昌徳宮は1405年に、李氏朝鮮王の第3世である太宗(テジョン)によって建てられた離宮である。一度戦火により焼失したものの、1615年に第15世・光海君(クァンヘグン)が王宮として再建し、以後約270年の長きにわたり正宮としての役目を果たしてきたという。
ソウルには、四大古宮として他に景福宮(キョンボックン)・昌慶宮(チャンギョングン)・徳寿宮(トクスグン)という李氏朝鮮の王宮があるが、そのなかでも昌徳宮は1997年にユネスコ世界文化遺産にも登録されるほど保存状態も良く、自然との調和に優れ、希少な資料も多数存在しているのである。
写真は「敦化門(トンファムン)」。1412年に建てられ、1609年に再建された、ソウルに現存する木造の二層門としては最古のものである。その建築技術の高さと色彩の素晴らしさを堪能していただきたい。
これは昌徳宮の正殿「仁政殿(インジョンジョン)」。即位式・外国使節の接見・臣下の朝礼式など、国の重要な行事が行われたところである。
この建物の手前にある「仁政門(インジョンムン)」ごしに眺めると、その威圧感が増すよう効果的に建てられていることが良く分かる。
門や建物の屋根の上にも注目して頂きたい。張り出した四隅の部分をご覧いただくと。何かが行列をなすように並べてあるのが目に入るはず。
これらはなんと、西遊記に出てくる三蔵法師や孫悟空などの登場人物たちなのである。仏法に深く帰依していた李朝の王たちが、国と王宮の平安を願い、守護神として祀ったものだ。
どれが誰なのか探してみると面白い。しかし中には?なものも。
ここが昌徳宮の中心ともいえる仁政殿の中にある玉座の間。
もちろんゴージャスではあるのだが、座った人物が立派に見える様に効果的に作られているのだという。もちろん今は、めったなことで誰かが座ることはできないので、効果のほどはドラマや映画で確かめるしかないが、せめて目に焼き付けて当時に思いをはせよう。
こちらは「大造殿(デジョジョン)」と名づけられた、王と王妃の寝殿であり、その家族が暮らしていた中宮殿でもある。
一応プライベートゾーンということになるわけだが、彼らにとって私的生活は、あって無いようなもの。中心にあるのは、このお目見えの座。王様稼業もなかなか楽ではなかったようだ。
しかし、こちらは螺細細工がほどこされた高級な作りであるが、正殿の玉座とは違い、多少くつろいだ雰囲気になっている。
以前はできなかった個人の自由見学も今は可能になり、時間の制限が少なくなって、訪れやすくなったとはいうものの、やはり見どころをもらさず教えてくれるガイドつきがおすすめ。
もうひとつ、ここの必見ポイントは「秘苑(ピウォン)」。もとは後苑(フウォン)というこの庭は、まさに王家のプライベートゾーン。こちらは、正殿の方とは入場料も別で、ガイドツアーのみとなっている。
宮殿はその国そのものを表現する精神的なシンボルでもある。大自然と一体となるという思想のもと、庭や建造物は、大宇宙の気を取り入れるべく場所を選び、造られたものだから、ここに充満するパワーは並ではないはず!
ぜひ訪れて、ご自分で体験していただきたい。
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(2024/4/26更新)
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