豪雪地帯を行くローカル線 飯山線雪見列車で信濃路の旅

豪雪地帯を行くローカル線 飯山線雪見列車で信濃路の旅

更新日:2014/01/30 11:22

高橋 しゅうのプロフィール写真 高橋 しゅう 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
飯山線は豊野駅と新潟県越後川口駅を結ぶ全長96.7kmのローカル線で、沿線は日本有数の豪雪地帯として知られ、冬は雪の降り積もった白銀の世界の中を列車が通っていきます。
車窓からは悠々と流れる千曲川(信濃川)の風景や、伝統的な日本家屋が点在する田園地帯等、風情のある景観を楽しむことができます。
雪景色と沿線の風景の良さで飯山線は一押しの路線で、今回はその中でも景色の良い長野県側を紹介します。

JR長野駅から出発します。

JR長野駅から出発します。

写真:高橋 しゅう

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飯山線を走る列車は長野県側は長野駅から出発します。(正式な飯山線の区間は豊野駅〜越後川口駅ですが、長野駅まで乗り入れています。)首都圏方面からの長野新幹線や、名古屋・関西方面からの特急列車からもスムーズに乗り換えできますので便利です。新潟県側まで乗車する場合には越後川口駅まで全線を直通する便もありますが、途中の戸狩野沢温泉や十日町駅で乗り継ぎとなる場合があります。※詳細は時刻表で確認下さい。

長野駅を出発した飯山線のディーゼルカーは、長野市の市街地や住宅地を通りながら進み、やがて途中の豊野駅を過ぎると次第にローカル線の雰囲気が漂う区間へ入って行きます。

尚、車内でのお弁当や飲み物が必要な場合は、長野駅で買っておくと良いと思います。信州の日本酒を手に入れて車窓から雪景色を楽しむのがお勧めです。

ちなみに千曲川の車窓を楽しみたい場合は、進行方向右側の座席がお勧めです。(但し、新潟県側の越後鹿渡駅を過ぎると信濃川の車窓は進行方向左側に変わります。)

日本一の大河、千曲川(信濃川)の流れに沿って走ります。

日本一の大河、千曲川(信濃川)の流れに沿って走ります。

写真:高橋 しゅう

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飯山線は概ね千曲川(信濃川)に沿って路線が延びています。
※千曲川と信濃川は同じ川ですが長野県内は千曲川、新潟県内は信濃川の名称となります。

途中駅の立ヶ花駅周辺から車窓に千曲川が現れ、列車は川に沿ったり離れたりしながら進み、次第に山間の区間に入っていきます。

北信州の山々や悠々と流れる日本一の大河、千曲川の風景が流れる車窓は、飯山線の旅の魅力の一つとなっています。

写真は千曲川に沿って走る車両です。(写真左側に1両編成で走っています。)

沿線には雪国の伝統的な日本家屋が点在しています。

沿線には雪国の伝統的な日本家屋が点在しています。

写真:高橋 しゅう

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ローカル線の風情漂う沿線の魅力には、千曲川や山々の景色と並んで伝統的な様式の日本家屋の点在する農村地帯の風景もあります。今は茅葺屋根の建物をほとんど見かけることはありませんが、それでも雪国らしく屋根の傾斜が急に造られた伝統的なスタイルの民家を沿線の各所に見かけることができます。

ゆったりと走る列車からは、途中の小さな無人駅や趣きのある集落を車窓から見たりと、のんびりとした時間が流れる旅を楽しむことができます。

白銀の世界を飯山線は走ります。

白銀の世界を飯山線は走ります。

写真:高橋 しゅう

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飯山線の旅の一番の魅力は冬景色です。雪化粧した山々や雪に覆われ一面銀世界となった田園地帯等、本当に美しい景色が車窓に流れます。

長野市街地の降雪は少ないのですが、列車が進んで行くと積雪量が徐々に増えてくるのを感じることができます。特に、途中の飯山駅周辺からはさらに雪の量が多くなってきます。

そして、冬の北信州の天候は目まぐるしく変わりますが、晴れた日は青空と白銀の世界、雪の日は一面真っ白な世界等、その時々の景色を楽しむことができます。

近年は、飯山線に乗って雪景色を楽しむことが観光材料となっていて、都会からツアーで来て乗車している団体客も見かけます。

過去には積雪7mを超えたことのある豪雪地帯

過去には積雪7mを超えたことのある豪雪地帯

写真:高橋 しゅう

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冬は雪景色の中を走る飯山線沿線で、特に豪雪地域と知られているのが、新潟県との県境に位置する山間の長野県栄村です。村の中心地にある森宮野原駅にはJR沿線の中で過去に日本最高積雪量を記録した標柱が建っています。

その高さは7m85cmと記され、昭和20年に記録した積雪量ですが相当なものです。今は昔に比べれば降雪量は全国的に減っていますが、現在もこの付近は例年3〜4m程度の積雪のある豪雪地帯です。

写真は平成25年1月1日に訪ねた時のもので降雪量はまだ少ないですが、これから1月下旬〜2月にかけて積雪量が増していきます。



路線の長野駅から森宮野原駅までが長野県側となります。便にもよりますがここまで概ね2時間弱の乗車時間です。この先、飯山線は新潟県側に入り、途中の十日町駅を経て上越線との乗換駅の越後川口駅まで延びています。(森宮野原駅から越後川口駅は便によりますが1時間30分弱の乗車時間です。)新潟県側も信濃川と沿ったり離れたりしながらの車窓を楽しむことができます。

飯山線乗車を楽しむプランとしましては(長野駅から乗車の場合)

○長野〜越後川口を乗車し、上越線と上越新幹線に乗り継ぐプラン
○長野〜十日町を乗車し、北越急行線と上越新幹線に乗り継ぐプラン
○長野〜森宮野原を往復するプラン

などが考えられます。もちろん、越後川口側から乗車して長野へ抜ける逆パターンも可能です。

乗車の際には、時刻を確認してからお出かけ下さい。

飯山線は運行本数が少ないことと、冬の降雪量が極端に多い日は区間運休となる場合がありますので、お出かけの際はJR東日本長野支社のホームページ内にある列車運行情報情報等で情報を確かめて下さい。

また、飯山線は乗車することだけではなく、沿線の雪景色と列車を入れた風景が絵になりますので、鉄道写真の撮影を目的に旅される方にもお勧めの路線です。

尚、新潟県内の区間につきましても、関連メモにある飯山線の記事で紹介していますので、あわせてご覧下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/01/01 訪問

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