坂本龍馬も見上げた!大河ドラマゆかりの高知城は現存12天守の一つ!

坂本龍馬も見上げた!大河ドラマゆかりの高知城は現存12天守の一つ!

更新日:2015/03/10 10:59

渡部 洋一のプロフィール写真 渡部 洋一 フリーライター、カメラマン
四国随一の名城と謳われる高知城。日本にわずか12しかない現存の天守閣を誇るこの城は、近年の大河ドラマ「功名が辻」や「龍馬伝」の舞台としても脚光を浴びています。
山内一豊が築き、坂本龍馬が見上げた高知城の魅力をご紹介します。

追手門と天守閣

追手門と天守閣

写真:渡部 洋一

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大河ドラマ「功名が辻」の主人公、山内一豊(やまうちかつとよ)。関ヶ原の戦いでの功績が認められ、遠江国掛川5万石から土佐24万8000石(約20万石という説も)の大大名へと出世を遂げた一豊が、新たな土地を統治するためにその威信をかけて築いた高知城。優美な姿の天守閣と堅固な防御態勢を誇った四国随一の名城です。

手前の建物は黒さの際立つ追手門。乳金物(ちちかなもの)等の装飾も見事な一方で、門の扉は厚さ15センチと重厚、石落とし等防御への備えも鉄壁です。
奥に見える建物が、一豊こだわりの美しい天守。
同じ位置から天守閣と追手門を同時に視界に収めることが出来る城は全国でも珍しく、高知城が随一と言われています。

堅牢な門と美しき天守閣。新しい支配者山内一豊の力を、土佐の人々はこの勇姿に確かに感じたことでしょう。

一豊こだわりの優美な天守閣

一豊こだわりの優美な天守閣

写真:渡部 洋一

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1603年、山内一豊はこの地に優美な天守閣を築き上げました。一豊の築いた天守は享保12年(1727年)火災により焼失しましたが、寛延2年(1749年)に築城当時のままに再建され、その姿を今に留めています。

天守は三層六階建て。派手な装飾はありませんが、優雅な姿に気品が漂います。最上階には周囲を見渡せる廻縁(まわりえん)を持ち、「望楼型天守」と呼ばれる古い造りの天守閣です。黒漆仕上げの廻縁と高欄は、一豊の美意識の象徴とされ、高知城天守の大きな特徴の一つとなっています。

この天守から山内家歴代城主たちは城下を見下ろし、坂本龍馬をはじめとした志士たちは城下からこの天守閣を見上げました。
下級武士であった坂本龍馬は登城を許されなかった高知城の天守閣に、現代の私たちは誰でも登ることができます。

日本で唯一残る「完全な」本丸御殿

日本で唯一残る「完全な」本丸御殿

写真:渡部 洋一

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高知城の美しい天守。その手前の低い建物が、本丸御殿です。書院造りの建物で、築城当時の姿をほぼ完全に近い姿で今に留めています。
実は、築城当時のまま残されている本丸御殿は、全国でも高知城だけと言われています。日本に唯一残る「完全な」本丸御殿なのです。
また、通常は天守閣とは別々に造られる本丸御殿が、天守閣と繋がっているのも大変珍しい造りであり、現存する城でこの造りを見ることができるのも高知城だけです。

天守からの眺め

天守からの眺め

写真:渡部 洋一

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天守最上階の廻縁から眺める、高知の街並み。歴代の権力者もこの場所から城下を見下ろしていたことでしょう。
初代山内一豊は、眼下に広がるこの街から、将来日本の歴史を大きく動かす若者が現れることなど、夢にも思っていなかったかもしれません。

闇に浮かぶ高知城

闇に浮かぶ高知城

写真:渡部 洋一

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夜、高知城はライトアップされ、南国の闇に浮かび上がります。幻想的なその姿は、一豊や龍馬の時代には決して見ることのできなかったもの。闇夜に照らされる城を楽しむことができるのは、現代人の特権です。
日中も美しいけれど、夜はいっそう優美な高知城の姿。高知市内に宿泊する機会があれば、是非とも眺めておきたい姿です。

坂本龍馬も登れなかった高知城

いかがでしたか?
近年の大河ドラマで複数回取り上げられ、歴史的にも大変貴重でなおかつ美しい、高知城の魅力をご紹介しました。
現存12天守の一つであり一豊のこだわりが詰まった優美な天守閣。日本でここにしかない現存の貴重な本丸。それらを守る、堅固な石垣や門。高知城には、名城と呼ぶにふさわしい気品と風格が漂っています。

高知が生んだ幕末の英雄、坂本龍馬。下級武士であった龍馬は、生涯一度も高知城に登城したことはなかったと言われています。彼の前に立ちはだかったのは、堅固な石垣でも門でもなく、身分の壁だったのかもしれません。
そんな龍馬が目指した、身分制度の無い世の中。そこに生きる私たちは、この城に誰でも登ることができます。天守閣最上階から城下を見渡す時、こんなことを思うかもしれません。
「この城を見上げるしかなかった若者たちが成し遂げた偉業のおかげで、自分は今この景色を見ることができるんだ」、と。
高知城には、その代名詞「現存12天守」という言葉だけでは語り尽くせない、歴史ロマンが溢れているのです。

「高知城」へのアクセス、入場料、入場時間等の情報は、記事下MEMOリンク「高知城ホームページ」よりご覧ください。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2010/02/11−2010/02/12 訪問

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