兵庫県最後の秘境!宍粟市三方地区を訪ねる

兵庫県最後の秘境!宍粟市三方地区を訪ねる

更新日:2014/11/25 17:55

兵庫県の奥深くに、時代に取り残されたような小さな集落があります。宍粟市三方地区です。空港はもとより、鉄道も通っておらず、国道は通ってはいますが「酷道」として有名になるくらいの細いものだけ。しかし、周辺が限界集落になっていく中にあって、ここは現在でも戻ってくる若者や、都市から移り住む人々がいるといいます。
今回の記事では、そんな三方地区に隠された、現代人を惹き付けてやまない魅力を探ります。

四季折々、豊かな表情をみせる三方地区

四季折々、豊かな表情をみせる三方地区
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兵庫県宍粟市は平成の大合併で出来上がった比較的新しい町です、「宍粟」の読みは難しく、最近では日本の難読地名として有名になりました(読みは、「しそう」が正解です!)。

その宍粟市の北の端に位置するのが、三方地区です。その名の通り三方を山に囲まれ、その中に細長い平地をもちます。夏になれば、その平地は稲の穂で眩しいくらいの緑に染まります。秋は山間部の紅葉が美しく、冬は集落全体が雪で閉ざされます。ここは兵庫県でも有数の豪雪地帯。中学校には冬に通学が困難な子どものために寄宿舎が併設されています。

揖保川の源流でみた、深い深い霧の海

揖保川の源流でみた、深い深い霧の海
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三方地区で盛んなのは素麺業。ここは手延素麺「揖保乃糸」で有名な揖保川の源流にあたり、美味しい水には事欠きません。
また、素麺づくりに欠かせないのは、寒暖の差が大きい気候。三方地区も例外ではなく、寒い日の朝は雲海がみられる事もあります。地区の端にある高野峠からみる霧の海は、絶景!本当に海に浮かぶ島々を見ているかのようです。

古代から続く人々の営み「家原遺跡」を歩く

古代から続く人々の営み「家原遺跡」を歩く
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三方地区の歴史は古く、縄文時代にまでさかのぼります。集落を見下ろす丘の上にあるのは家原遺跡公園。ここでは、縄文・弥生・古墳・鎌倉時代の各時代の住居が復元されています。近くにある歴史資料館では遺跡からの出土品が展示されており、この地区の古代からの営みに触れることができます。
(本文下MEMOに「宍粟市歴史資料館」へのリンクがあります)

重要文化財の社殿が美しい「御形神社」を訪ねる

重要文化財の社殿が美しい「御形神社」を訪ねる
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三方地区で欠かせないのは、地区の平野を見下ろす丘の上に立つ、御形神社でしょう。杉の木に囲まれた古い社殿は重要文化財に指定されています。社殿が特に美しいのは、西日を受ける夕方。あたりが黄金色に染まるなか、朱色の社殿が一層輝いて見えます。
ここを舞台に行われる秋祭りは三方地区をあげてのお祭り。冬になれば初詣でも賑わいます。
(本文下MEMOに「御形神社」へのリンクがあります)

山間部では珍しい塩泉「一宮温泉まほろばの湯」

山間部では珍しい塩泉「一宮温泉まほろばの湯」
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三方地区の散策に疲れたら、集落の高台にある「一宮温泉まほろばの湯」に行ってみましょう。ここは山間部には珍しい塩分を含む温泉。温泉の中の塩分濃度が体液の浸透圧に等しいため、湯に含まれる有効成分が肌に効果的に浸透します。露天風呂からは、三方地区の山々が一望でき、心身ともに癒されること間違いありません。
(本文下MEMOに「一宮温泉まほろばの湯」へのリンクがあります)

おわりに

いかがでしたでしょうか?

宍粟市三方地区は、アクセスする手段がバスか乗用車に限られるなど、兵庫県の中でも特に交通の便が悪い場所にあります。
しかし、それゆえに、押し寄せる都市化の波にのまれることなく、昔ながらの営みが今でも当たり前のように残っているのです。この地区に訪れて驚くのは、多くの子どもたちが、見知らぬ旅人の自分に次々と挨拶をしてくれるということ。
日本の原風景を探しに、あるいは癒しと安らぎを求めて、一度、宍粟市三方地区を訪れてみませんか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/08/11−2014/11/24 訪問

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