西郷さんと温泉Vol.10〜川内高城温泉編「竹屋」〜

西郷さんと温泉Vol.10〜川内高城温泉編「竹屋」〜

更新日:2013/11/22 15:43

六三四のプロフィール写真 六三四 温泉ソムリエ師範、温泉フリーライター
とうとう西郷さんと温泉も10回目に突入!
今回は筆者六三四が幼少の頃からお世話になっている川内高城温泉。
農閑期は毎年ばあちゃんと湯治に来ていた思い出の温泉です。

西郷さんゆかりの温泉として知られ、毎年11月には高城温泉郷を舞台にした「西郷どんお狩場マラソン」も開かれ多くの健脚自慢も訪れています。

それではまず川内高城温泉について。

鎌倉時代からあった歴史の古い川内高城温泉

鎌倉時代からあった歴史の古い川内高城温泉

写真:六三四

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川内高城温泉は鹿児島県薩摩川内市中心部から北西に12km。
静かな山間の鄙びた温泉街。
レトロな温泉宿が古い風景を残し情緒ある湯治場として知られています。

川内高城温泉は鎌倉時代編纂の「建久図田帳」(※1)にその名を記され、薩摩藩名所図会の「三国名勝図会」(※2)にも紹介されており旧藩政時代から湯治、保養温泉として利用されてきました。
しかし、発見年代の具体性は乏しく、一説によると約800年前(1200年ごろ)に宣教師により見つけられたと言われ、さらには文和年間(1352〜56年)に川内大小路の住人、大谷某により発見されたとも伝えられています。

※1
建久年間に鎌倉幕府の命令により全国規模で作成された国ごとの土地台帳のことで「大田文」「図田帳」などと呼ばれた。

※2
江戸時代後期に薩摩藩が編纂した薩摩国、大隅国、及び日向国の一部を含む領内の地誌や名所を記した文書。特に、神社や寺院についてはその由緒、建物の配置図や外観の挿絵まで詳細に記載されている。また各地の名所風景を描いた挿絵も多く、当時の薩摩藩領内の様子を知るための貴重な資料となっている。全60巻

西郷さんはいつも浴槽の隅っこに入っていた

西郷さんはいつも浴槽の隅っこに入っていた

写真:六三四

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西郷さんは川内高城温泉で人形岩や白砂青松で知られる西方海岸で釣りをし付近の山々でうさぎ狩りをしたと伝えられています。

現在の双葉旅館「旧五助屋」に宿泊し、隣りの元湯 (共同湯)に入浴されたそうで、いつも浴槽の隅に入り、真ん中でお湯に浸かった事はなかったなど西郷さんらしい逸話が川内高城温泉には多く残っています。

筆者六三四が西郷さんに関する歴史資料を調べた中で川内高城温泉と西郷さんを結びつける記載を見つけられず歴史的な裏付けを取ることが出来ませんでした。

ただ、個人的にはその地に根付いている多くの伝聞や逸話というものは後世に語り続けて欲しいと考えています。

川内高城温泉「竹屋」

川内高城温泉「竹屋」

写真:六三四

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川内高城温泉には1軒のホテルと数軒の湯治宿が軒を連ね、昔と変わらぬ風景をそのまま残しています。

その湯治宿の中で筆者がばあちゃんと毎回利用していたのが「竹屋」。
湯治の宿として現在も川内高城温泉で営業を続けています。

また別の敷地にある竹屋別館はリニューアル工事が行われモダンテイストあふれる宿へと生まれ変わっています。

竹屋別館敷地には川内高城温泉で人気の高い公衆浴場「川内岩風呂」があり宿泊者は何度でも入る事が出来ます。

地元の常連さんとの語らいも旅の思い出の1ページとなる事でしょう。

こだわりの貸切湯も極上泉かけ流し

こだわりの貸切湯も極上泉かけ流し

写真:六三四

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オーナー自ら設計に携わるこだわりの貸切湯(共に露天風呂付き)は館内1階に2室作られており宿泊者は24時間利用することができます。

夏場には浴槽縁と壁面に2つある吐水口(湯口)を壁面側の高い位置にのみ設定し、温泉を滝のように壁に伝わらせ湯を冷ます工夫もされています。

無色透明のアルカリ性単純硫黄泉がかけ流し。
なめらかな肌触りと硫黄の香りに癒されます。

“温泉通”西郷さんゆかりの温泉にふさわしい素晴らしい湯です。

川内高城温泉「竹屋」

川内高城温泉「竹屋」

写真:六三四

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モダンな宿に生まれ変わった「竹屋」。
家具や調度品にもこだわって、少しでもお客様に喜ばれる宿作りに取り組んでいらっしゃいます。オーナーの宿に対する追求心、探究心は尽きることがありません。
きっと近いうちに川内高城温泉一の宿になる事でしょう。

補足情報

【温泉名】川内高城温泉
【施設名】竹屋
【住 所】鹿児島県薩摩川内市湯田町6483
【電 話】0996-28-0015
【泉 質】アルカリ性単純硫黄泉
【適応症】慢性皮膚病,慢性婦人病,きり傷など
【立寄湯】06時〜21時 ¥300
【貸切湯】10時〜16時 平日¥1,500、土日祝日¥1,800〜

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/12/01 訪問

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