湯めぐりが楽しい温泉天国の秘湯で雪見風呂【栃木県北温泉】

湯めぐりが楽しい温泉天国の秘湯で雪見風呂【栃木県北温泉】

更新日:2013/03/25 10:36

鮎川 キオラのプロフィール写真 鮎川 キオラ 子どもの好奇心を育てる旅育ライター、ホテル朝食研究家
本格的な冬本番、あったか温泉が恋しい季節。この季節にしか味わえない雪見風呂だったら最高!!「秘湯」「雪見風呂」「関東近郊」こんなキーワードで温泉をお探しなら、栃木県北温泉が一押しです。こんなにワクワクする秘湯は、なかなか出会えません。秘湯の一軒宿ながら、湯めぐりが楽しめるのです。それぞれに趣の異なる湯船は、訪れる人を飽きさせない温泉天国です。

歩いてしか行けない温泉

歩いてしか行けない温泉

写真:鮎川 キオラ

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山間の谷にひっそりと佇む北温泉旅館。写真からもお分かりの通り、玄関まで車で行くことができません。公共駐車場から400mほど歩いて坂を下ります。徒歩10分ほどの宿へと続く坂は、新緑から紅葉シーズンなら、鼻歌交じりで足取り軽やかに向かえるでしょう。

この温泉の秘湯ムードを味わうなら、冬がお勧めです。雪に閉ざされる冬ともなるとのどかな風景は一変します。頑丈そうな柵があるものの、柵の下を覗くと眼下には深い谷。鼻歌なんて歌う余裕はありません。滑りにくい靴を選んでお出かけくださいね。でも、雪を踏みしめる「ギュッギュッ」という音しか聞こえない静寂の世界は、先に待っている温泉への期待感が膨らみます。

白銀の世界に、静かに佇む古い木造建築が見えてきます。江戸、明治、昭和の3つの時代に建てられた建物になるそうです。ちょうど身体も冷えてきた頃、目の前にはあったかな温泉宿が待っています。この桃源郷にたどり着いたような感覚がたまりません。

北温泉の原点「天狗の湯」

北温泉の原点「天狗の湯」

写真:鮎川 キオラ

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北温泉は、約1200年ほど前に天狗によって発見されたと伝えられています。1mを超す巨大な天狗の面と、少し小さめの天狗の計3面の天狗が壁に掛けられ、湯治客をお出迎え。迫力があります。

北温泉旅館は、映画「テルマエ・ロマエ」で上戸彩さんが演じる真実の実家として登場します。この「天狗の湯」での入浴シーンが印象的で、映画を見て訪れる方が増えているそうです。

北温泉の湯量は豊富。「こんこんと湧き出す温泉」との表現では物足りません。「ドバドバ」または「ドバッー」と掛け流されています。その湯量をその目で確かめてみたいかたは、この天狗の湯の窓からぜひ裏山をご覧ください。岩肌を湯気をあげながら勢いよく流れ落ちる源泉を見ることができます。

「天狗の湯」は混浴となります。迷路のような通路を抜けてたどり着いた行き止まりの場所に脱衣所があります。通路から丸見えなので、女性にはハードルの高い混浴です。

天狗の湯のすぐ奥には、「打たせ湯」、「ぬる湯」と続きますが、「ぬる湯」は、中から鍵がかけられ、小さな脱衣所があります。先客がいなければ、女性はこちらを利用してみてはいかがでしょうか。

展望最高の女湯「芽の湯」

展望最高の女湯「芽の湯」

写真:鮎川 キオラ

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北温泉は、3つの源泉があります。そのひとつは女性専用の内湯にひかれていますので、男性は残念ながら入浴することができません。江戸時代より姫様専用の湯として利用されていた為、現在も女性専用となっているそうです。

この湯船、とってもいいですよ。なんと言っても、湯船から見える景色が一番最高です。ちょっと熱めの湯船に身体を浸かりながら見る雪景色はなんとも贅沢。北温泉は、男性客が圧倒的に多いので、女性専用の湯は貸切状態になることが多く、のんびり入浴ができるのもうれしい。

こちらの湯の名前は「芽の湯」とされていますが、別名「目の湯」ともされているそうです。会社でもプライベートでも目を酷使している現代人は、いつも目がお疲れですよね。タオルをお湯に浸して絞り、それを目の上に置くとよいと書かれていました。

そこで、縦長の湯船の端に頭を乗せてプカプカ浮きながら、タオルを目の上にのせてみると、気持ちいい〜。人目を気にするとちょっと恥ずかしい入浴方法ですが、ぜひお試しください。

北温泉名物!!一年中泳げる温泉プール

北温泉名物!!一年中泳げる温泉プール

写真:鮎川 キオラ

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北温泉と言えば、「天狗の湯」が有名ですが、「泳ぎ場」と呼ばれる温泉で満たされた温泉プールも名物のひとつ。これほど贅沢な湯船はありません。15m×10mの大きな湯船に満々と温泉を掛け流せる湯量に感心します。

子供用のプールも用意され、すべり台まであります。すべり台には、源泉が流れていてウォータースライダーならぬ、温泉スライダーになっているのです。息子も夢中で挑戦!!温泉では泳がないのがマナーですが、こちらは泳いでもよい露天風呂。子供も楽しめる湯船です。

こちらは混浴ですが、水着やタオルを巻いて入浴できますので女性の方もぜひお試しください。「泳ぎ場」のすぐ横には、男女別の「相の湯」と呼ばれる内湯がありますので、そこの脱衣場を利用します。この内湯は熱めの温泉となっていますので、こちらでよーく温まってから「泳ぎ場」へ出れば寒さを感じることはありません。

温泉天国 湯めぐり館内マップ

温泉天国 湯めぐり館内マップ

写真:鮎川 キオラ

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北温泉には合計9つの湯船があります。何の情報もなしに迷路のような館内を探し回るのも探検気分で楽しいのですが、せっかくならすべての湯めぐりをしたいもの。写真は、館内で見つけた手書きの館内マップになります。公式のHPにも、宿で頂くパンフレットにも館内マップがありませんので、湯めぐりの参考にしてみてください。

北温泉とは不思議な魅力の温泉です。古いものは江戸安政年間に建てられた時代を感じる佇まい。天井が低く、古びた館内が、何故かほっとなごむ空間。薄暗い館内には、いたるところに仏像や榊が祀られ、素通りできないおどろおどろしい雰囲気があるものの、見守られている気分。ちょっと不思議な温泉天国で湯めぐりを楽しんでみてください。

【北温泉旅館】
栃木県那須郡那須町湯本151
TEL:0287-76-2008
立寄り湯:700円(8:30-16:00)
宿泊料:1泊2食7,500〜9,500円
※価格差は江戸、明治、昭和の建物の古さにより安くなり、シーズンの変動なし
泉質:単純泉(飲泉可)

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掲載内容は執筆時点のものです。 2012/01/04 訪問

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