豊かな水と森林に囲まれたパワースポット!栃木市「満願寺」

豊かな水と森林に囲まれたパワースポット!栃木市「満願寺」

更新日:2014/11/15 12:13

栃木県栃木市の西北端ある出流町(いずるまち)は人口130人、世帯数49世帯の小さな町。出流川の源流部の自然林や杉木林に覆われた渓間に坂東33ヶ所零場第17番札所の出流山千手院満願寺があります。天平神護元年(765年)日光山繁栄の源を作られた勝道上人によって開山された満願寺の奥之院には鍾乳石によって自然にできた十一面観音像があり、自然の神秘と大きなパワーを感じることができます。

開口阿形(あぎょう)と閉口吽形(うんぎょう)が迎えてくれる仁王門

開口阿形(あぎょう)と閉口吽形(うんぎょう)が迎えてくれる仁王門
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満願寺の表参道を歩いていくと朱色がすっかり抜けた仁王門が迎えてくれます。この門は、徳川時代・享保20年(1735年)の建立で、寺院を守る1対の仁王尊像は足利時代の作と言われています。以前は茅葺き屋根でしたが、昭和初年に金属板に葺き替え、さらに平成2年に解体復元工事を施されています。

右側の開口阿形(あぎょう)、左側の閉口吽形(うんぎょう)とも仁王門で風雨が遮られていたせいか朱色が鮮やかに残っていて表情もはっきりとしています。開口阿形は左手に杭のようなものを持ち、閉口吽形は右手をかざし神院内に仏敵が入るのを防いでいます。

仁王門の左側には湧水が流れ、包むように茂る森林に満願寺への神秘を感じさせてくれます。

弘法大師ご敬刻の千手観世音菩薩がご本尊・本堂(御本堂)

弘法大師ご敬刻の千手観世音菩薩がご本尊・本堂(御本堂)
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本堂(大御堂)は、後小松天皇の応安元年(1368年)に足利義満公の寄進によって、観音堂として建立されましたが大火により焼失してしまいました。現在の大御堂は中興第十七世道呆(どうごう)和尚が営々辛苦の末に明和元年(1764年)8月に再建したもので、筑波山の大御堂(現在の筑波神社本殿)、奈良の輿福寺大御堂と共に日本三御堂の1つと称せられています。

元治元年(1864)3月、本堂と書院を焼失したために、現在は大御堂をもって本堂としている。焼失した本堂は大日如来を本尊としていたと伝えられています。現本堂の大御堂は、坂東第十七番札所で、弘法大師ご敬刻の千手観世音菩薩がご本尊として安置されています。

ご本尊は古来よりお厨子の扉が閉ざされていますが、平成26年は甲午歳にあたり12年に1度の大開帳に当たります。この期間、ご本尊とお手綱(五色の紐)が大御堂前の回向柱まで綱に沿わされています。この柱に触れることによって菩薩様と最大の御縁を結ぶことができます。

鍾乳洞から湧き出る湧水が直接流れ落ちる・大悲の滝

鍾乳洞から湧き出る湧水が直接流れ落ちる・大悲の滝
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本堂(大御堂)の右側から奥之院の入り口があります。受付で、奥之院までの整備のための入山料を払い大悲の滝、奥之院への山道に入ります。左に見えた出流川が右へと変わり、如蓮堂、女人堂を経て約15分の山道を歩き大悲の滝に至ります。大悲の滝は、大動明王など3体の仏様に見守られて高さ約8メートルの高さから鍾乳洞の中の湧き水が直接落ちています。

ここでは僧侶の修行だけては無く、一般の希望者も滝行ができるようです。大悲の滝の左側には、断崖絶壁に建てられた奥之院が見えます。深い森林と出流川源流に抱かれた奥之院には大きな自然の力を感じます。ここではぜひ、大きく深呼吸をして大自然のパワーを体に感じてください。そうして、この後に、自然の驚異を目にすることになります。

自然が作り上げた十一面観音像への畏敬!!奥之院千手観音

自然が作り上げた十一面観音像への畏敬!!奥之院千手観音
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大悲の滝から約100段ある石段を上ると奥之院拝殿に入ります。この拝殿が鍾乳洞の入口になっており、中に鍾乳石で自然に出来た十一面世音菩薩の後ろ姿のご尊像が拝されています。

拝殿内は壁と天井が朱色に塗られ正面に右から、大黒天、観音像、開山した勝道上人が祀られています。観音様に向かって歩いていくと右側に鍾乳洞の入り口があり、ライトアップされた中に、八葉の伏せ蓮華の上に後姿の十一面観音様が姿を現します。鍾乳洞の中に入って近寄ってみると、蓮華の左右には小さな大黒天と勝道上人が並んでいます。

大悲の滝はこの鍾乳洞から湧き出る湧水が直接流れ落ちているそうです。自然が作り上げた十一面観音像への畏敬と無限のパワーを体全体で感じてください。

地元産のそばといずるの名水でいただく!名物出流そば

地元産のそばといずるの名水でいただく!名物出流そば
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出流山満願寺の参道には、約10店舗の出流そばのお店があります。もともとは満願寺への参拝者や猟師がメインのそば店でありましたが美味しいと評判になり、現在では満願寺へのお参りと出流そばを目当てにマイカーや観光バスの団体などが訪れるようになりました。

地元産の玄そばを自家製粉、本枯れ節と利尻昆布の汁でいただく、「いしやま」のおすすめは、二八そばと十割そば。いずるの名水といわれる満願寺の滝から流れ出る湧水で食べる「水そば」がおすすめの「いずるや」など、それぞれ特色のあるそば店が並んでいます。

今回紹介するのは、出流のそば店で穴場的な存在の「そば処やまぶき」です。やまぶきは出流ふれあいの森内にある山小屋風の店づくり。メニューには、そば一升、そば五合、もりそば、天ぷらそばと並んでいます。写真は、二八そばのもりそばと味噌おでんです。おそばは表面が滑らかで、口当たりが良く、程よい腰があり、食べ出したら止まらなくなります。大きなこんにゃくにたっぷりとかけられた甘いお味噌でいただく味噌おでんも弾力ある歯触りとこんにゃく本来の味があります。

「地元産のそば」と「いずるの名水」とくれば、その味は不味いはずがありません。おそば以外にも、そばがきや鴨汁、まいたけや野菜の天ぷらもおすすめです。ぜひ、出流の深い森と豊かな湧水、澄んだ空気の中で食らいつきましょう。

奥之院への参拝は必須です!舞茸の天ぷらは絶品!!

出流山満願寺へはJR両毛線又は東武日光線の栃木駅から、栃木市生活バスで終点の出流観音から徒歩5分、上下線とも午前2本、午後3本の本数となっています。また、車の場合、東北自動車、栃木ICから約30分、北関東自動車道 佐野田沼ICから約40分です。

うっそうとした森林に囲まれた信仰の名刹、出流山満願寺や、豊かな自然の中に広がる出流ふれあいの森、名物の「出流そば」と紹介してきましたが、出流を知る人は決して多くはいません。

鍾乳洞から湧き出る湧水が直接落ちる大非の滝、自然が作り上げた十一面観音、そして、美味しいと評判になり目当てになった出流そばと、見どころ食べ処がたくさんあります。そんな出流に今度の週末に出かけてみませんか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/11/03 訪問

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