写真:SHIZUKO
地図を見る亀岡文殊は『出羽の文殊』とも言われ、『切戸の文殊(京都府宮津市)』『安倍の文殊(奈良県桜井市)』とともに日本三文殊と呼ばれています。「3人寄れば文殊の知恵」と言われる「文殊」とは、お釈迦様の向かって右に配されることの多い『文殊菩薩』のこと。『智慧(ちえ)』は仏の心を表す仏語で、その智慧を司る仏が文殊菩薩です。
『智慧』は『知恵』に繋がり、人生を生き抜くための判断力や知識と考えられ、文殊菩薩は学業を司ると信仰されています。その結果、亀岡文殊は、合格祈願に訪れる人が後を絶たない人気スポットです。が、…ちょっと危険なお寺でもあります。
北国ゆえ、冬はもちろん雪が降り積もっています。気温によっては、緩やかな坂になっている参道は、ツルツルに凍っていることも。合格祈願なので、絶対にすべって転ぶなんて不吉な目には会いたくないと皆さん思ってますが、…、なかなか思い通りにも行かないようです。気温がマイナスになっている時の参道は、スケート場のよう。あちこちで悲鳴が上がります。
手すりにつかまって、なんとか参道を滑らずに登ることが、一つの修行ともいえますね。帰りは下り坂なので、より一層慎重に。皆さん、とにかく、怪我をせず無事にお参りしてほしいと願うしかありません。なので、お洒落は二の次。長靴など、必ず滑らない装備でお出かけくださいね。
そして、亀岡文殊では『知恵の水』と言われる『利根水(りこんすい)』を飲むことが出来ます。
この水を飲むと、文殊菩薩の知恵を授かることが出来るとか。
つまり、頭がよくなる。ならば、ぜひ! と皆さん飲んでいかれます。もちろん、私も、しっかり飲みました。効果のほどは…。
写真:SHIZUKO
地図を見る亀岡文殊のあとに訪れたいのは『安久津八幡神社』。
雪の中に佇む鳥居と三重塔は、まるでモノクロ写真のよう。
冬ならではの美しさ。もちろん、雪がなくなれば、全然別の風景を見せてくれることでしょう。でも、雪景色だけがもつ静かな姿は、思わず手を合わせたくなる清らかさ。神社の鳥居のそばに、お釈迦様の骨を収めるための三重塔がある風景を奇異に感じるられる人もいるでしょう。でも、三重塔が神社にある例は、日本各地あるようです。
雪の中に佇む姿は、あまりにも美しい。
神社の裏山には、安久津古墳群があります。縄文時代の古墳や史跡がたくさん発見されている場所です。
神社の手前には、古代高畠の集落を復元した『まほろばの里歴史公園』があり、その中核をなすのが『山形県立うきたむ風土記の丘考古学資料館』。ここでは、縄文時代から、人々がこの地に定住していた様子を見ることが出来ます。ただし、屋外展示は雪に覆われているので、雪解けを待たなければダメですけど。
写真:SHIZUKO
地図を見る日本三大急流の一つに数えられる最上川。
源流は、福島県と山形県を分ける吾妻連邦。かつてはスイッチバック(折り返し運転を続けて急峻な坂を登る方法)でなければ列車が通れなかったほどの険しい山々。山形新幹線に乗っていると、列車がこの吾妻の山々に差し掛かり、トンネルを越えるとまさに『雪国』。一気に風景が変わります。
そんな山から流れ出て、日本海に繋がる雄大な最上川に、冬になると白鳥などの渡り鳥がやってきます。
シャーベット状になった雪が流れていく川面に浮かぶオナガガモやマガモ。白鳥の若鳥は、まだ灰色でした。
見ていると寒そうですが、鳥たちは悠々と静かな時間を過ごしています。
写真:SHIZUKO
地図を見る雪景色は、本当に素晴らしいもの。なかなか体験できない荘厳な景色があちこちに広がっているのですが、くれぐれも無理をせずに観光していただきたいと思います。
吹雪けば、ホワイトアウトと言って、どこが道だか田んぼだか、上も下も判らない状況になります。道を知り尽くしている地元の方でも、危険を感じて運転は避けるとのこと。観光客は、重々注意して外出するようにしましょう。
出歩くだけが旅ではありません。雪に降り込められた時は、温泉でゆったり過ごすのが一番。
置賜地方には、あちこちに日帰り温泉があります。それぞれに柔らかい温泉で素敵なのですが、宿泊できるところは限られています。
宿泊できる湯治宿のひとつが『湯沼温泉・駒草荘』。
弱アルカリ性単純温泉で、とてもまろやかなお湯。露天風呂は、ちょっと低めの38℃に設定されています。この温度こそがいろんな病気を治癒する温度だということです。30分浸かっていても、のぼせないし、柔らかく身体を包んでくれる心地よさに思わず居眠りしてしまいそう。
お風呂上りは、自分の部屋でゆったり。湯治するには最適な宿。山形牛など、地元の美味しい食材を使ったご飯もお楽しみ。
冬の雪国を楽しむには、時間的余裕を持った計画が大事。そうすれば、きっと、普段はバタバタしている心にも、余裕がたっぷり注ぎ込まれることでしょう。
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(2024/4/26更新)
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