その名も“日本の散歩道”というお花見スポット in ローマ!

その名も“日本の散歩道”というお花見スポット in ローマ!

更新日:2018/07/25 12:09

春にローマを訪れると、日本の桜でお花見できる素敵な場所があります。
毎年桜が咲く頃になると、木の下でお花見を楽しむ現地在住日本人やイタリア人で賑わう、知る人ぞ知るスポットです。
そこにはかつて日本から送られた数千本の桜が植えられており、通りの名前もイタリア語で、“日本の散歩道”(Passeggiata del Giappone)といいます。

桜の散歩道があるエウル地区(E.U.R.)とは?

桜の散歩道があるエウル地区(E.U.R.)とは?
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ローマ中心部から地下鉄B線で南に20分程の距離のE.U.R.(エウルと発音)という地区に、桜並木で有名な“日本の散歩道”があります。
このエウル地区に、東西に長細い人口の湖があるのですが、この湖をぐるっと一周する道が“日本の散歩道“と名付けられています。

エウル地区のエウル(E.U.R.)とは、1942年に開催予定だったローマ万博(Esposizione Universale di Roma エスポズィツィオーネ・ウニヴェルサーレ・ディ・ローマ)の頭文字の E、U、Rをとったものです。
イタリアはこの時代といえば、ムッソリーニが率いるファシスト政権であり、このエウル地区も当時は大変のどかな場所でしたが、ファシスト政権が万博の為に全力をあげて開発に着手した地区の一つです。(万博は第二次世界大戦の勃発により中止)

エウル地区といえば、整然として近代的な建物が並んでおり、古い建物が残るローマの旧市街部とは全く違う、近代的でシュールな印象を与えてくれます。
エウル地区には、世界遺産ともなっている旧市街部のコロッセオ(丸い形)と比べると何とも面白い、四角いコロッセオがあります。

異国で逞しく咲く桜は日本からのプレゼント!

異国で逞しく咲く桜は日本からのプレゼント!
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この桜の散歩道に植えられている数千本の桜は、約60年前に遥々日本からやって来たものです。1959年7月20日に当時の岸信介首相が記念植樹をして、この桜のプロムナードは“日本の散歩道”と命名されました。

年月が経ち残念ながら枯れてしまった桜も多い為、現在では数千本まではいきませんが、日本の散歩道では、花見の季節以外でも散歩をしたり、読書をしたり、ジョギングをしたり、お弁当を食べたり、くつろいでいる人が多い都会の中でリラックスできるスポットです。
さらに湖では遊覧船に乗ったり、手漕ぎ船やペダルボートなどがレンタルでき、自然と親しむことができるようになっています。

桜のお花見の期間は、日本関連のイベントも開催される為、日本文化に興味がある方々も多く集まって来ます。お友達も出来るかもしれませんね。

このローマの美しい桜が満開になるのは、例年4月上旬です。
*植物ですので開花時期は年によって前後することがあります。

日本の桜の花がもたらしたもの。

日本の桜の花がもたらしたもの。
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ローマには半世紀以上もの間、地域に根付く“日本の散歩道”があることから、住民の中には“日本”と聞くとすぐに“美しい桜の花がある国”をイメージする人も多いようです。

ところが桜の花がイタリアにもたらしたものは、単純に美しいお花のイメージだけではなく、日本文化丸ごとだったのです!

それまで日本について良く知らなかった人も、お花見イベントに誘われたりしたことをきっかけに、“何故、日本人は桜のはかなさを愛でるのか・・・。”等々、日本人のものの考え方や精神性、哲学的な面に興味・魅力を感じる人も増えて来ました。

今やローマのイタリア人の間でも“花見クラブ”なるものも存在し、日本のインテリアや料理、精神世界などを生活の中に取り入れようという人達も多くいます。
“Hanami(花見)” や”Sakura(桜)”という言葉もわざわざ訳さなくても通じるくらいに市民権を得てきています。

日本からの桜のプレゼントは、ここでは皆に愛されています!

おわりに。

今回は、日本の桜でお花見が楽しめるスポットをご紹介しましたが、エウル地区は博物館や四角いコロッセオなど、観光スポットとしての見所も多数ありお奨めです。
湖の周辺には、お食事処や休憩処などがありますので、ローマ滞在中にお天気の良い日にはお散歩やお食事に訪ねてみてはいかがでしょうか?

インフォメーション:

行き方:地下鉄の最寄り駅はB線のエウル・フェルミ(E.U.R. Fermi)またはエウル・パラスポーツ駅(E.U.R. Palasport)。
テルミニ駅からラウレンティーナ行き(Laurentina)に乗り、9駅目。地下鉄の地上出口を出るとすぐ目の前が人口湖。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/03/15−2015/03/25 訪問

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