まるでインド!?京都・東山に突如姿を現す白亜の観音様。その何とも優しい姿は必見!

まるでインド!?京都・東山に突如姿を現す白亜の観音様。その何とも優しい姿は必見!

更新日:2023/03/22 09:29

東山と言えば清水寺に八坂神社、高台寺などなど…。京都観光のメッカとも言える場所。そんな東山を観光していると、突然白亜の観音様が登場します!でもこの観音様は、一体何者なのでしょうか?そしてこの場所には、何があるのでしょう?

巨大であるにも関わらず、見かけるのではなく、見に行かないとわからない不思議な存在。

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高台寺(ねねゆかりのお寺)、または竜馬が好きなら霊山記念館(幕末維新ミュージアム)、それだけでなく知恩院や八坂神社、建仁寺、護国寺…。この周辺の観光地と言えば、枚挙にいとまがありません。それなのに気にしていなければ、見過ごしてしまうのです。もしこの観音様目当てで向かったとしても、途中「本当にあるのかな?」と不安になるはず。だっていくら山側へ向かって歩いても、頭のてっぺんさえ見えてこないからです。

やはり地形に関連しているのでしょう。東山は急な坂道も多くその坂が急であればあるほど、上っている間は目の前に道があるばかり。見通しが悪いですよね。その先にある景色まで、目が届きません。だから登り切ったとき、急に目の前が開けます。そこで、突如姿を現わしたかのように思えるのです。

この像、阿弥陀如来の妻であり、観音菩薩の母といわれる「白衣観音」を模しています。その高さ24m・顔の大きさ6m・総重量500t!これだけ巨大でありながらも、今まであまり話題に上ることはありませんでした。実は、その歴史は意外と新しいものだったのです。「霊山観音像(りょうぜんかんのん)」と呼ばれており、昭和30年、第二次大戦戦没者の慰霊のため、帝産グループ創設者・石川博資氏によって建立されました。隣接するメモリアルホールには、世界無名戦士の碑があり、日本以外の国のために殉じた戦士を供養しています。この観音様、いわゆる供養塔だったわけですね。

高台寺を目指して階段を上がってきたら、もっと奥の山肌にも目を向けてください。美しい緑に白亜の観音様のお姿。優しい笑みを浮かべてあなたを見つめ、疲れを癒してくれる気がします。東山の風景に本当によく映えますよ。9月には萩約500株が咲き乱れ、萩祭りも行われます。

小インドかと見まがうほどのシンメトリーな建造物。

小インドかと見まがうほどのシンメトリーな建造物。
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中へ入ると、さらにその姿に圧倒されます。もしもあなたがインドへ訪れたことがあるなら、まさに世界遺産・タージマハールを思わせるような美しさ。もちろんその規模には勝てませんが、何とも心癒される空間が広がっています。観音様の前には池が広がり、両側を回廊が取り囲んでいます。

入口ではお線香をもらえますから、それを土香炉にさしましょう。普通とは違い、これまたビッグなお線香!普通の大きさがつまようじ程度の細さだとすれば、こちらはマジックペン並みの大きさなんですね。これもちょっと面白い。そして奥へ進むと観音像の下、本堂内には十一面観音と仏舎利があり、金色絢爛!まばゆいばかりの美しさを放っています。脇には二十八部衆と風神、雷神が。周囲には全国250万の英霊を供養した金のケースも置かれています。

胎内巡りで観音様の中を巡ってみよう!

胎内巡りで観音様の中を巡ってみよう!
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胎内巡りとは観音様のお腹の中に一度戻り、出てきた時には新しく生まれ変わるという意味があります。一歩足を踏み入れてみると、薄暗い場所。そこを胎内と見立てているわけですね。人は生まれた年の干支によって、守護してくれる仏様が決まっています。ここには十二支の守り本尊を安置していますから、自分のご本尊様にお参りしてください。その後、明るい光に導かれるように、表へ出ます。生まれ変わったような気分、大きな期待感を抱いて歩く自分がいるはずです。

パワースポット「願いの玉」ではお願いごとをしなくっちゃ!

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入口でも「こちらでお願いごとをしてください」と、告げられます。観音様の圧倒的な存在感にしばし心を奪われたあと、向かって左に大きな金の玉が。朱塗りの屋根と柱に守られる形で、これまたすごい存在感を放っているのです。これが「願いの玉」と呼ばれ、実はパワースポット!

すべてを生み出し育む天地の気や全宇宙エネルギーを、仏教では「如意宝珠」といいます。その形状は完全無欠の象徴である球形。そしてこの場所は古くから風水的吉地として知られているんですね。大自然の気と妙知力が結集するため、願いごとが叶いやすいとされているのです。平安時代には密教の秘宝である「能作性如意宝珠」が埋蔵された霊場でもありました。

この玉を右手で触れながら時計回りに3周します。その際願いごとを念じるのですが、一緒に真言の「おん あらたんのう まに ばざら たらく」を唱えるとさらに効果アップ。あなたを癒し、また願望成就への力を貸してくれるでしょう。

まだまだ見どころ満載!縁結びだって願えるのです!

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胎内巡りは観音様の後ろ背中部分から入るのですが、そのために正面から観音様の背後に回ると、そこにもいろいろ見どころが。

「仏足跡」…平べったい石版が横たわっているだけに見えるので、最初は仏足跡だとは気付かないかもしれません。でも大きさは約6畳ほどもあり、これまた巨大スケール!全景を写真に収めようと思っても、なかなか収まりきれません。よく見てみると足裏中心部には模様が描かれており、そこには小銭がたくさん。投げ銭もされているようです。

「ふぐ塚」…ふぐは縄文時代や弥生時代から食されてきたとのこと。例年その塚前にて供養祭を行なっています。築地に行くと「活魚塚」「えび塚」などもありますが、それと同じ意味を持つものでしょうね。ここではふぐの冥福をお祈りしてください。

「京料理供養塔」…京料理を支えてきた先人たちの長い伝統を受け継ぎ、また後世にも伝えていくため。料理道を志す人たちのよりどころとし、料理道を極めて旅立たれた方の偉業を讃えるために建立されたそう。

「愛染明王」…縁結び、恋愛成就、家庭円満の仏様。縁結びとして有名ですが、特に新たな出会いを願うあなた、円満な人間関係を望むあなたには、ご利益があると言われています!直江兼続の兜の「愛」はこの「愛染明王」の愛とも言われています。

終わりに

京都観光をしていて、あえてこの「霊山観音を観よう!」と向かう人は少ないはず。でも行ってみると、見ているだけで心癒される観音様の姿。さらに見どころも満載、写経や座禅体験(要予約)もできるのです。パワースポットでもあるこの場所をぜひ、次の京都観光プランに組み込んでみてはいかがでしょうか?

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掲載内容は執筆時点のものです。 2014/11/24 訪問

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