信州の小さな町「小布施」で歴史と芸術文化にふれる旅

信州の小さな町「小布施」で歴史と芸術文化にふれる旅

更新日:2013/06/21 18:26

高橋 しゅうのプロフィール写真 高橋 しゅう 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
長野県北部の小布施(おぶせ)は、県内で面積の一番小さな町ですが、人口約1万1千人の町に年間約120万人の観光客が訪れる、とても人気のある観光地となっています。
町内には美術館、博物館、寺院、老舗栗菓子店等の見どころも多く、土壁の建物や土塀が並ぶ落ち着いた雰囲気の景観とあわせて、魅力となっています。
そして、ここは伝統的景観と地域の暮らしの両面を考慮した、まちづくりを行い全国から注目を集めています。

豊富な観光パンフレットを見ながら楽しい町歩き

豊富な観光パンフレットを見ながら楽しい町歩き

写真:高橋 しゅう

観光地の小布施はガイドブックでも多彩に取り上げられる町ですが、豊富な見どころと地元ならではのポイントを巡るには、地元の観光パンフレットを手に入れることをお勧めします。

パンフレットは小布施観光全体についての紹介や各施設のもの、個人の庭を開放しているオープンガーデンに関するもの、古い街並歩きや農村地帯を歩きに関するもの等、様々な角度から小布施の町歩きを楽しめるように用意されています。

パンフレットは小布施駅舎内のオープンスペース「六斎舎」や町中のガイドセンター、ハイウェイオアシス等で入手できます。

葛飾北斎ゆかりの町 小布施の中心地「北斎館」

葛飾北斎ゆかりの町 小布施の中心地「北斎館」

写真:高橋 しゅう

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小布施はかつて画家の葛飾北斎が晩年に愛し、訪れていた町でした。その北斎に関する展示をしている施設が北斎館で、小布施の見どころやお店の多くはこの周辺にあり、小布施観光の中心にもなっています。

館内には、北斎が天井絵を描いた立派な祭り屋台、町に長く受け継がれた肉筆画や版本等が展示され、広く世に知られた葛飾北斎の絵の世界にふれることができます。また映像等により北斎と小布施の関わりについても紹介しています。


北斎館

開館時間:午前9時〜午後5時
休館日 :12月31日、臨時休館日
入館料 :大人500円、高校生300円、中学生以下無料

風情のある小径(こみち)歩きも小布施の魅力

風情のある小径(こみち)歩きも小布施の魅力

写真:高橋 しゅう

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まちづくりに積極的な小布施は、全国的に注目を集めている町でもあります。

町中には観光施設や商店の並ぶ表通りだけではなく、小径(こみち)と呼ばれる路地の歩道がまちづくりの一環として、建物の景観と共に整備されています。

観光客だけではなく地元の方々の利用するは歩道は、家々の土塀の間や商店の裏側等を通り、暮らしを感じることのできる心地の良い空間を散策することができます。

写真はその中の一つで北斎館の近くにある「栗の小径」です。歩道には小布施町名産の栗にちなんで、栗の木が敷かれています。
※訪ねた時は凍結による滑り止めの為、歩道の上に敷物がありました。

「栗の小径」が通る、栗菓子の「小布施堂」と関連施設の建つエリアは、昔の建物を元の姿で残すことにはとらわれず、伝統的景観を活かしながらも、地元に暮らす方の視点に立った町並み整備が重点的に行われ、その手法は修景事業として知られ、町の視察に全国から関係者が訪れています。

北斎直筆の天井絵と小林一茶ゆかりの寺院「岩松院」

北斎直筆の天井絵と小林一茶ゆかりの寺院「岩松院」

写真:高橋 しゅう

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岩松院(がんしょういん)は、北斎館等のあるエリアから少し離れた小高い山の山麓にある由緒のある寺院です。

一番の見どころは本堂内の21畳の大きさの葛飾北斎直筆の天井絵です。本堂から見上げる極彩色の天井絵「八方睨み鳳凰図」は160年以上前に描かれたものとは思えないほど鮮やかで、鳳凰の絵がとても迫力があり、見応えがあります。(観光パンフレット紹介記事の写真に一部載っています。)

また岩松院には、俳人小林一茶が庭の池に棲む蛙の鳴き声を詠んだ句碑や、関ヶ原の合戦でも活躍し、後に広島からこの地へ国替えさせられた福島正則公の霊廟もあります。


岩松院

拝観時間:午前9時〜午後5時(4月〜10月)
     午前9時〜午後4時30分(11月)
     午前9時30分〜午後4時(12月〜3月)

休観日 :年末年始

拝観料 :大人300円(中学生以上) 小学生100円

水戸岡氏デザインのバスが町内を走ります。

水戸岡氏デザインのバスが町内を走ります。

写真:高橋 しゅう

小布施町内には小布施駅やハイウェイオアシスと観光スポットを結ぶ周遊バス「おぶせロマン号」が、春〜秋の土曜日・休日と行楽シーズンの平日を中心に運行されています。

写真の洒落たミニバスが「おぶせロマン号」です。このバスは九州新幹線や九州の特急列車のデザインを手掛けた水戸岡鋭治氏がデザインをしました。水戸岡氏は小布施町と縁があり、他にも町内にあるレストランのデザインや、お店のロゴ等も手掛けています。


周遊バス おぶせロマン号

ハイウェイミュージアム(小布施ハイウェイオアシス)と小布施駅から各観光スポットを結んで運行しています。
1日周遊券 300円(4月〜10月に運行 運行日は小布施町の役場のサイトを参照下さい。)
※1月3日現在、2013年度のスケジュールは未発表です。


水戸岡鋭治氏がデザインを手掛けたレストラン

小布施 鈴花(すずはな・和食)
住所:小布施町小布施102−1
電話:026−247−6487

OBUSE 花屋(洋食)
フローラルガーデンおぶせ内にあります。
電話:026−247−1187


小布施町にはここで紹介した他にも、日本画家の中島千波氏の作品を展示した「おぶせミュージアム 中島千波館」、和製灯火具を展示した「日本のあかり博物館」等の施設や、室町時代建築の建物が残る浄光寺等の寺院、そして園内の花々が美しい「フローラルガーデンおぶせ」等の見どころが、豊富にあります。
また名産の栗を使った老舗菓子店や、酒蔵、ワイナリーもあり1日中楽しむことができる町です。長野市内からの交通アクセスも良い場所にありますので、是非一度訪ねてみることをお勧めします。


アクセス

鉄道利用の場合
長野駅より長野電鉄の特急列車にて約25分、小布施駅下車
普通運賃:長野駅〜小布施駅 大人片道650円 特急料金100円

車利用の場合
上信越自動車道 小布施スマートインターチェンジ利用

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/12/31 訪問

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