岩手のパワースポット!奥州市黒石寺の奇祭「蘇民祭」をトコトン楽しむ!

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岩手のパワースポット!奥州市黒石寺の奇祭「蘇民祭」をトコトン楽しむ!

岩手のパワースポット!奥州市黒石寺の奇祭「蘇民祭」をトコトン楽しむ!

更新日:2015/12/15 11:01

かっぴーのプロフィール写真 かっぴー 歴史家、島嶼文化研究家、日本一周経験者、御朱印収集家

あなたは平成20年に世の中で話題となった、ヒゲ面で胸毛の濃い褌姿の男性が写る迫力のあるポスターを覚えていますか?
岩手県奥州市水沢区にある黒石寺で行われる「蘇民祭」のポスターです。
あのポスターに見て取れるように、黒石寺蘇民祭とは非常に荘厳で勇壮そのものであり、地方の人々の祈りの形が勇ましい祭礼です。
今回は、パワースポット・黒石寺で執り行われる蘇民祭を徹底的にガイドいたします!

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パワースポット・黒石寺と蘇民祭の概要

パワースポット・黒石寺と蘇民祭の概要

写真:かっぴー

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蘇民祭とは、毎年旧暦1月7日の晩から8日の早朝にかけて、雪の降りしきる中行われる勇ましい祭であり、東北を中心に分布する蘇民将来信仰を代表する祭事行事です。
中でも岩手県の蘇民祭が最も有名であり、現在、岩手県内では10カ所の寺社で蘇民祭を執り行われています 。
この岩手県の蘇民祭の中において、最も有名で来歴が古いと言われるのが、「黒石寺蘇民祭」です。

黒石寺は、岩手県奥羽市水沢にある天台宗の寺院。寺伝によると、行基が天平元年(729)に薬師如来像を造り、東光山薬師寺を建立したが、延暦年間(782〜806)に戦火にあい薬師寺が焼失。その後、嘉祥2年(849)に円仁が復興して妙見山黒石寺と名を改めたという事です。

貞観4年(862)12月の胎内銘をもつ黒石寺本尊の「薬師如来座像」を蔵することや、永承2年(1047)の墨書が膝裏にある「伝慈覚大師坐像」、「四天王像」(この3つは重要文化財に指定)の他に、岩手県指定文化財である「日光菩薩」、「十二神将像」等 を蔵す事から、来歴は古代まで遡ると考えられています。

中でも、本尊の薬師如来は厄除けの利益があるとされ、岩手県でも有名なパワースポットになっています。

現在行われる黒石寺蘇民祭は、旧大晦日から肉、魚、卵、ニラ、ニンニク、ネギ、ラッキョウ等を一切口にしない事をはじめとして、様々な禁忌事項を伴う御精進から始まり、蘇民祭当日の祭りの内容も大きく分けると5つの行事内容があります。
順に 1.裸参り 2.柴燈木登り 3.別当登り 4.鬼子登り 5.蘇民袋争奪戦です。

※写真は裸参りを行うため角燈を持ち、川へ向かう褌姿の男たち

黒石寺蘇民祭当日の祭り内容

日程:毎年旧暦1月7日夜10時〜1月8日早朝まで。
祭り内容は以下の5つです。

【1、裸参り】
午後10時ごろから行われる蘇民祭の最初の行事で、褌を締めた男たちが、それぞれ1年の願いを記した角燈を手に持ち、瑠璃壺川へ向かう。ここで各自水垢離をし、「ジャッソウ、ジャッソウ…」、「ジョヤサ、ジョヤサ…」 の掛け声で薬師堂を一巡りして、参拝し、次に堂裏の高台にある妙見社に移り、五穀豊穣、災厄消除を祈る。これを3回繰り返す。かつては、本堂で拝んでいる和尚に向かって悪態をつく風習があったと言われる。

【2、柴燈木登り】
午後11時30分ごろから行われる行事で、本堂前の火焚き場において、交互に組み上げた柴燈木(生松)の下から火をつけ、祭りの参加者たちが、火のついた柴燈木の上に登り、立ちこめる火と煙のなか「ジャッソウ、ジャッソウ…」という掛け声や、山内節 を歌い炎の中で災厄と穢れを祓う。しばらくすると柴燈木を引っ張り出して力いっぱい地面に叩きつける。

【3、別当登り】
午前2時から行われる行事で、「ユーユー…」と唱える祓人たちに続き、別当(住職)と蘇民袋を持った総代が守護役に守られて、法螺貝、太鼓などを従えて薬師堂へ進み、護摩を焚いて災厄と五穀豊穣を祈願し、鬼子の到着を待つ。

【4、鬼子登り】
午前4時から行われる行事で、別当が拝殿の参拝者に十二神将のシンコ餅と曼荼羅米をまく。その後、7歳になる男の子2人に麻衣を着せ、その上より鬼の面を逆さまに付けた物を背負い、手に斧と才槌を持つ鬼子が、内子(鬼子を背負う人)に背負われ、薬師堂に登る。そして、本堂内で松明を焚き、鬼子が拝殿内に設置された護摩台を右回りに3周して本堂の内側へ入る。

【5、蘇民袋争奪戦】
午前5時から行われる黒石寺蘇民祭のメインイベントである。本堂内で蘇民袋の争奪を待つ男たちが「ジャッソウ、ジャッソウ…」「ジョヤサ、ジョヤサ…」と掛け声をあげ、1時間以上もみ合う中に、蘇民将来符の入った蘇民袋が投入される。其の蘇民袋の上に、全裸になった親方1人が飛び乗り、加えた小刀で蘇民袋を裂く。初めは皆蘇民袋の中の蘇民将来符を奪い合われるが、蘇民将来符が次第に取られ尽くされると、本堂の外になだれ出て、蘇民袋の口の部分の奪い合いになる。蘇民袋を奪い合う人々は境内の外へ、道の外へと出て、最終的には田圃の土手からなだれ落ちる。そして、親方衆より審判が下され、蘇民袋の口を押えていた取主が決定される。

※写真は裸参りで瑠璃壺川へ飛び込み氷点下の中水垢離をする男たち

黒石寺蘇民祭当日の祭り内容

写真:かっぴー

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蘇民将来信仰

黒石寺蘇民祭は「蘇民将来信仰」というものが元になっています。
蘇民将来とは一体何なのでしょうか。

蘇民将来について書かれている文献で最も古いものは、13世紀後半に卜部兼方によって編纂された『釈日本紀』に収録される『備後国風土記』逸文の記事です。
その要旨は以下の通り。

昔、北海にいた武塔神が、妻乞いの旅で南海に行く途中に、日が暮れてしまい宿を求めていた。そこに2人の兄弟がいた。裕福な弟将来と、貧しい兄の蘇民将来である。弟将来は、武塔神の宿乞いを拒んだが、兄の蘇民将来は、武塔神に一夜の宿を提供し、貧しいながらも粟などでもてなした。そして武塔神は蘇民将来の家を後にし、再び妻乞いの旅に出かけた。

数年後、妻乞いを終え、8人の王子を引き連れ、再びこの地を通りかかった武塔神は、蘇民将来に「宿を提供してもらったお礼をしたい。」と言った。そして、武塔神は、蘇民将来とその娘らの腰に茅の輪をつける事を命じた。
その夜、弟将来たちは、宿を貸さなかったと言う理由で、武塔神に皆殺しにされてしまった。武塔神は「吾は速須佐雄能の神なり。後の世に疫気があらば、汝、蘇民将来の子孫と云いて、茅の輪を以ちて腰に付けたる人免れなむ。」といって立ち去った。

この昔話が、武塔神・速須佐雄能・牛頭天王・薬師如来を同一神仏とする信仰として全国に展開して行きます。
内容を簡単に言うと“蘇民将来=疫病除け”という信仰です。
この信仰を蘇民将来信仰と呼び、黒石寺蘇民祭はこの信仰が由来で行われているのです。

※写真は柴燈木登りで積み上げ、火をつけた木の上で踊る男たち

蘇民将来信仰

写真:かっぴー

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知っていると嬉しい黒石寺蘇民祭グルメ

蘇民祭を見に行くときやはり気になるのがごはん。
実はこの黒石寺、蘇民祭当日には蘇民祭グルメと言っても良いものがいくつかあります。
ここでは2つ紹介いたします。

【境内の中の出店で買える「蘇民祭タコ焼き」】
蘇民祭タコ焼きとは、蘇民祭の期間中食べてはいけない肉、魚、卵、ニラ、ニンニク、ネギ、ラッキョウ等を一切使わないタコ焼きです!
つまりわかりやすく言うと、タコと卵とネギが使われていないタコ焼き。
もっとわかりやすく言うと、小麦粉を水で溶いてタコ焼き機で焼いた物体です。
蘇民祭の御精進の辛さを身に持って体験できます。

【1000円払えば、時間無制限で食べ放題で飲み放題!休憩小屋!】
蘇民祭の行われる時間、休憩小屋が正面参道階段の前にあります。
この休憩小屋、なんと1000円払えばフリーパスになる「蘇民将来」と記された木札がもらえ、蘇民祭の最中は休憩小屋の中での食事とお酒が飲み放題で食べ放題になります!
中で食べれるものはうどんやおでん等、お酒は日本酒。無くなったら終了ですが、寒い中、炭火を囲いながら肩を寄せ合い食べる暖かい料理は格別です。
もちろん蘇民祭の期間中食べてはいけない肉、魚、卵、ニラ、ニンニク、ネギ、ラッキョウ等を一切使わない料理を食べ放題というわけなので、ここでも蘇民祭の御精進の辛さを身に持って体験できます。

※写真は鬼子登りで本堂内を松明を持って走り回る鬼子を見つめる男たち

知っていると嬉しい黒石寺蘇民祭グルメ

写真:かっぴー

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実は男性ならだれでも参加することが可能! 見に行くだけではなくて蘇民祭に参加してみよう!

実はこの蘇民祭、男性であればだれでも参加は可能です。
その中でも蘇民袋争奪戦に参加するには参加登録が必ず必要です。
午前0時から祭り案内所にて参加者の登録が始まります。必ず登録しましょう。
蘇民袋争奪戦以外は登録なしでも参加することは可能ですが、必ず下帯(褌)と足袋を各自で準備し着用しましょう。

ここでワンポイントアドバイスですが、もちろん褌を締めないと逮捕されますが、足袋に関してはできれば2枚持っていった方が良いです。
理由は裸参りで川で水垢離をした後、濡れた足袋を履いたままにしておくと…足の裏が凍るからです。
その凍った足の裏に砂利がくっついて歩くたびにとんでもない激痛が走りますので、参加する方はぜひ足袋を2枚ご用意ください!

あなたも蘇民祭に参加して、雪降りしきる極寒の中、凍った川での水垢離や燃盛る組木の上で裸で火あぶりにされる貴重な体験をし、1年間病気にかからない健康な体でいることを祈りパワーをもらいましょう♪

※写真は蘇民袋争奪戦でもみくちゃになる男たち

実は男性ならだれでも参加することが可能! 見に行くだけではなくて蘇民祭に参加してみよう!

写真:かっぴー

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おわりに

いかがでしたか?
黒石寺蘇民祭について熱く語らせていただきました。
あなたもぜひ、この東北の勇壮な祭りを見に行き、そしてなるべくの事なら参加してみてください!
厄除けの“パワー”スポットである黒石寺で、男たちの力強い“パワー”を感じるお祭りです!
黒石寺蘇民祭のパワーをもらうと人生観が変わりますよ(笑)。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/02/16−2013/02/17 訪問

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