを見せています。

大正時代に建てられたレトロな木造駅舎

大正時代に建てられたレトロな木造駅舎
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増毛駅の景観は趣ある木造駅舎で、建てられたのは大正10年。当時の駅舎が今でも残っており、じっと見ていたら今が平成の世であることを忘れそうになります。非日常感を味わいたい方にまさに最適。

周囲の景色は終着駅らしく、物静かな雰囲気です。近くに建つ2階建てのマンションがアクセントになって、若干の生活感を醸し出しているくらい。ゆったりとした時間が流れています。

もし留萌方面から車に乗って向かうなら、国道231号線(オロロンライン)を使うといいでしょう。ただし、増毛駅はかつて貨物輸送の拠点であったため、増毛港(ましけこう)の近くに存在します。そのまま国道231号線をすすんでいくと、駅から離れた街中を通ってしまいます。

増毛町の箸別(はしべつ)辺りにて、国道231号線から海沿いへ道々301号線が分岐しています。そちらを進むと増毛駅が見えてきますので、途中からそちらへ経路変更するのがオススメです。

※2015年3月の時点では、雪崩による被害を警戒して、留萌駅〜増毛駅間における運行は見合わせとなっています。運行が再開されるまでは、車にてアクセスしてください。

駅舎内では水産品販売店「孝子屋ぐるめ食品」が営業

駅舎内では水産品販売店「孝子屋ぐるめ食品」が営業
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時代を感じさせてくれる木造駅舎ですが、その駅舎内で水産品の直売店が営業されています。「孝子屋ぐるめ食品」というお店で、平成24年から営業が始まりました。

タコの加工品・鮭とば・タラコなどが売られており、特に注文したらその場で揚げてくれる「タコザンギ」は人気がある模様。増毛駅を訪れたら、こういった水産品をぜひ味わってみてください。

※以前は駅舎内で「そば処 増毛駅」が営業されていましたが、現在は閉店しております。

素朴な待合風景

素朴な待合風景
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木造駅舎や待ち時間に座るイスは、ホームからやや離れています。
どこか取り残されたような、やや寂しげな雰囲気が感じられる待合所の風景。素朴な駅舎と相まって、なんとも言えない感慨にとらわれそうです。

駅のホームで旅情を感じてみる

駅のホームで旅情を感じてみる
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シンプルな駅のホームに、ローカル線らしい単線の鉄路。さらに、JR留萌本線は非電化路線なので、電線はなく鉄路の上空はすっきりとしています。そして、普段ホームに入ってくるのはワンマン運転の気動車で、穏やかな光景に巡りあえます。

終着駅にあるそれほど広くないホームにて、旅情を感じてみませんか?

貨物輸送で栄えた頃の名残り

貨物輸送で栄えた頃の名残り
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今は単線しか引かれていない駅構内ですが、貨物輸送の拠点だった頃はいくつもの線路が分岐し、複線となっていました。駅前を通っている道々301号線が通っている場所は、当時は駅構内の敷地でした。

増毛駅の前に広がる、大きな空き地。
貨物輸送で栄えた頃の名残りが、今でもこうして残っています。

おわりに

ローカル線の終着駅である「増毛駅」。木造駅舎という風情ある建物で水産品が売られていたり、素朴な雰囲気のなか旅情を味わえるなど、味のある駅となっています。

駅に面した空き地を見て貨物輸送で栄えた頃に思いを馳せながら、タコザンギなどを食してみてはいかがでしょうか?

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掲載内容は執筆時点のものです。 2014/04/20 訪問

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