岩のテーマパーク?バリエーションルートで『六甲山』再発見

岩のテーマパーク?バリエーションルートで『六甲山』再発見

更新日:2016/11/16 17:20

SHIZUKOのプロフィール写真 SHIZUKO 舞台演出者
『六甲山』といえば、京阪神で一番メジャーな山と言っても過言ではありません。阪神間で東側を観れば、大抵、誰の目にも見える山が六甲山脈。遠足はもとより、ファミリー登山でも大人気。その一方で、昔から岩場登りの訓練適地として、本格的な登山者に広く知られてきた場所でもあります。もろい花崗岩の岩山はまるで『岩のテーマパーク』。よじ登ったり、くぐったり。ただし危険個所もあるので、経験者と一緒にお楽しみください。

バリエーションルート『芦屋・地獄谷』

バリエーションルート『芦屋・地獄谷』

写真:SHIZUKO

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『六甲山』と一口に言っても、実は79もの山々がボコボコと波を打ち集まっている山脈。東西30キロ南北10キロ弱にも及ぶ、瀬戸内海に沿った細長い山塊です。最高峰の六甲山931メートルへは、阪急電鉄芦屋川駅から高級住宅街を通って、高座の滝登山口から登るのが一般的。滝の上部から、芦屋ロックガーデンを登り、風吹き岩で眺望を楽しんだ後、最高峰を目指し、有馬温泉へ下るというのが最もメジャーなコースです。

でも、山頂を目指すだけが山の楽しみではありません。神戸市が管理・補修しているコースだけで、実に66コース・220キロもある六甲山の登山道。いろんな楽しみ方が出来るのが六甲山なんです。

経験者やしっかりとしたガイドさんに同行してもらえるなら『芦屋・地獄谷コース』を登るのはいかがでしょう。花崗岩の岩山である六甲山の醍醐味を満喫できるコースです。

『地獄谷』への入り口は、高座の滝を登り、ロックガーデンへ入る手前で左の谷に降りていきます。広々とした谷の左手には『ゲートウォール』と呼ばれる大岩が聳え立ち、土石流感知のためのワイヤーもあり、ちょっと緊張しますが、ワイヤーに触らないように岩場を目指して進みましょう。

足の置き場に注意しながら、エイ!と身体を持ち上げて

足の置き場に注意しながら、エイ!と身体を持ち上げて

写真:SHIZUKO

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岩が積み重なった谷を、手足を使って登って行きます。このコース、3箇所だけ、どうやって登ればいいのかなって悩む箇所があります。足の置き場、手の置き場に注意して、落ち着いて登っていきましょう。岩をよじ登ったり、ちょっとした滝を登っていると、すっかり忘れてしまっていた子ども心を呼び覚まされ、ワクワクドキドキ、楽しさが体中を駆け巡っていきます。

ほどなく谷筋を抜けて、到着するのが『ピラーロック』と呼ばれるところ。岩のテーマパークと呼べる細い岩の廊下やトンネル、身体が通るかどうか不安になるような細い岩の間を超えると、目の前には、風化して不思議な形になった岩稜帯。眼下には、阪神間の街並みと大阪湾。すごーい! と叫ばずにはいられない絶景が待っています。

キャッスルウォールにびっくり

キャッスルウォールにびっくり

写真:SHIZUKO

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ピラーロックで昼食をとり、風吹き岩に向かって登って行くと、『キャッスルウォール』への分岐があります。キャッスルウォール=城壁。どんな岩場があるのか期待に胸が膨らみます。

そちらの道へ下っていき、高座谷の堰堤を越えていくと、聳え立つ一枚岩のキャッスルウォールが目の前に。ほぼ垂直の岩を、登攀具を装着して、登っている人たちの姿にびっくり。でも、ここが初級の岩場だということに、またまたびっくり。岩登りって、すごい技術が要求されるようです。もちろん、そんな危険な場所には挑まず、横にある登山道を手足を使ってよじ登ります。

岩梯子を登り切ろう

岩梯子を登り切ろう

写真:SHIZUKO

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しばらく岩場を登って行くと『岩梯子』と呼ばれる場所に出ます。垂直の岩が、はしごのようになっている場所。六甲山頂を観た時に、東側に岩肌が茶色く見える場所があり、そこが、岩梯子のある『荒地山』です。登っているときはわからないのですが、あらためて遠くから自分が登った場所を見ると、よくあんなところを登ったなって感慨深いものです。

岩梯子の最後は『七衛門ぐら』と呼ばれる、狭い岩の穴をくぐります。ザックを背負ったままでは絶対に通りぬけられないので、仲間と協力して、ザックを受け渡しながら潜り抜けましょう。ここさえ過ぎて、風吹き岩に向かっていきます。

あっという間に『荒地山』の頂上を通るのですが、えっ!ってくらい眺望のない場所。その後『なかみ山』の頂上も通過しますが、木に小さな看板がひっそりとあるだけなので、見過ごさないようにしてください。

風吹岩からロックガーデンを下る

風吹岩からロックガーデンを下る

写真:SHIZUKO

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六甲山を登る人の多くは、風吹岩から有馬へ抜けることが多いので、芦屋ロックガーデンを下ることは少ないかもしれません。岩場は、登るよりも下る方が危険なので、ゆっくりのゆっくり、足場を確かめて下って行きましょう。慌てて足を置くと、滑ることもあるので慎重に。

焦らなければ楽しい岩場下りです。階段状のハイキングコースを歩くよりも楽しいアドベンチャー。眼下に広がる大展望を楽しみながら下る道は、ドキドキワクワクがまた身体の中を駆け巡ります。無事に下山してこその山歩きですから、決して無理せずに楽しんでくださいね。

バリエーションルートは楽しい

六甲山の芦屋地獄谷ルートは、一般道ではありません。滑落事故も起きていますので、慎重に楽しみましょう。経験者やガイドさんに同行してもらえれば、そんなに難しいルートではありませんので、ぜひ、お楽しみいただきたいと思います。整備されたハイキングコースとは違い、手足を駆使して岩を登る楽しさはワクワクドキドキの連続。

公園でジャングルジムを登ったり、土管をくぐったりした子ども時代がよみがえります。しかも、登り切れば、阪神間の大パノラマが疲れた体を癒してくれます。春になり、心地よい風に吹かれて登る山は、きっと最高の気分をプレゼントをしてくれるはずですから、ぜひ!

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/02/11 訪問

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