提供元:遠藤隆尚
地図を見る朝を告げるニワトリたちの鳴き声が響き、朝日も昇らない真っ暗なルアン・パバンの街の闇は、肌寒く布団の中が恋しくなります。日中の喧騒もなく、静まり返った街の空がかすかに光を帯びる頃、人々はシーサワーンウォン通り(Sisavangvong Rd.)に面したワット・マイ(Wat Mai)や、国立博物館(Luang Prabang National Museum)を目指します。
ラオス初の統一国家の王都として、また仏教信仰の中心地として栄えた古都「ルアン・パバン」は、今でも80の寺院が建ち並び、3,000人を越える僧侶が修行しています。その1つに僧侶が信者の家々を巡り、生活に必要な最低限の食糧などを乞い、信者に功徳を積ませる「托鉢」があり、この修行は毎日行われます。オレンジ色の袈裟(けさ)を身にまとい、若い僧侶が大行列をなして練り歩きます。その姿を一目見ようと、多くの観光客が早朝からシーサワーンウォン通りに集まります。
「托鉢」は毎日早朝5時半頃から6時半過ぎまで、ラオスのどこの街でも行われています。ここルアン・パバンの「托鉢」が特に有名なのは、行列をなして歩く僧侶が多いからでしょう。少なくて50人、多くて200人にもなるといわれる大行列は、圧巻の一言です。
「托鉢」は見学はもちろん、修行に参加できます。観光客に混じって、朝から籠を持って歩くラオスの人々を見かけたら、声を掛けてみましょう。道路脇の歩道にゴザを広げ供物を置き、あっという間に「托鉢」の僧侶を迎える準備をしてくれます。
修行に専念する僧侶のために用意する「供物」は、主にフルーツやお菓子、もち米などの食料です。托鉢で集められた食料は、寺院に持ち帰ると担当者によって僧侶全員に平等に分配されるそうです。
フルーツなどの小分けにしやすい食料を前日までに用意し、托鉢に参加しても大丈夫です。その際に気になるのは位置取りですが、シーサワーンウォン通りを歩けば、ゴザや供物を広げて托鉢を待つ人々の列がありますので、その隣に座って僧侶を待ちます。
提供元:遠藤隆尚
地図を見る空も白み始める頃、まるで太陽の光を連れて来るかのように、オレンジ色の袈裟を身にまとった僧侶の一団が、列をなして歩いてきます。両膝を付いた立ち膝の姿勢で、僧侶の列に向かってお辞儀をしたら「托鉢」を始めます。
信者の目の前に差し掛かると、僧侶は肩から下げた鉢の蓋を開けるので、軽くお辞儀をしながら用意した食料を鉢の中へ喜捨しましょう。もち米は、一口大ほどに分けて入れます。次々と通り過ぎていくのでちょっと慌ててしまいそうですが、自分のペースに合わせて心を込めてゆっくり喜捨をします。僧侶の一団が過ぎ去ったら、再度丁寧にお辞儀をしましょう。
■ラオスのお辞儀
両手を体から少し離した位置で合掌します。手の位置は相手によって高さを変えます。手の位置が高いほど、相手に対する敬意を示すことになります。また、そのまま深く地に頭を付ける要領でお辞儀をします。
ラオスの人々は気持ちがこもっていれば、儀礼に対して非常に寛容な人々だといわれています。周りのラオスの人に習ってみるとよいでしょう。
すっかり日が昇って少しずつ空気が暖かくなってきた頃には、托鉢は終了です。せっかく早起きしたのですからホテルへは戻らずに、そのまま「朝市」を訪ねてみましょう。
シーサワーンウォン通りからワット・マイの横の細道に入ると、そこには活気ある「朝市」が広がっています。色取り取りの野菜はもちろん、リスやイタチ、ちょっとかわいそうかな?とつい思ってしまう、かわいらしい小鳥などの小動物は、ラオスの伝統的な食料です。民間療法の薬草や薬木をラオスの焼酎「ラオ・ラーオ」に漬け込んだ薬酒、ルアン・パバン特産の川のり「カイペーン」など、さまざまな食料が売られています。見て歩くだけでも楽しい「朝市」は、ラオスの人々の生活を垣間見れる、そんな場所でもあります。
ここ数年、爆発的な人気を見せる国ラオス。その中でも特に人気のある街「ルアン・パバン」に来たら、托鉢は見逃せません!1日は早起きをして、托鉢を見学してみてください。心洗われる体験になりますよ!
この記事の関連MEMO
- PR -
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/4/19更新)
- 広告 -