こちらは「山宮浅間神社」。富士宮市の中心部から、通称「登山道」と呼ばれる、県道180号を15分程車を走らせた場所にあります。県道を真っ直ぐ進むと富士山への登山口「富士宮口」があるくらい、富士山のすぐ近く。
神社に着くと、辺りは鬱蒼と大木に覆われ、野鳥の羽ばたく羽の音が聞こえるくらい静か。
鳥居から、両サイドに石灯篭がずらりと並んでいて、境内に入る前から神秘的な雰囲気。
鳥居から参道を進むと、大きくて立派な建物が現れます。
これは本殿ではなく「籠屋」と呼ばれる建物。これは昭和8年に再建されたもので、祭などを行った時、宮司さん達が一夜籠った場所と考えられていますが、実際は何のために建てられたのかは分かっていないそうです。
建物ですが、大きな門のような形をしていて、くぐると砂利道の参道が続いています。
参道の先は50段ほどの石段。その上に、言わば本殿にあたる神社で最も重要な場所があります。ここは約2000年前に噴火して流れ出た「青沢溶岩流」と呼ばれる溶岩の末端部。
石段をよく見てみると、小さな穴が無数に開いていて、溶岩の石が使われているのがわかります。そのため、少し歪で、歩きにくい場合があるので、歩きやすい靴で訪れるといいでしょう。
石段を登りきると、本来なら本殿があってもいいはずの場所なのに、ご覧の通り!
塀で囲まれた四角い場所に、空に向かって大きく伸びた大木。地面に並べられた石など、何とも殺風景で、不思議な光景。
実は、ここは噴火を繰り返す富士山を恐れて、富士山の平安を祈った「遥拝(ようはい)所」で、古い富士山信仰の形を残した貴重な神社なんです。
創建年代は詳しくわかりませんが、日本神話に出てくる「日本武尊」が「富士神の加護を得たので、富士神を祀った所」と言われるくらい、遥か昔からここに鎮座しています。
「でも、何でここに本殿などの建物がないの?」と、思った方もいらっしゃいませんか?
後ほどご紹介しますが、この遥拝所から、丁度後ろに、富士山が眺められるようになっていて、山そのものを神として拝むため建物がないそうです。
こちらが、遥拝所からの眺め。
正面に富士山が見えるようになっていて、昔から拝まれていた同じような富士山が見られます。周りは木ばかりなのに、急に視界が開け、ど〜んと顔を出す富士山は見事!
雪が降りつもる冬は特に貫禄があって、陽が当たると眩いばかりに輝き、そんな光景を見ているだけで、自然と力が漲ってくるようです。
ここには「本殿を造ろうとすると、風の神の祟りがあるので、本殿を造ってはいけない」という伝説が残されていて、昔の村人が、本殿を造ると「大風が吹いて吹き飛んだ」「大風で畑の作物も大きな被害を受けた」などの被害を受けたそうです。それくらい霊力が高く、こんな場所で祈れば、きっと、ご利益がある事間違いなし!
富士山には「木花之佐久夜毘売命(このはなさくやひめのみこと)」と言う女性の神が祀られていて、家庭円満・安産・子宝・火難除けなどの神徳があるそうです。女性の神なので、特に、子宝・安産は効き目がありそうですね!
冒頭でもお伝えしたように、ここは「古代からの富士山信仰の姿を唯一とどめている」ことから、富士山世界文化遺産の構成資産の一つになっています。
世界遺産は人類共通の財産。国際的に保護をして、現代から未来へ伝えていく必要がある大切な場所。是非一度、行ってみる価値ありですよ!
神社について、詳しく知りたい方は、駐車場にボランティア団体の方がいらっしゃるので、案内してもらうと良いですよ。
参拝の際は、立ち入り禁止区域内に入らない、石などを持ち帰らないなど、ルールを守って下さいね。遥拝所内は、保護のため立ち入りができない場合があります。
日本全国に、神社は無数にあるけれど、富士山そのものを拝む神社はここだけ!
日本の象徴「富士山」を拝んで、ダイナミックな夢や願いを叶えてみませんか?
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