善光寺の長い参道を歩いていくと見えてくる、重厚感のある「三門」。ここは、多くの観光客が足を運ぶスポットであり、善光寺に訪れたことを実感させてくれる場所でもあります。
この門は寛延三年(1750年)に建立されましたが、近年に入り大規模な修繕が行われ、2008年には建立当時と同じ栩葺き(とちぶき)屋根が再現されました。
当時の面影を思い起こさせる門には、 輪王寺宮筆である「善光寺」の文字が掲げられていますが、これをよく見てみると5羽の鳩が隠されていることがわかります。こちらは何度も善光寺を訪れたことのある方にとって、既にご存知の事実かもしれません。
しかし、更にじっくり見てみると、「善」の字がだんだんと「牛」に見えてきませんか?これは、『思いがけない偶然で良い方向に導かれる』という意味のことわざ『牛に引かれて善光寺参り』を表しているといわれており、意外な所で善光寺の奥深い魅力を感じることができます。
本堂向かいにある古めかしいお堂。ここは「経藏(きょうぞう)」と呼ばれる場所で、宝暦9(1759)年に建立された歴史ある建築物として知られています。
これは「一切経」と呼ばれる経典を納めるために作られた建物ですが、一般人が読破するのは至難の業。
そこで設置されたのが、「輪蔵(りんぞう)」というコマのような形をしたもので、枕木を一回転させると「一切経」を読んだときと同じ効力があるといわれています。2015年1月現在は老朽化に伴い、初の大規模保存工事が行われているため中へ入ることはできませんが、2017年の修繕後にはぜひ足を運んでみてください。
また、お堂前にも「輪廻塔」と呼ばれる石車があり、観光客も実際に触れることが可能。石車を回すのには大人でも力が必要なほど重いのですが、これにより極楽往生できると伝えられています。
宗派に関わらず、誰でも参拝できる・誰でも極楽へ行けるといわれる善光寺。多くの人々から信仰を集めた理由は、仏教を身近に感じられる古人の工夫があったからこそかもしれません。
善光寺参りの楽しみといえば、散策や参道に建ち並ぶお店での買い物。
約450メートルにも及ぶ善光寺の長い参道には様々な商店が建ち並び、旅人たちを吸い寄せるように賑やかなかけ声が聞こえてきます。
実はこの参道、江戸時代に大竹屋平兵衛という人物から寄進された7777枚の石畳によって作られたもので、一部修復されているもののほとんど当時のまま残されているのだそう。現在は約6400枚ほどに減っていますが、近代以前に作られた大規模な石畳は大変珍しく、江戸時代から受け継がれた情緒を感じとることができます。
また、この石畳にはこんな伝説も残されています。
昔、善光寺の本堂が完成したばかりの頃、石屋を営む大竹屋平兵衛の家に盗賊が入り、賊と間違えて一人息子を殺してしまいました。そのことに気づいた平兵衛は巡礼の旅へと出発し、善光寺に立ち寄りました。その際、善光寺参拝に難儀する人々を見て石を寄贈したといわれており、その後も平兵衛の子孫が整備を受け継いだのだそうです。
隠された文字の秘密や言い伝え。普段、何気なく参拝していると見逃してしまいがちな所ですが、こういった部分を知ることでより奥深い善光寺観光を楽しむことができるでしょう。そんな発見も旅行の醍醐味であり、魅力といえます。リピーターの皆様も次に善光寺を訪れる際には、情緒溢れる風景や歴史ににも目を向けてみてください。きっと新たな発見が待ち受けていることでしょう。
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(2024/4/26更新)
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