昔ながらの温泉街のせまい坂道の途中に金具屋は佇んでいます。佇むという言葉がぴったりなんです。一番有名な入口横の木造4階建ての「斉月楼」は、国の登録有形文化財に登録されていて、古いながらもモダンなセンスの良さを感じられます。その有名な「斉月楼」の写真はのちほどご紹介するとして、まずは「くぐり戸」を使う粋な入口。
そうなんです。金具屋には現代人をワクワクさせる粋な工夫と秘密が隠されているんです。一歩足を踏み入れたら、そこはもう違う時代。その時代感を楽しみましょう。
ちなみに、この重厚な扉、スーツケースなどの荷物が多くなるチェックインとチェックアウトの時間には自動ドアになっていますので、ご安心を。
どこを撮影しても絵になる金具屋。お風呂までの道のりを軽く撮影してもこんなレトロで素敵な仕上がりになります。
金具屋では基本的に廊下が外と考えられています。「中なのに外」という考えは不思議に思われるかもしれませんが、館内を見回してみれば、確かに一つ一つの部屋もひさしがついていたり、屋根のようになっていたり、部屋に入るときにはまるで玄関を入るように感じる造りになっています。天井が空のように見えますよね。
このこだわりが人を引き付ける理由の一つではないかと思います。
ただ…迷います。方向音痴の人は要注意。でも、一つとして同じ景色が無いので、迷ってもそれを楽しんで館内を探検してみてください。
毎日17時30分から、優しそうな9代目が金具屋の秘密と文化財を宿泊者にお話ししてくれる、「文化財巡り」があります。金具屋の名前の由来から、文化財(木造4階建ての斉月楼と130畳の折上げ天井の大広間)の説明、こだわりまで詳細に。
普段耳にすることのできな文化財に関する貴重なお話や、宮大工さんの魂を込めた宿づくりのお話に、感嘆と尊敬を込めた溜息まじりの声が、参加者の中から漏れ聞こえます。宿泊したら、絶対に参加することをおすすめします。
ちなみに朝の8時30分からは4つの自家源泉巡りが行われています。こちらも無料ですので、ぜひ参加することをおすすめします。(事前予約必須)
先ほど書きました文化財の「斉月楼」は、いつの時間でも重厚でレトロで素敵なのですが、19時〜22時までライトアップされています。
下からのライトアップで神秘的な雰囲気に。宿泊者だけでなく、いろいろな方がパシャパシャと撮影しています。
とても幻想的で、神様が出てきそう。あの有名なアニメのモデルと言われても納得です。
もう!ほんとに金具屋さんのこだわり加減には驚かされます。
29室全ての部屋の造りが違うのです!
今回は文化財である「斉月楼」の香風洞というお部屋のこだわり一つをご紹介します。
レトロな黒電話!これちゃんと使えます。家具や装飾品もお部屋によって違うようですね。
また大浴場男女1つずつ(時間によって入れ替わる)、露天風呂が大浴場に各1つずつと、5つの無料の貸切風呂があります。無料貸切風呂は、予約などは必要なく、鍵がかかっていたら「あ、誰か入っているんだな。」と判断します。この貸切風呂の場所も建物のいろいろなところにあって、辿り着くまでにも宿の装飾などを見ながら行けるので、なかなか楽しいです。
どこを撮影しても絵になってしまう金具屋。しかし、金具屋の本当の魅力は、どんな美しい写真でも上手な文章でも伝わりません。実際に目で見て、宿泊して感じてほしいです。こだわりがありすぎて、紹介しきれません!
ただ一つ、言うとすれば、若いうちに行った方が良いということはちょっとしたアドバイスとしてお話しておきます。それは、昔ながらの建築であり、増築や改築も何回か行っているようで、ちょっと段差が多かったり、階段が急だったりしますので、宿を探検したり、歩き回ったりするために足腰のある程度の強さはあった方が、より楽しめます。
しかし、段差や階段の話は微々たるものです。災害や戦争でも途切れることなく歴史を紡いできたこの宿自体の重みと、ずっと伝えていこうとしている金具屋の方の心意気と愛情が伝わってくる、素晴らしい宿であることは間違いありません。
何度でも行きたくなる宿、人に話したくなる宿、それが金具屋です。
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(2024/4/19更新)
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