ベルギーとフランスの国境旧公国シメイの「グラン・プラス」

ベルギーとフランスの国境旧公国シメイの「グラン・プラス」

更新日:2014/11/14 17:03

「グラン・プラス」と言うと、ブリュッセルの世界遺産でもある「グラン・プラス」が有名ですが、直訳すると広場の意味になり、1815年までフランス領であったベルギー南東部の仏語圏のワロンでは、各市町村に「グラン・プラス」と呼ばれる広場が存在します。

旧公国であったシメイの町の「グラン・プラス」は、とても可愛らしい印象です。ブルーストーンのパヴェ(石畳)が美しい、中世の雰囲気を残す広場です。

トラピストビール片手にシメイ市民が憩う「グラン・プラス」

トラピストビール片手にシメイ市民が憩う「グラン・プラス」
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元々「グラン・プラス」は中世の共同体における軍事的意味を兼ねた公共広場でした。今では周辺にレストランが立ち並び、天気の良い週末やバケーションの時期には、市民がビールを片手に気晴らしを兼ね、のんびりと休日を過ごす憩いの場です。時には野外コンサートやイベント会場にも活用され、大勢の人達で賑わいます。

シメイ城への凱旋を祝った、中世の「凱旋門」

シメイ城への凱旋を祝った、中世の「凱旋門」
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シメイの「グラン・プラス」からシメイ城につながる位置にあるのが、中世から伝わる「凱旋門」です。現在は一部しか残っていませんが、1630年の記録では、三列の凱旋門であったという記禄が残っています。

グラン・プラスの中央にある「プリンス達の泉」

グラン・プラスの中央にある「プリンス達の泉」
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この地域における中世のコミュニティでは、必ず城と教会が一対となって、村また町の中心をなしています。旧公国シメイの「グラン・プラス」は、実質山城である「シメイ城」と対を成す「聖ピエールと聖ポール・コレジアル教会」との間にあります。

ここには18世紀からの給水場がありましたが、1852年、ジョセフ1世によってネオ・ゴシック様式のモニュメントが設置されました。この地方特産で格式を誇る総ブルーストーン造りで、四面にはシメイにまつわる4人のプリンスが彫刻されています。

シメイ城と対を成す「聖ピエールと聖ポール・コレジアル教会」

シメイ城と対を成す「聖ピエールと聖ポール・コレジアル教会」
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「聖ピエールと聖ポール・コレジアル教会」は13世紀に建てられた教会で、現在の塔の部分には1732年の年号が記されています。

内部も天井以外は総ブルーストーン造りで、訪れる人に格式の高さを示しています。木彫の祭壇との対比が大変美しい教会で、金の縁取りが施された本物の巨大貝で造られた聖水杯も見ものです。

教会の鐘であるカリヨンは、全体のうち26個が17世紀に鋳造されたもので、小さな鍵盤を持つ本物のピアノで演奏されています。

聖域への立ち入りが許されるのは、シメイ城主一族のみ。

聖域への立ち入りが許されるのは、シメイ城主一族のみ。
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「聖ピエールと聖ポール・コレジアル教会」内部には、シメイ城主一族のみが礼拝を許されている聖域があります。

内部には公家の紋章や、代々の記録が収められているとのことです。立ち入りはできませんが、ここから内部の雰囲気を確かめることができます。

シメイ観光の出発地点

シメイの「グラン・プラス」はシメイの中心をなす「シメイ城」と「聖ピエールと聖ポール・コレジアル教会」に直結するほか、周囲を散歩すれば、市民の生活の息吹が感じられる住宅街や、町の歴史が感じられる城の裏手へ回る中世の細い路地へも続いており、シメイ観光には欠かせない出発地点です。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2014/11/08 訪問

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