初心者に最適!関東百名山「雨降山の大山」に登ろう

初心者に最適!関東百名山「雨降山の大山」に登ろう

更新日:2015/01/14 12:35

大山(おおやま)は都内より南東方面、神奈川県伊勢原市、秦野市、厚木市にまたがる1252メートルの山です。
山岳信仰が古くから盛んで、現在に至ってもこの近辺の丹沢山塊を訪れる登山者数は、年間のべ31万人を越えるそうです。
今回は、登山初心者や子供連れでも比較的楽に登ることができる大山を、歴史、ルート、観光資源などの面からご紹介します。

まこと密かに語られる死後ゆく山?その正体と歴史とは

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大山は、東大寺別当良弁僧正によって奈良時代の頃に開山されました。
以後、山頂の石尊大権現と中腹に位置する大山寺を中心に真言密教が盛んに信仰されることになります。
また時の為政者、北条政子、足利尊氏、小田原北条氏などから強い庇護を受けてきたことも押さえておきたいポイントです。

一方で、明治時代に全国的に起こった廃仏毀釈の影響により、山全体の仏教色は排除されることになります。
頂上の石尊大権現は大山阿夫利神社(上社)へ改称され、大山寺が元々あった場所には大山阿夫利神社(下社)が新たに建てられました。
今でこそ神道と仏教が混在していますが、明治の世では大変な混乱に見舞われていたことは、大山を知る上でとても重要なことでしょう。

死後霊魂が向かう山。
常に山頂に雨雲がかかる山。
そして漁業の際、航海の目印にされた山。
大山を説明するには昔から上記のような表現でされてきました。
これらが大山の正体と歴史です。

(掲載写真情報)
12月24日06:28(日の出時間06:48)
絞り3.5 露出時間10分の1 焦点距離29ミリメートル
・大山寺前階段より
・大山周辺晴天、太陽方向に横長の雲有り

登山のオススメルートはこちら!

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最初に3つのアプローチを紹介しておきます。

(1)秦野駅から蓑毛バス停に行き、山頂を目指すルート。
蓑毛バス停→ヤビツ峠・バス停→大山山頂。
※下から歩く場合、計150分の所要時間。
なお、秦野駅からヤビツ峠までバスで行くことができるので、体力と相談して蓑毛から歩くか決めましょう!その場合は頂上まで90分。

(2)伊勢原駅からバスで大山ケーブル麓へ。
ケーブルカーを使って阿夫利神社下社に到着後、90分かけて山頂を目指すルート。

(3)こちらも伊勢原駅から日向薬師バス停に到着後、雷ノ峰尾根を登るコース。登頂までは150分といったところです。

この中で一番オススメするコースは(2)の大山ケーブルです。
体力に自信が無い方でも十分登ることができ、大山最大の観光名所である阿夫利神社、大山寺を経由できるからです。
そして帰りに山嶺の、こま参道で名物となっている、こま豆腐を頂いてかえりましょう!

早起きは三文の得?大山の綺麗な風景を見るコツとは

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ケーブルカーを使えば阿夫利神社下社まであっという間に到着できますが、「ケーブルカーを使わず登るのだ !」という方は、麓から男坂(急斜)か女坂(若干長め)の二通りのうちどちらかを使って登ることになります。

いずれにせよ下社には到着できるのですが 途中にある大山寺から見える下界はこれから始まる登山のモチベーションを上げるのにうってつけです。
寒い時期や真夏の暑い時期、日が上がる三十分以上前にこの場所に来ることができたら、紺色の空に真っ赤な日の出の光が徐々に侵食されていく風景を見ることができるかもしれません、お試しあれ!

そして良い風景といえば頂上も負けてはいません。
「雨降山の大山」と呼ばれるほど大山近辺はよく雲がかかっています。
快晴じゃなくて残念だと思われるかもしれません。
ただ、頂上から南東、相模湾方面の街並みが一望できるのですが、この上にポッカリ漂う雲に太陽の光が散乱して、神々しい景色が楽しめる可能性があります。
道中、山頂の景色はどんなものなのか楽しみにして登ってみて下さいね。

良水に恵まれし大山!食べて美味しいこま豆腐、もらって嬉しい大山独楽を手に入れよう

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大山では毎年3月に「とうふまつり」なるイベントが行われています。
大きな鍋で薬草入りの湯豆腐を食べることができたり、豆腐はや食い競争など催されたりと例年多くの人で賑わっています。

さて大山ではもう一つ有名なものがあります。
それが「大山独楽」。
独楽はそのよく回る姿から、生活が滞りなく回るという意味で縁起物としてよく扱われてきました。
最近では「出世独楽」と呼ばれ、会社の同僚や友人に贈り物としても喜ばれています。

大山独楽は江戸時代頃から特にお土産として人気を博し、その一つ一つを手作りで作製しています。
大山ケーブル駅の麓は別名「こま参道」と呼ばれ、この通りで独楽を作製する姿も見物です。
食べて美味しい「こま豆腐」、もらって嬉しい「大山独楽」是非オススメの観光物です。

最後にこんな楽しみ方もあります!

古典落語の演目「大山詣り」は御存知ですか?

その昔、大山は商売繁盛、博打に御利益があると言われていて、参拝は江戸っ子の流行りとなっていました。
とある江戸っ子たちは今年も大家さんに案内人を頼みましたが「毎年、酒乱の熊五郎が暴れだすので嫌だ」と言います。
しかし江戸っ子たちは、「腹が立ったら罰金として二分払う。もし喧嘩をしたら、みんなでとっ捕まえて丸坊主に」という話を取り付け、一同は大山に向かって出立していきました…。

概要はこんな感じですが、この「大山詣り」のオチはとても面白いので、是非大山に行く前に知ってから訪れて欲しいと思います。
そして、行って帰って、このオチを思い出してホッコリとした気分になって頂けたら幸いに思います。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/12/24 訪問

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