世界文化遺産登録の富岡製糸場で日本近代化の歴史を見学しよう!

世界文化遺産登録の富岡製糸場で日本近代化の歴史を見学しよう!

更新日:2014/06/24 18:05

高橋 しゅうのプロフィール写真 高橋 しゅう 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
群馬県富岡市の富岡製糸場は、歴史の教科書にも掲載されている、明治初期に建設された日本初の官営工場です。ここは日本近代化が始まった当時、主要な輸出産業であった生糸の品質向上と輸出拡大を目的として、全国から工女を集めて指導者として育成する為の施設でした。敷地内には今も当時の繰糸場、倉庫、工女の寄宿舎等の施設が現存し、その価値が世界に認められ平成26年6月、世界文化遺産に登録となりました。

まずはガイドの方の解説を聞きながらの見学がお勧めです。

まずはガイドの方の解説を聞きながらの見学がお勧めです。

写真:高橋 しゅう

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富岡製糸場の入口から敷地内を見ますと、正面にレトロな赤レンガ造りの建物が目に入り気分が盛り上がります。
まずは受付で入場料を支払ってから、見学がスタートです。

敷地内の公開箇所は自由に見学ができますが、最初はボランティアの方による解説を聞きながらの施設案内に同行することをお勧めします。見どころには案内板もありますが、ガイドの方の解説やエピソードを聞きながら中を巡ると、見ているだけでは解らないことも知ることができてより楽しい見学となりますので、お勧めです。

ガイドによる解説は一日数回決まった時間に受付前をスタートして約40分の行程で、料金は無料です。

ガイド開始時間等のは富岡製糸場のホームページにてご確認下さい。

近代日本の夜明けの時代を感じる建物群

近代日本の夜明けの時代を感じる建物群

写真:高橋 しゅう

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富岡製糸場の敷地内で目を引くのは、赤レンガで造られた大きな倉庫や建物です。
レトロで趣きのある赤レンガの建物は、江戸時代から明治に入って変遷していく中で建てられた洋風の建築様式からも近代化の歴史を充分に感じることができます。

敷地内の東西2箇所にあるレンガ造りの大きな繭倉庫の他にも、繰糸場の大きな建物、検査任館、女工の寄宿舎等々どこも明治時代に建てられた洋風や和洋折衷の建築様式の建物で時代を感じることができ見応えがあります。

写真は、敷地内の東繭倉庫の建物にある「明治五年」と記された礎石で、ここも見逃せません。

内部を公開している東繭倉庫

内部を公開している東繭倉庫

写真:高橋 しゅう

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敷地内では内部を公開している施設と非公開の施設があります。
その中で公開している施設の一つ東繭倉庫は、富岡製糸場に関する解説・展示コーナーや売店があり代表的な建物となっています。

最初にガイドの方と敷地内を巡った後に、さらに解説・展示コーナーを見学すると知識を深められ、より製糸場について興味が湧いてくることと思います。

また、建物に施されたアーチ状に造られたガラス窓も珍しく見学ポイントです。

長さ約104mの長大なレンガ倉庫 西繭倉庫

長さ約104mの長大なレンガ倉庫 西繭倉庫

写真:高橋 しゅう

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正面の入口から入って一番奥に位置する西繭倉庫は、内部公開はされていませんが、長大な外観が目を引くレンガ造りの倉庫です。

敷地内の広い広場に面して建つ、長さ約104m、高さ約15mの木の骨組みとレンガを積み並べて造られた美しい建物は、約1万5千坪の製糸場の敷地内でも特に存在感があり、目を見張る建築物となっています。

富岡製糸場の中核施設 操糸場の建物

富岡製糸場の中核施設 操糸場の建物

写真:高橋 しゅう

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製糸場の中で実際に生糸を生産していた中核的な場所が操糸場(そうしじょう)で、建物内部も公開され、上部を木を組んで造られた長大な建物の様子を見ることができます。

明治時代に、当時の世界最大規模を誇った長さ約140mの建物は、富岡製糸場が官営工場から後に民間へ払い下げられて、途中幾つかの会社を経てから片倉製糸紡績株式会社の所有となってからも、そのまま操糸工場として昭和62年まで現役で使われていました。

現在、建物内部に保存されている機械(写真)は、昭和62年の操業停止時まで実際に使われていた最新式の自動繰糸機です。複雑に作られた機械は見応えがあります。尚、明治期に使われていたフランス式の機械は長野県岡谷市の岡谷蚕糸博物館や愛知県の明治村に保存されています。

世界文化遺産に登録され、今後益々注目の施設に

平成19年に所有会社から群馬県富岡市の管理に移管した富岡製糸場は、周辺の絹産業施設とあわせて「富岡製糸場と絹産業遺産群」として世界文化遺産への登録が平成26年6月に決まりました。今後益々注目度の高まる施設は、近代文化遺産として一度は訪ねてみる価値があると思います。

富岡製糸場

開場時間:午前9時〜午後5時(入場は30分前まで)

休場日 :年末の12月29日〜31日

見学料 :大人500円 大学・高校生250円 小中学生150円

アクセス:JR高崎駅より上信電鉄にて約40分、上州富岡駅下車徒歩15分(1km)
     車の場合は上信越道富岡インターチェンジ利用(駐車場まで約10分)

掲載内容は執筆時点のものです。 2010/05/03 訪問

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