あの日を忘れない!嵐電「キミマツサクラ号」が早春の京都を走る

あの日を忘れない!嵐電「キミマツサクラ号」が早春の京都を走る

更新日:2019/03/13 11:23

bowのプロフィール写真 bow トラベルライター
京都・嵐山に「キミマツサクラ」という桜があるのはご存知でしょうか?東北復興のシンボルとして嵐山に根を下ろすその桜は福島・三春滝桜の子孫であり、なんとGReeeeNのHIDEが名付け親!震災を風化させないため、その名を冠した東北との絆の電車「キミマツサクラ号」が早春の京都を走ります。

東北の被災地と京都を繋ぐ絆の桜「キミマツサクラ」

東北の被災地と京都を繋ぐ絆の桜「キミマツサクラ」

写真:bow

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京都市内の観光地を結ぶローカル電車「嵐電」。その嵐山駅には「キミマツサクラ」と名付けられた桜があります。この桜は京都と東日本大震災の被災地を結ぶ絆の桜。名付け親でもあり、桜の元々の持ち主であるのが音楽グループGReeeeNのリーダー、HIDE。福島県で結成されたGReeeeNのメンバーは福島で震災を経験しており、震災当初から東北の支援をいち早く展開したことでも知られています。

その「キミマツサクラ」は世界的な観光地でもある嵐山から、震災を風化させない思いを発信する為に数多くの人に守り育まれている桜なのです。

※キミマツサクラについての詳細はMEMO欄から記事リンクをご参照ください。

東北の被災地と京都を繋ぐ絆の桜「キミマツサクラ」

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京都から東北復興の応援!

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「キミマツサクラ」を見守り育む「キミマツサクラ桜色福プロジェクト」は2014年3月11日、「第1回東北復興応援のつどい」を嵐電嵐山駅内で行いました。地震発生時刻の午後2時46分に黙とうを捧げ、東北の被災地からや、「キミマツサクラ」の名付け親・GReeeeNのHIDEからのメッセージも紹介。

東北から遠く離れた京都・嵐山が、被災地の為にできること。それは震災を風化させない、忘れてはいけない思いを発信し続ける事。そんな思いを胸にこの集いは開催されました。その後も毎年このつどいは続けられ、2019年で第6回を迎えることになりました。

京都から東北復興の応援!

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なお2019年は3月8日から11日まで、東北の被災地である岩手県、宮城県、福島県の三県から物産品を集め「東北復興応援物産展」を開催。嵐山を訪れる観光客のみならず、多くの地元住民も物産展を訪れました。

京都から東北復興の応援!

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三県から集められた物産品は震災後に生まれた商品も多く集められ、復興と観光のアピールを兼ねた物産展となりました。

メモリアルトレイン「キミマツサクラ号」が走る!

メモリアルトレイン「キミマツサクラ号」が走る!

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「第1回東北復興応援のつどい」が行われた際、展示車両として用意された「キミマツサクラ号」。車内には震災当初から被災地入りした報道カメラマンが現地で撮った写真が、被災者から聞いた生の声と共に展示されました。

当初は3月11日のみ展示という形だったのですが、このメモリアルトレインを1日だけの展示で終わらせるべきではないと、急きょキミマツサクラ号は3月11日から一週間、路線を走る事になりました。

そして2019年も「第5回東北復興応援のつどい」が3月11日に開催。今年度も「キミマツサクラ号」が17日まで通常ダイヤの中で運行されることが決定しています。2018年からは活動五周年を記念し、新たなロゴを用いたヘッドマークが採用されました。

震災の記憶を乗せて、京都を走る「キミマツサクラ号」

震災の記憶を乗せて、京都を走る「キミマツサクラ号」

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従来の中吊り広告以外にもラッピングトレインという形で電車の車体自体が広告塔となり、電鉄各社においては重要な資金源ともなっている昨今。嵐電もまた、多数のラッピングトレインを走らせている電鉄会社でもあります。

そんな中「キミマツサクラ号」は車内広告を廃し、被災地を応援するための電車となっています。日々利用する沿線住民や観光客も「キミマツサクラ号」を目にし、実際に触れる。それは頭の中で風化しつつある被災地を思い出すきっかけになるのです。

震災の記憶を乗せて、京都を走る「キミマツサクラ号」

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祈り・願いの桜と共に走る

祈り・願いの桜と共に走る

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「震災を風化させない」というメッセージのみを託した電車「キミマツサクラ号」は日本でも他に例を見ない試み。それが一週間に渡り、通常の路線を走るということは単なるチャリティーという言葉では片づけられない、京福電鉄の並々ならぬ思いを乗せた電車なのです。

2019年は「桜」をテーマに、被災地である石巻の保育園児、さらには阪神淡路大震災の被災地神戸の幼稚園児、そして地元嵐山の幼稚園児の絵を掲出。一足早いお花見を車内で楽しむことができます。

祈り・願いの桜と共に走る

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キミマツサクラに託された言葉、「生きていたら必ず会える。」その言葉と裏腹に被災地では今も悩み、苦しむ人たちが多い事は事実。震災関連死という数値に含まれない、多くの命が失われていることは被災地にしか分からない痛み。そんな現状を鑑みれば、復興はまだまだ遠い道程なのかもしれません。

東日本大震災から時は流れ、復興支援のイベントも徐々に姿を消す中「風化させない・継続した支援を続けたい」、そんな思いを訴え続けるシンボルとして「キミマツサクラ」は京都嵐山の地から東北を見守っています。

ぜひ嵐山へ足をお運びいただき、キミマツサクラに会いに来てください。そして、一緒に東北の応援を続けましょう。まだ、復興は始まったばかりなのです。

『東北の復興を祈り、京都に訪れた人の幸福を願い、
雨の日も、風の日も、年に一度だけ花を咲かせて待ってます。』

キミマツサクラの基本情報

住所:京都市右京区嵯峨天龍寺造路町20-2(嵐山駅内桜の庭)
電話番号:075-256-0222(キミマツサクラ桜色福プロジェクト)
※キミマツサクラ号の運行予定日は2019年3月11日〜17日。運行の詳細に関してはお問合せを。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/02/20 訪問

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