ボニンブルーの青い海が美しい 小笠原諸島・父島へ

ボニンブルーの青い海が美しい 小笠原諸島・父島へ

更新日:2013/03/19 10:12

高橋 しゅうのプロフィール写真 高橋 しゅう 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
東京から南へ約1,000kmの小笠原諸島。空路は無く、唯一の交通手段は東京から父島へ片道25時間30分の船旅となる、はるか遠い南の島です。しかも通常期の船便は、概ね1週間に1便の運航で、旅行日程は東京発着の6日間が基本となります。
社会人には、少しハードルの高い旅先ですが、そのすばらしさは訪れる価値が充分にある島です。魅力は多岐にわたりますが、今回は美しい小笠原・父島の青い海を中心に紹介します。

父島の玄関口・二見港と島の中心地・大村地区

父島の玄関口・二見港と島の中心地・大村地区

写真:高橋 しゅう

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東京を出航した定期船おがさわら丸が、太平洋を南下すること20時間以上、小笠原諸島の最北端聟島(むこじま)列島の島影が見えてくるといよいよあこがれの小笠原エリアに入り、胸が高鳴ります。船がさらに進むにつれて、父島の島影が次第に近づき、午前11時30分に父島の二見港に着岸。いよいよ小笠原諸島・父島へ上陸です。(2013年3月15日現在のスケジュール)

船の入港時、岸壁には出迎えの島民の方々と、到着した観光客とで大変な賑わいをみせます。その後、それぞれの宿泊施設へ向かうこととなります。

港に隣接する大村地区は、公共機関や商店、宿泊施設が並ぶ小笠原の中心地で、土産店やスーパーマーケットもあり、滞在中に頻繁に行き来するエリアです。

船の停泊中は街の中心部に観光客の姿が増えますが、都会の喧騒とはかけ離れた、のんびりとした空気が流れています。また中心地の大村地区にも海岸があり、南国の綺麗な海で到着日から気軽に泳げる場所になっています。

白砂のビーチと真っ青な海が美しい小港海岸

白砂のビーチと真っ青な海が美しい小港海岸

写真:高橋 しゅう

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父島には、幾つかの美しいビーチが点在していますが、島の南西部に位置する小港海岸もお勧めのビーチの一つです。

中心地からも離れていてより静かな海岸は、真っ青な海と青い空、白砂のビーチが広がり、南国ムード満点の雰囲気で、のんびりと海を楽しむのには最高の場所です。小笠原の海岸は比較的サンゴや岩礁が発達している所が多いのですが、ここは細かい砂のビーチで泳ぎ易いことも特徴です。

また、小港海岸周辺の川にはマングローブ林があり、こちらも見逃せませんよ。

中心部の大村地区から村営バスの路線もあり、車やバイクで約15分程度のアクセスも良い場所ですので、滞在中一度は訪ねてみてはいかがでしょうか。

小港海岸へのアクセス(路線バス)
所要時間:村営バス利用にて二見港より約15分
運賃:大人片道200円(1日乗降自由乗車券700円もあります。)
※時刻等の詳細は小笠原村のホームページ内の村営バスの項目を参照下さい。

ボニンブルーの海と断崖の絶景 長崎展望台

ボニンブルーの海と断崖の絶景 長崎展望台

写真:高橋 しゅう

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長崎展望台からの景色は、誰もが思わず「綺麗!」と口にしてしまう美しい展望が自慢です。

長崎(写真右側の突き出た岬)を眺望する展望台からは、真下に荒々しい断崖と、「ボニンブルー」と称される濃い青色の海が訪問者に強烈な印象を与えます。

「ボニンブルー」とは小笠原の海の色を指す名称で、ボニンとは無人を意味し、江戸時代には無人(むにん)島であった小笠原が、後に英語の名称で変化してボニンとなったようです。

本土からも遠く離れ、今でも手つかずの自然の残る小笠原の海は、汚れの無い独特の美しい青色が特徴で、沖縄の海の色とも違った色合いを見せています。

長崎展望台へのアクセスは、二見港より車またはバイクを利用して約10分となります。

透明度抜群の海でシュノーケリングを堪能

透明度抜群の海でシュノーケリングを堪能

写真:高橋 しゅう

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私達に強い印象を与える小笠原のボニンブルーの美しい海の景色は、地上から眺めた海だけではなく、海の中も同様に魅力にあふれています。透明度抜群の海中には、サンゴ礁の中を彩り鮮やかな熱帯魚が泳ぎまわり、感動の世界が広がっています。

そんな海の世界を気軽に楽しむには、シュノーケリングがお勧めです。父島にはシュノーケリングが楽しいビーチも点在していますし、ボートに乗ってお勧めのポイントへ案内してもらえる、シュノーケリングツアーもお勧めです。

父島と対岸の兄島との間にまたがる兄島瀬戸は、サンゴ礁が特に発達している絶好のポイントになっていて多くのツアーで訪れます。

海の中を眺めながら泳いでいると、あまりの美しさに時間の経つのも忘れてしまうほどです。

小笠原へ来たならばダイビング、もしくはシュノーケリングを是非とも一度は体験して下さい。素晴らしい海中の世界を見ずしてはもったいないと思います。ツアーでは、泳ぎに自信の無い方にはライフジャケットが用意されていますので安心です。

※シュノーケリングツアーについては小笠原村観光協会のホームページ内にも紹介されています。

美しい夕日を眺める絶好スポット ウエザーステーション

美しい夕日を眺める絶好スポット ウエザーステーション

写真:高橋 しゅう

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一日の終わりに、是非とも見ておきたいのが小笠原の夕日です。
特に、父島の西側の海を高台から望む、三日月山展望台(通称ウエザーステーション)は絶好の夕日観賞ポイントとして観光客や地元の方にも人気があります。

日中は真っ青な色が印象的な小笠原の海と空は、夕刻になると空は次第に茜色に染まり、夕日は徐々に、はるか向こうの水平線に沈んでゆきます。

そしてここは、太陽が水平線に沈む直前に緑色に光る「グリーンフラッシュ」と呼ばれる、世界的にも珍しい現象に出会える確率の高いポイントとしても知られています。

天気の良い日の夕方には、「グリーンフラッシュ」を期待して多くの観光客が展望台を訪れます。頻繁に見れる現象ではありませんが、海に沈む美しい夕日を見るだけでも、訪れる価値は充分にありますし、日中も眺望が良い展望スポットです。

私が訪ねた時は、夕日が雲に遮られてしまいましたが、茜色に染まった南国の空と海の景色はとても印象的でした。

ウエザーステーションへのアクセスは、二見港より車またはバイクを利用して約10分となります。


多くの方が一度は行きたいと思うけれど中々踏み出せない小笠原旅行。けれども長い船旅の末には感動の世界があなたを待っています。沖縄や海外リゾートにもそれぞれ魅力がありますが、小笠原は賑やかなリゾート地には無い、ありのままの自然の魅力があふれています。今回は父島の海を中心に紹介しましたが、今回紹介した以外にも陸上には珍しい固有の動植物も数多く生息し、豊かな自然に囲まれた魅力的な所がたくさんあります。

一度思い切って小笠原旅行を計画してみませんか。6日間の日程を取れれば行くことができます。

尚、小笠原諸島は2011年に世界自然遺産に指定されました。最近はその価値と魅力がテレビや雑誌等に取り上げられる機会も増えて、交通の不便な旅行先にも関わらず、訪れる観光客がとても増えています。特に近頃は、若者だけではなく中高年層の旅行者を多く見かけるようになりました。

交通手段が東京からのおがさわら丸に限られる中、ゴールデンウイークや夏休み、年末年始等の繁忙期だけではなく、平日でも船の予約が取りにくい日もあり、小笠原旅行を計画される際は、早めに日程を決めて船や宿の予約を済まされるようお勧めします。

尚、小笠原は元日に海開きを行っていますので年中遊泳可能ですが、海に入るには6月〜10月位の時期が適していると思います。



小笠原諸島・父島へのアクセス

東京・竹芝桟橋より小笠原海運「おがさわら丸」利用

所要時間:東京〜父島間 片道25時間30分

運航日:月によって異なる。週1便程度。旅行シーズンは週2便。
    旅行日程は船中2泊、現地3泊の5泊6日が基本となります。一部日程を除く。
    ※詳細は小笠原海運ホームページ内にて確認下さい。

運賃:二等船室利用の場合 大人片道24,270円(2013年3月)
   ※月により運賃が変動します。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/06/23−2012/06/25 訪問

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