写真:東郷 カオル
地図を見る四天王寺は聖徳太子が建立した1400年以上の歴史のある寺院。そのような恐れ多い有難い寺院も、大阪の人々は親しみを込めて「四天王寺さん」と呼びます。
四天王寺は「四天王寺式伽藍配置」と言われる特徴ある伽藍配置の寺院。一般的に我々が「お寺」として想像するものとは隔たりがあり、まず南から北へ向かって中門、五重塔、金堂、講堂が一直線に並び、それを回廊が囲むという独特の建築様式になっており、大陸からの影響を色濃く受けているといわれています。
四天王寺には、若き日の弘法大師(空海)が聖徳太子を讃仰され詣でられたというご縁があり、弘法大師の月命日である21日の「大師会」と、22日の「太子会」には多くの露店が軒を連ねて大いに賑わいます。また年に数回開催される古本祭を楽しみにされている参詣者も多い寺院です。
写真:東郷 カオル
地図を見る参詣を終えたら門前町を歩いてみましょう。
お蕎麦やさんに「はやうち」という看板がかかっていたら、「早く打つ蕎麦やさんなんだな」とか、「混んでいても回転はやそうだな」と思われる方が多いのではないでしょうか。ですが、こちらのお蕎麦やさんは、ご主人の苗字が「早内」なのです。
「はやうち」は、関西の蕎麦界で有名な芦屋の土山人(どさんじん)で修行されたオーナーが独立して出店したお店。関西はどちらかというと「うどん文化」が強いので、蕎麦は押され気味。数少ない美味しいお蕎麦やさんには蕎麦好きが一極集中で集まります。こちらのお店もお昼のピークタイムには待ち時間が発生します。門前町という場所柄ご高齢者も多く、外の椅子に腰掛けてじっと固まっている姿が印象的です。
写真:東郷 カオル
地図を見るこちらで食べていただきたいのは鴨汁そば。ここの鴨の柔らかさは驚愕もの!臭みのない柔らかい良質な鴨の味が忘れられず、他のメニューを注文するつもりが、ついうっかり「鴨汁そばを…」と、決めたメニューを覆してしまうこともしばしば。
ですが、お蕎麦自体が薫り高くしっかりとした味ですので、是非一口目はお塩で食べてみてください。美味しすぎてうっかり完食してしまわないように気をつけましょう。鴨汁が残ってしまいます(笑)。
器も一つ一つ凝っています。若手作家の個性的な器を多く取り入れていて、特にセンスの良い織部や黄瀬戸が揃っています。お蕎麦ができあがるまで、器を眺めているとあっという間に時間が経ちます。
夜のお料理も、一品一品丁寧に作られていて、昼も夜も通いたくなるお店。民芸調の店内は、カウンター5席ほどと、4人掛けのテーブルが2つ。すぐにいっぱいになってしまいますので、予約をするか、早目の時間がおすすめです。
写真:東郷 カオル
地図を見る京野菜はメジャーですが、大阪にも「なにわ伝統野菜」といわれる独自の野菜があります。田辺大根、天王寺蕪、大阪しろな、泉州水なす、毛馬胡瓜、大阪四十日大根、玉造黒門白うり、守口大根。泉州水なす以外は大阪に住んでいても普段なかなかお目にかかることのないシロモノ。これらの珍しい伝統野菜を買うことができるのが、門前町の「西むら」。
「西むら」は上記のなにわ伝統野菜を漬物として販売しています。味見をしながら、お気に入りの一品を見つけてください。珍しいお野菜ばかりですので、大阪土産としても喜ばれます。
写真:東郷 カオル
地図を見る味もさることながら、見た目の芸術的な美しさにも定評のある河藤。宝石のような見事な干菓子がショーケースに並びます。隔週で訪れても毎回新しい商品が置かれているほど季節のうつろいに敏感な河藤の美意識は、日本には24の季節があったことを再認識させてくれるもの。
一つ一つ買えるのも嬉しいシステム。ショーケースの商品には小さな値札が付いていて、明朗会計なのも観光客にはありがたいですね。よっぽど立体的なデザインでない限り、一つ30円〜60円程度ですから良心的なお店です。
写真は5月上旬の商品の一例。花菖蒲や杜若、水芭蕉に観世水。鯉のぼりや兜もあります。色もそれぞれ数種類ありますので、選ぶのも時間がかかります。お店にはメモと鉛筆が用意されていますので、お店の人に言ってお借りして、「決まったら声を掛けます」と一言申し出ておくと、気兼ねなく商品選びに没頭できますよ。
四天王寺界隈はとても歴史のある場所。すぐ近くに大坂夏の陣の舞台となった茶臼山や、真田信繁(幸村)の最期の地・安居神社などがあり、四天王寺参詣とあわせて天王寺七坂といわれる寺町を歴史散歩する方の姿もよく見かけます。
時間が許せば、2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」の舞台ともなる街を散策してみてください。
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(2024/4/19更新)
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