美し過ぎる!大展望の大峯山系「観音峰(奈良県)」霧氷登山

美し過ぎる!大展望の大峯山系「観音峰(奈良県)」霧氷登山

更新日:2015/12/15 11:37

SHIZUKOのプロフィール写真 SHIZUKO 舞台演出者
木々に氷が付き真っ白になる『霧氷』。冬ならではの景色を求めて登る霧氷登山で大人気の奈良県・大峯山系にある『観音峰』。1月末から2月末までの週末には『霧氷号』というバスが運行されているので、多くの登山者で山は大賑わい。観音峰展望台から見る雪をかぶった大峯の山々は心洗われる美しさ。霧氷が見られる日は、気温が低く寒いのですが、近くに名湯・洞川温泉があり、心も体もホカホカピカピカになれる場所です。

『観音峰展望台』からの大展望が大人気

『観音峰展望台』からの大展望が大人気

写真:SHIZUKO

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冬季週末の午前9時過ぎから、多くの車や登山ツアーバスが続々と集まる観音峰登山口。トイレを済ませ、ストック(杖)や軽アイゼン(靴につける6本爪の滑り止め)など、雪山装備を整える登山客で混雑する東屋の中は、ちょっとした緊張感が漂っています。初めて雪山に登る人にとっては、これから始まる山行に不安を感じるのも当然のこと。でも、大丈夫。展望台までの道はしっかり整備されていますから、勇気をもって出発しましょう。

観音峰への入り口は、登山口からすぐの山上川にかかる吊り橋を渡るところから。目の前は植林帯。つづら折れに登って行くと、10分くらいで『観音水』。自然の湧き水を飲めます。喉を潤して、歩き続けると、東屋のある『神社跡』に到着。ここで小休止。この先、少しきつい登りになりますが、足もとを確かめながら登り続けると、観音平の『観音峰展望台』に到着。ここまでゆっくり登って1時間半くらいです。

展望台に出た瞬間、わぁぁぁぁ!と歓声を挙げずにはいられない美し過ぎる大展望。雄大な大峯の山々が目の前に広がります。

独特の形の大日山の右側が稲村が岳。そこに続くギザギサの岩場だらけのバリゴヤノ頭。左側には女人禁制の大峯の核心部・山上が岳。人を寄せ付けない山々の凛とした美しさをしっかり心に刻んでおいて下さい。

近畿最高峰・八経ヶ岳に弥山の秀麗

近畿最高峰・八経ヶ岳に弥山の秀麗

写真:SHIZUKO

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少し南に目を転じれば、近畿最高峰・八経ヶ岳に連なる山々。優しい山容の弥山や頂仙岳が広がっています。一つ一つの稜線をゆっくりと目で追って、バーチャル登山をしてみるのも楽しいですよ。

観音峰の頂上は、この展望台から前峰を一つ越えた向こうに40分ほど登ったところにありますが、残念ながら眺望はほとんどなく、多くの登山者はこの展望台で大パノラマを楽しんで下山するようです。気温が低く、風などの気象条件が良ければ、ここまでの道でも霧氷が楽しめます。でも、少し気温が上がると霧氷は溶けてしまいます。自然が相手のことですから、そんな時はまた来年!と、再訪を誓うのもいいですね。

足に自信がある人は、観音峰の頂上を目指して、先へ進んでいきましょう。

気持ちいいブナ林は霧氷の宝庫

気持ちいいブナ林は霧氷の宝庫

写真:SHIZUKO

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観音峰山頂には、展望台からいったん下って、気持ちのいいブナ林を登ります。くるぶしくらいまで積もった雪を踏みしめて、トレース(踏み跡)を辿って行きましょう。登山道を外れて、新雪の中をヨイショヨイショ!と進むラッセルは楽しいのですが、その足の下には貴重な植物が眠っていることを忘れてはいけません。冬山は登山道以外を自由に歩ける楽しさが魅力だけど、不必要に自然に影響を与えない配慮も大切ですよね。

自由でのびやかなブナの木々が、雪の衣をまとう姿もまた、美しすぎる風景です。積もった雪のおかげで、無雪期よりもぐっとブナの枝たちが身近に迫っててきます。

抜けるような青空があれば…

抜けるような青空があれば…

写真:SHIZUKO

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霧氷も山々も、やはり青空があるかないかで大きく印象が変わります。冬ならではの、黒い宇宙を背景にした濃い青色の空に、白い霧氷がよく似あいます。願わくば、いつもこんなに美しい青空の下で山を楽しみたいのですが、なかなかそうもいきません。絶好の山行日和は年に何回もないと心して、素晴らしい展望に出会えた日には、しっかりと心にその美しさを刻んでください。

入浴後はすべすべピカピカの村営洞川温泉センター

入浴後はすべすべピカピカの村営洞川温泉センター

写真:SHIZUKO

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山頂から、登った道を戻って下山したら、洞川温泉に向かいましょう。レトロな雰囲気の洞川温泉。古くから修験道の山のふもとの温泉として賑わっていました。現在も旅館や民宿が20軒ほどあります。

登山口の近くでは『村営洞川温泉センター』が営業中。弱アルカリ性の単純泉はとても柔らかな湯あたり。気持ちのいい露天風呂に身を沈めているうちに、肌はすべすべツルツルになります。雪山で冷えた体が、芯からじんわりと温まってきます。登山で酷使した筋肉も心地よくゆるんでいくのがわかるんです。センターの中には売店はありませんが、すぐそばに名物の手作りゴマ豆腐を売っているお店がありますから、ぜひ、お土産にゲットして、美しかった一日を家でも思い返してみて下さい。

雪がなければ簡単に登れますが…

霧氷を見たいと思えば、どうしても、雪道の続く山に登る必要があります。冬山装備なんて大げさだなって思う方もあるでしょうが、怪我をしてからでは取り返しがつきません。少なくとも6本爪の軽アイゼンは用意して、観音峰に向かってください。ほとんどの道はアイゼンなしで歩けますが、場所によっては凍っていて、アイゼンがなければ滑って転んで滑落という可能性のある場所があります。その数歩のためだけに…と、面倒がっては、その数歩のために大変な結果になることが起こるやもしれません。美しいものを観るには、それなりの準備をして、ぜひ、冬ならではの世界をお楽しみください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/02/14 訪問

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