秘湯番付西の大関に選ばれた名湯、新湯温泉「新燃荘」

秘湯番付西の大関に選ばれた名湯、新湯温泉「新燃荘」

更新日:2015/02/26 21:16

六三四のプロフィール写真 六三四 温泉ソムリエ師範、温泉フリーライター
霧島市牧園町高千穂、標高920mに位置する「新湯温泉 民営国民宿舎新燃荘(しんもえそう)」。
付近一帯は硫黄孔や噴気孔が多く見られいかにも湯治場らしい雰囲気を醸し出しています。周辺に他の温泉宿は無くまさに山の秘湯。

今回は秘湯番付(1995年南日本新聞社)で西の大関に選ばれた鹿児島県内屈指の名湯のご紹介です。

新燃岳噴火から昨年再開!

新燃岳噴火から昨年再開!

写真:六三四

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まだ記憶に新しい霧島連山新燃岳(1421m)の噴火。霧島に入山規制が敷かれ「新湯温泉」も休業を余儀なくされていましたが1年半後の2012年7月に規制緩和を受けようやく営業(※)が再開しました。

「新湯温泉」ファンは鹿児島県内だけでなく県外にも非常に多いと聞いております。これまで年間約4万人の利用客があり再開を待ち望む声も多かったようで皆さんきっと心待ちにしていたのではないでしょうか。


※2013年1月現在も改修、補修工事は行われております。

青白色の硫黄泉「新湯温泉」

青白色の硫黄泉「新湯温泉」

写真:六三四

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「新湯温泉」と聞いて思い出すのがやはりこの色!
美しい青白色の湯がいかにも霧島の温泉らしいイメージ。

湯船を見ただけで嬉しくなってくるのは筆者だけでしょうか?

内湯の壁一面は石とモルタルで作られ、そこに湯口が設けられ壁を伝って温泉が浴槽に注がれています。硫黄成分が付着した湯の通り道が何とも言えません。

強烈な硫化水素臭の単純硫黄泉(硫化水素型)。
『入浴時間は30分以内』と書かれた貼り紙が印象的です。

余談ですが「新湯温泉」に入ったら2日は硫黄の香りが体からとれません(笑)

「新湯温泉」の醍醐味?混浴露天風呂

「新湯温泉」の醍醐味?混浴露天風呂

写真:六三四

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「新湯温泉」と聞いて次に想像するのが混浴露天風呂。
こちらも内湯同様に美しい青白色。

源泉温度は60℃以上ありますが自然水で加水がされてありますので適温。この日の入浴体感温度41℃ほどで非常に心地良く温泉を楽しめました。

湯の透明度は約20cmですので湯に浸かれば女性も気兼ねなく混浴を楽しめる・・・らしい。
実は、筆者「新湯温泉」を訪れるのはいつも平日の朝一番。毎回貸切状態で入っていますので未だ女性の入浴者に遭遇した事がありません。
あくまで想像の範疇で(笑)

治療湯はさらに強烈な硫化水素臭!

治療湯はさらに強烈な硫化水素臭!

写真:六三四

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内湯、露天風呂。そして最後にご紹介するのが貸切の治療室。

「新湯温泉」の歴史は明治に遡りますが当時から皮膚疾患に良いと言われ、現在もその湯の良さを信じて利用される方が後を絶ちません。

木枠2面の浴槽に壁面を伝って湯が注がれる形状は内湯と変わりませんがしばらくその流れを見ていると驚きの展開。

時折、湯と同時に泥状の硫黄がボタボタと音を立てて浴槽に落ちていくではありませんか・・・唖然としつつもその光景に食い入るよう眺めてしまいました(笑)

治療室と名付けられた湯。これ以上の説得力はありません。

「新湯温泉 民営国民宿舎新燃荘」

「新湯温泉 民営国民宿舎新燃荘」

写真:六三四

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「新湯温泉」の過去を振り返ると幾つも悲しい出来事がありました。
昭和26年、台風降雨による土石流で9名の方の命が失われ、平成元年には硫化水素ガスによる事故で2名の方が亡くなられています。そして平成23年新燃岳の噴火・・・。
幾度の困難に見舞われている「新湯温泉」ですがその卓越した温泉を求める湯治客、温泉ファンは絶えることはありません。

筆者自身も何度も訪問している「新湯温泉」。
鹿児島の全ての温泉を巡った立場で言わせていただきますと間違いなく鹿児島県内屈指の名湯であると断言できます。

鹿児島、霧島を訪問の際は是非とも入ってもらいたい一湯です。

【温泉名】新湯温泉
【施設名】民営国民宿舎新燃荘
【住 所】鹿児島県霧島市牧園町高千穂3968
【電 話】0995-78-2255
【泉 質】単純硫黄泉(硫化水素型)
【適応症】慢性皮膚病,慢性婦人病,きり傷など
【立寄湯】08時〜20時 ¥500
【休 憩】08時〜16時 ¥1,000〜

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/12/20 訪問

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