コースの始まりは、京都東山ではずせない紅葉のスポット、東福寺です。素晴らしいのは、真っ赤に染まった紅葉を上から眺められること。東福寺には「東福寺三名橋」と呼ばれる3本の橋が架かっています。三門を入る前に北から南へ渡る「臥雲橋」、三門を入ってから南から北へ向かって渡る「通天橋」、少し離れた東に架かる「偃月橋(えんげつきょう)」です。メインは写真の通天橋で、混雑するシーズンまっ只中の時期は人の波が続き、なかなか前に進めません。息を飲むという言葉がふさわしい通天橋からの眺め。左右に目をやりながら、紅葉の色の微妙な違いを楽しめます。ちなみにこの橋は、僧が谷を渡る苦労を減らすために造られたそうです。木製で屋根があり、雨の日でも紅葉を楽しめます。
穴場は偃月橋(えんげつきょう)。通天橋が架かる中心の仏殿中心から少し離れているので混み具合が少しまし・・です。実は日本百名橋にも選ばれている風情ある橋でもあります。
東福寺は1236年に建てられ、当時権勢をふるっていた奈良の興福寺に対抗し、東にあることから東福寺と名付けられました。美しいトウカエデを植えたのは開祖である円爾弁円(えんにべんえん)です。中国の宋から持ち帰った楓が800年の歳月を経て豊かな紅葉の海に育ちました。
通天橋を下りたら、洗玉澗を歩きながら紅葉観賞を。よく見ると、葉先が三つに分かれた通天紅葉が見つかります。ちょっと珍しいですよね。東福寺では、この時期の紅葉観賞を「看楓特別拝観」と呼んでいます。期間は11月1日〜12月7日まで。とにかく、圧巻です!
東福寺を出たら、看板に沿って泉涌寺方面へ。細い路地を入ると、あちこちに露店が並びます。約50軒の窯元が開く大陶器市で、「東福寺〜泉涌寺窯元もみじまつり」と呼ばれます。いつもの5〜7割お安い価格で陶器が手に入るのが魅力。買わなくても、いろいろな作風を見て歩くだけでも楽しいです。陶芸体験もしているようなので、興味のある方は関連サイトでチェックを。私はもともと、色鮮やかな清水焼が少し苦手でした。でも、その前身である京焼というものを、この市でいろいろ見て、とてもシンプルな柄やおとなしい色遣いの陶器があることを知りました。この市では新しい作家さんの作品にも出会えます。焼物好きにはおすすめのイベントです。アドレスとしては泉涌寺東林町20辺り。
窯元の市が終わるころ、自然に御寺泉涌寺の総門にたどり着きます。とにかく、境内が広い!東山の一つ月輪山の裾野に広がる広大な敷地の中にたくさんの建物が点在しています。あちこちで紅葉が見られ、9つの伽藍を巡る紅葉スタンプラリーも開催中です。見逃せないのは、美しい楊貴妃観音が祀られている観音堂、夫婦紅葉の戒光堂、市街も眺められる悲田院、「悟りの窓」がある雲龍院、そして、写真でご紹介する今熊野観音寺です。今熊野観音の本尊は弘法大師の作といわれる十一面観音が祀られています。これだけに留まらず、見所の多いお寺です。
今熊野観音のシンボルは、足元に童がまとわりつく子護大師(こまもりたいし)の像。やさしい表情を持つ像を囲むように紅葉が彩り、境内のあちこちで微妙に色の違う紅葉が楽しめます。色の変化に富むことから五色紅葉の名が。茶店もありますので、ゆっくりご鑑賞を。小さいながらとても賑わっているお寺です。その理由は「四国八十八ヵ所お砂踏法要」が行われること、ぼけ封じに効くといわれるから「五智水(ごちすい)」と呼ばれる、健康によいお水も湧き出ています。
紅葉と焼物を巡るコース、いかがでしょうか?もしも、気力と体力があれば、清水寺がすぐそこに。締めは舞台で眺める紅葉のライトアップという楽しみ方も。東山の紅葉巡りには終わりがありません。紅葉の時期をたっぷり満喫してくださいね。
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