延々と続く光景は圧巻!奈良市「佐保川の桜並木」でお花見を

延々と続く光景は圧巻!奈良市「佐保川の桜並木」でお花見を

更新日:2024/03/11 11:20

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員
「佐保川(さほがわ)」といえば、奈良盆地の北部を南北に流れる河川の一つ。『万葉集』の題材となることも多く、奈良の歴史と深く結びついた河川であるといえます。そんな佐保川のもう一つの名物は、川沿いに植えられた桜並木!全長数キロにわたって続くその光景は「奈良県景観資産」の一つにも数えられており、見応え充分。例年、多くのお花見客が桜並木を散策します。今回は佐保川の桜並木の魅力をご紹介しましょう。

佐保川沿いに延々と続く桜並木

佐保川沿いに延々と続く桜並木

写真:乾口 達司

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佐保川は市街地の東方に広がる山間部に源流を持つ一級河川。若草山を北側からまわり込むようにして平野部へと出たその流れは、現在の新大宮付近で南方へと転じ、やがて大和川に合流します。古くは平城京に物資を運搬する運河としての役割もになっていたと考えられており、いわば、奈良市を代表する河川であるといえるでしょう。

そんな佐保川の堤には数多くの桜が植栽されています。桜並木は法蓮町にはじまり、大和郡山市との境界付近まで数キロにわたって延々続いています。

佐保川沿いに延々と続く桜並木

写真:乾口 達司

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したがって、お花見のシーズンになると、河川敷はたくさんのお花見客でにぎわいます。

佐保川沿いに延々と続く桜並木

写真:乾口 達司

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写真は奈良県道1号線(三条通り)にかかる「高橋」の上から南方を撮影したもの。ご覧のように、満開の桜並木が延々と続いています。圧巻。そんな言葉がぴったりの光景ですよね。

※写真は2023年の様子です。

<高橋の基本情報>
住所:奈良市三条栄町
アクセス:近鉄新大宮駅より徒歩約10分

奈良市立佐保川小学校前の桜並木

奈良市立佐保川小学校前の桜並木

写真:乾口 達司

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佐保川では、河川敷も一部で整備されています。写真は奈良市立佐保川小学校付近の様子を撮影した一枚。ご覧のように、お花見客が河川敷に整備された遊歩道で楽しげにくつろいでいますね。

桜並木の後方、少し顔を覗かせている芝生状の山は若草山。奈良を代表する景観と桜並木とのマッチングも絶妙です。

奈良市立佐保川小学校前の桜並木

写真:乾口 達司

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河川敷から逆に桜並木を見上げると、写真のような光景となります。

そぞろ歩きにも最適なので、お花見の折には河川敷も歩いてみましょう。

奈良市立佐保川小学校前の桜並木

写真:乾口 達司

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もちろん、付近の「大宮橋」からも眺められます。

<佐保川小学校の基本情報>
住所:奈良市法蓮町229-1
アクセス:近鉄新大宮駅より徒歩約5分

人が行き交う桜のトンネル

人が行き交う桜のトンネル

写真:乾口 達司

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写真は奈良県立大学北側付近で撮影した一枚。堤に植えられた桜は歩道におおいかぶさるように並んでいるため、桜のトンネルのなかを歩いているような錯覚にとらわれます。

道幅が狭いため、車もほとんど通りません。車の往来を気にせず、自分のペースで散策できるのは嬉しいですね。

人が行き交う桜のトンネル

写真:乾口 達司

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提燈がぶらさがっていることからもおわかりになるように、夜になると、提燈には灯りがともり、桜のライトアップもおこなわれます。

夜桜も美しいので、夜の佐保川も散策しましょう。

人が行き交う桜のトンネル

写真:乾口 達司

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奈良県立大学北側付近の桜並木は、お花見客がもっとも多く訪れるスポット。佐保川の桜並木をピンポイントで訪れるのであれば、このあたりを目指しましょう。

奈良奉行・川路聖謨ゆかりの「川路桜」

奈良奉行・川路聖謨ゆかりの「川路桜」

写真:乾口 達司

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川面にせり出すようにして生えている写真の古木は「川路桜」。幕末、奈良奉行を務めた「川路聖謨(かわじとしあきら)」によって植樹された桜であるとされます。

川路が奈良奉行を務めたのは1846年からの5年間。赴任中、川路は植樹運動を先導し、奈良の市街地の緑化に尽力しました。その意味では、数キロにわたって続く佐保川の桜並木は、川路の遺志を受け継いだものであるといえるでしょう。

奈良奉行・川路聖謨ゆかりの「川路桜」

写真:乾口 達司

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植樹からすでに180年近い歳月が流れているため、ご覧のように、支柱によってかろうじて立っていられるような状態。保全の観点からも、見学・撮影に際してはむやみに近づかず、土手の上から眺めるにとどめましょう。

奈良奉行・川路聖謨ゆかりの「川路桜」

写真:乾口 達司

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桜並木は「川路桜」の西方でJR関西本線と交差します。桜と列車を同時に楽しめるのも、佐保川沿いの桜並木の魅力です。

<川路桜の基本情報>
住所:奈良市法蓮町
アクセス:近鉄新大宮駅より徒歩約10分

大仏鉄道記念公園のしだれ桜

大仏鉄道記念公園のしだれ桜

写真:乾口 達司

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川路桜とあわせて知っておきたいのは、明治時代、佐保川を横断して鉄道が通っていたこと。その名は「大仏鉄道(大仏線)」。大仏鉄道は加茂駅と奈良駅とを結んでいた約10キロの鉄道でしたが、運輸開業から9年あまりでその歴史に幕を下ろしました。

佐保川のすぐ近くにはかつて「大仏駅」という駅が存在していました。現在、その付近には「大仏鉄道記念公園」が整備されています。桜の開花時期、大仏鉄道記念公園では、ご覧のような、あざやかなしだれ桜が花をつけます。

大仏鉄道記念公園のしだれ桜もあわせてご覧ください。

大仏鉄道記念公園のしだれ桜

写真:乾口 達司

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大仏鉄道記念公園は道路にはさまれた小さなスペースながら、しだれ桜を眺めるのに最適のスポット。しだれ桜を下から眺め、その幻想的な光景に魅了されてください。

<大仏鉄道記念公園の基本情報>
住所:奈良市法蓮町
アクセス:近鉄奈良駅より徒歩約10分

佐保川の桜並木をめぐろう!

佐保川の桜並木がどのようなものか、そして、そこにどのような歴史が残されているのか、おわかりいただけたでしょうか。今回は桜並木の北端に位置する奈良県立大学界隈や新大宮界隈を紹介しましたが、桜並木はまだまだ南に続いているため、桜並木に沿ってウォーキングを楽しむのも一計。それぞれのプランにあわせて佐保川の桜を愛で、奈良の春を満喫してください。

※例年の見頃は3月末頃から4月上旬にかけてです

2024年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2023/03/31 訪問

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