真冬に咲く白い氷の花 〜御在所HYOBAKUライトアップ(三重県菰野町)

真冬に咲く白い氷の花 〜御在所HYOBAKUライトアップ(三重県菰野町)

更新日:2014/12/26 09:54

津田 泰輔のプロフィール写真 津田 泰輔
ロープウェイで気軽に登れる御在所岳。登山で有名な山だが、近鉄電車のポスターで綺麗な写真もご覧になった方もいるだろうか。
御在所岳は標高1212mで、夏は避暑地、秋は紅葉の名所だが、冬には真っ白な雪の世界へと変わり、条件次第では樹氷が発生する。
そして12月から2月までは特定日だけロープウェイのナイター運転が始まり、樹氷のライトアップが実施される。

樹氷ができる条件とは

樹氷ができる条件とは

写真:津田 泰輔

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御在所ロープウェイを使って一気に標高1200mまで登るとそこは一面の銀世界。それもそのはずで、冬になると標高も高いことがあってここはほとんど一日中氷点下まで気温が下がる。訪れる際はスキーに行くぐらいの防寒着を用意して行くことをおススメする。

樹氷と言うのは木に雪が積もっているわけではなく、空気中の水蒸気が風で木に付着して凍り、それが積み重なって白い雪のようになる現象である。
近づいてよく見てみると尖った氷状になっているのが分かるだろう。
樹氷はある程度の湿度があり、風が強く、そして氷点下の寒さという条件化で発生するので、冬であっても必ずしも見られる現象ではない。
ロープウェイの入口にその日の樹氷の発生の有無が書いてあるので、どうしても樹氷を見たいという方はロープウェイに乗る前にチェックしておいた方が良いだろう。

色とりどりにライトアップされる樹氷

色とりどりにライトアップされる樹氷

写真:津田 泰輔

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陽が落ちるとライトアップのスタート。
せっかくならライトアップしてない樹氷も見たいという人は、ロープウェイの山上駅とスキー場付近に休憩所もあるので、そこで時間をつぶすと良い。
とにかく寒いのであまり長時間外にいると凍えてしまう。

ライトアップがスタートすると先ほどまで真っ白だった木々がカラフルに彩られる。もともとが白いので色のついたライトに照らされると、その色に綺麗に染まっていく。ピンクのライトに照らされれば桜の木のようだ。
冬に咲く桜。なんともロマンティックではないだろうか。

氷の造形美「氷瀑」

氷の造形美「氷瀑」

写真:津田 泰輔

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御在所ライトアップの代名詞ともいえるのがこの「氷瀑」
冬になると霧状の水をかけ続け、巨大な氷柱を人工的に造り上げたものである。
これは一日二日でできるものではなく、毎日少しづつ水をかけて造り上げるため、
夜間運行のライトアップは12月から始まるのだが、完全な氷瀑を見られるのは1月に入ってから。
ライトアップによって様々な色に変わる幻想的な氷の造形を見たければ、1月になってから訪れよう。

真冬に咲いた白い氷の華

真冬に咲いた白い氷の華

写真:津田 泰輔

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御在所岳のライトアップで一番美しい場所は、ロープウェイ降り場からすぐの所にある朝陽台付近だろう。
様々なオブジェのイルミネーションも美しいが、なかでもひと際美しいのが、白と青のLEDライトに照らされた1本の樹氷の木。
少し奥の方にあって回りにライトがないので、暗闇に浮かび上がるような神秘的な美しさがある。
極寒の地に咲いた白く光る氷の華。
なんとも息を飲む美しさだ。

帰りは夜景を堪能

帰りは夜景を堪能

写真:津田 泰輔

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帰りのロープウェイは晴れていれば四日市の工業地帯の夜景が楽しめる。
約15分間の空中散歩。
御在所ロープウェイは標高差約780mで全長約2.1km。
そして中ほどにある鉄塔は高さ61mもあり、これはロープウェイの支柱としては日本一だと言う。
真っ暗だとその高さを感じることはできないが、逆に周りの景色が見えないと、空中を飛んでいるかのようだ。

冬山装備で出かけよう

樹氷は自然現象なので、いつも見られるものではない。また風が強すぎるとロープウェイもストップしてしまうし、風がなくても頂上付近は霧に包まれて視界ゼロということもしばしば。
いくらロープウェイで簡単に頂上まで登れるとは言え、そこは1200m級の冬山。急に天候が悪くなって気温がぐっと寒くなることもあるだろう。服装などは充分注意して出かけて欲しい。

なお、写真はすべて2013−14年シーズンのもので、今年のイルミネーションとは一部異なる可能性があります。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2014/02/09 訪問

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