『フランダースの犬』の舞台「アントワープ聖母大聖堂」へ!!これがネロの見たかったルーベンスの絵!!

『フランダースの犬』の舞台「アントワープ聖母大聖堂」へ!!これがネロの見たかったルーベンスの絵!!

更新日:2017/01/24 10:46

ろぼたんのプロフィール写真 ろぼたん 週末の旅人、北国グルメ推進委員会
童話『フランダースの犬』の少年ネロと愛犬パトラッシュ。
本を読んだことがなくても、日本人なら誰もがアニメの最後のシーンで天に召される2人の姿に、胸が詰まるような想いをしたはず。

ベルギーの「アントワープ聖母大聖堂」はネロが憧れたルーベンスの大作を何点も見ることができ、それだけで美術館に行ったかのような気持ちになれます。歴史を刻む建造物が顔をのぞかせるアントワープで童話の世界へ飛び込みましょう!

白く明るい教会内が眩しい!!厳かな大聖堂内部とは

白く明るい教会内が眩しい!!厳かな大聖堂内部とは

写真:ろぼたん

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聖母マリア教会とも呼ばれる尖塔が印象的な「アントワープ聖母大聖堂」。フランドル地方最大のゴシック建築で1351年に着工し、170年もかけ1521年に完成しました。この大聖堂は123メートルの高さを誇る街の顔でもあり、ランドマークです。

明るく高い天井に吸い込まれていきそうな美しい内部は光を取り込む窓や見事なステンドグラスから燦々と日の光が入ってきて、壁や天井の白に反射し輝いて見えます。

白く明るい教会内が眩しい!!厳かな大聖堂内部とは

写真:ろぼたん

まるで天使の通り路のような教会中央を貫く光の路。高い天井、大きなアーチと柱。教会ならではの厳かな雰囲気にしばし身を置いて、じっくり大聖堂内部を鑑賞しましょう。

この大聖堂にあるルーベンスの絵画は、有名な美術館に大切に保管されてあってもおかしくない超大作の絵ばかりの4点。『キリストの降架』(1614)『キリスト昇架』(1610)『キリストの復活』(1612)『マリア被昇天』(1626)。特に物語の印象的なシーンで使われた2つは必見です。

アニメファンならずとも感動!ルーベンスの大作を鑑賞しよう

アニメファンならずとも感動!ルーベンスの大作を鑑賞しよう

写真:ろぼたん

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『フランダースの犬』の最終回。ネロとパトラッシュが力尽きる直前のシーンで、『キリストの降架』の絵画を見上げる場面があり、ネロはこう言いました。
「ああとうとう見たんだ」 「ああマリアさま、僕はもう思い残すことはありません」

そしてネロとパトラッシュはこの絵『キリストの降架』の前で床に横たわり、天使に囲まれて昇天してゆくのです。あぁ、眠っちゃダメ!眠らないでネロ!!
もうその姿を想像するだけで涙が出てくる人もいるかもしれません。

かつて、聖堂内ではルーベンスの『キリストの降架』と『キリスト昇架』の両作品の前に厚いカーテンが覆われており、銀貨を払った人だけに公開が許されていました。ネロが物語の中で「きっとルーベンスは、貧しい人に絵を見せたくないなんて思わなかったはずなのに」と言っていた、ネロがどうしても見たかった絵はこの絵です。

アニメファンならずとも感動!ルーベンスの大作を鑑賞しよう

写真:ろぼたん

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ネロが毎日のように訪れて眺めていた絵が、祭壇奥にある『マリア被昇天』。慈愛に満ちたマリア様の姿に幼きネロが、亡き母の姿を重ねたというこの絵は、天井の丸天井にも。アニメではこの天井の絵から天使たちが降りてきて、ネロとパトラッシュを天に連れていく様子が描かれていました。

ルーベンスだけじゃない!大聖堂は宝石のような美術品や名画の宝庫

ルーベンスだけじゃない!大聖堂は宝石のような美術品や名画の宝庫

写真:ろぼたん

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宗教芸術の傑作を多く所蔵する大聖堂。まるで美術館のような品揃えです。
説教壇やパイプオルガン、マリア像、祭壇・・・。どれもが一見の価値のあるものばかり。

ルーベンスだけじゃない!大聖堂は宝石のような美術品や名画の宝庫

写真:ろぼたん

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教会の左右は中央から採り込まれる光が届かず薄暗いのですが、大きなステンドグラスの色鮮やかさが映え、ゆらゆらと揺れるロウソクの火が神聖な大聖堂の内部を柔らかく灯しています。

中世アントワープの財力と美が集結した大聖堂は、是非1時間はゆっくりと鑑賞に時間をかけたいところ。教会内部にトイレがないので、ゆったり鑑賞をしたい人は事前に周辺のカフェなどでトイレを済ませてから鑑賞することをオススメします。

大聖堂前の広場にはルーベンスの像も。アントワープ大聖堂への行き方

大聖堂前の広場にはルーベンスの像も。アントワープ大聖堂への行き方

写真:ろぼたん

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ルーベンスは17世紀のフランドル・バロックを代表する画家です。当時、外交官としても活躍し、このアントワープに残っている邸宅兼アトリエであるルーベンスの家では2000点を超える作品が生み出されました。

アントワープ大聖堂は中央駅からは歩いて30分、地下鉄に乗って10分で到着します。アントワープはオランダ語圏なので、公用語であるフランス語とオランダ語の表記ばかりですが、中央駅に隣接するメトロ ダイアモンド(Diamant)駅から3つ目グルーンプラッツ(Groenplaats)駅で下車すると大きな広場にでて、そこから大聖堂が見えますので迷わず行くことができますよ。

アントワープ大聖堂、世界遺産のある街を堪能しよう!

アントワープ大聖堂、世界遺産のある街を堪能しよう!

写真:ろぼたん

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現地では負け犬扱いされて人気がないとか、英国人の作家が書いた本なので知られていないとか、作品に登場する人たちが冷たすぎて我々はそんな人間ではない・・・様々なことが言われ、日本ほど好まれても有名でもない本場での『フランダースの犬』。

文化が違うといえばそれまでかもしれませんが、多くの日本人が訪れることで、ネロの像や記念碑が出来たりと文化の架け橋になっていることは事実です。

アントワープ大聖堂、世界遺産のある街を堪能しよう!

写真:ろぼたん

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この大聖堂の近くの広場周辺には、見事な市庁舎や歴史的な建物が立並び、散策にはピッタリです。レトロなバスや馬車も走っていて美しい街並みを楽しむことができます。

1999年に世界遺産に指定された「フランドル地方とワロン地方の鐘楼」のあるアントワープ大聖堂は、高さがあるのでちょっと離れた場所から鑑賞するのがオススメです。

ネロ憧れのルーベンスの絵はここに!『フランダースの犬』の舞台、アントワープ大聖堂

「旅に行く前から旅は始まっている」旅好きの人がよく言う言葉の一つです。初めて見て感動することだってたくさんありますが、事前の予備知識があったほうがより理解が深められて、心の底から納得、感動することが多いもの。
是非、アントワープ大聖堂に行かれる前には、ネロとパトラッシュの物語『フランダースの犬』を復習してから訪問してくださいね!

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/07/08 訪問

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