江戸・日本橋と京・三条大橋の間を結ぶ「東海道」には五十三次の宿場があります。同じく、江戸・日本橋と京・三条大橋の間を結ぶ「中山道」には、六十九次の宿場があります。妻籠宿は、中山道の四十二次目の宿場です。歌川広重によって、『東海道五十三次』と同様にやはり『木曽街道六十九次』として浮世絵が描かれています。この妻籠宿は町並みではなくて、旅人が峠道を歩く姿で描かれています。
妻籠宿の町並みをのんびり散歩すると、まるで江戸時代にタイムスリップしたような感じを受けます。妻籠宿はJR中央線の南木曽駅からバスで10分ほどの場所。帰路は少し上り下りがありますが、妻籠城跡を経由して南木曽までハイキングしてみるのも、天気の良いときはおすすめです。
「木曽街道」の名の通り、木曽川に沿って峠を越え、谷を抜ける道沿いに木曽十一宿(贅川宿、奈良井宿、藪原宿、宮ノ越宿、福島宿、上松宿、須原宿、野尻宿、三留野宿、妻籠宿、馬籠宿)と名付けられた宿場が続いています。
それぞれ当時の面影を残した街並みが楽しめます。うまくいくと、ここ妻籠では上の写真のような郵便配達人の方にお会いできるかも知れません。
国重要文化財に指定されている「脇本陣奥谷(わきほんじん おくや)」は、代々脇本陣・問屋を勤めた家で、現在の建物は明治10年にそれまで禁制であった桧をふんだんに使い建てられました。島崎藤村の初恋の人「おゆふ」さんの嫁ぎ先でもあり、旧家の堂々たる造りを見ることができます。現在は脇本陣奥谷に加え、江戸時代後期の間取図をもとに復元された本陣、資料館の3館によって構成される博物館として公開されています。
脇本陣奥谷はあるのは、中山道沿いに立ち並ぶ妻籠宿の町並みのちょうど中ほど。ここで、神秘的な囲炉裏の光を見ることができます。
太陽の高さの関係で、囲炉裏の部屋の奥まで光が差し込むのは、良く晴れた真冬(1月から2月まで)の昼の11時頃から13時頃まで。その時期、その時間、この場所での限定的な風景です。
この光を求めて何日も滞在する方もいるほど。ちょうどこの時間帯にここに着くと、係の方が囲炉裏の火を熾して、煙が室内に立ち上るようにしてくれる光景も見られます。この煙がないと囲炉裏の光が際立ちません。
思わず見とれてしまうこの光は、囲炉裏を囲む土間の座る位置によっていろいろと印象が変わります。斜めから見る光と囲炉裏の火の取り合わせも、神秘的な印象を受けます。
真冬にしか見られない神秘的な光景、ぜひ実際に体験してみてください。
また、妻籠宿に来たら、旧街道峠越えのルートで馬篭宿までの全長9Kmのハイキングコースをゆっくり3時間かけて歩いてみるのも良いでしょう。妻籠〜馬籠峠はゆるやかな長い上り坂、馬籠峠〜馬籠は急な短い下り坂になります。
観光案内所で、妻籠⇔馬籠ハイキング券を受け取って、ハイキング終着の観光案内所で引換に、桧(ヒノキ)で作られた完歩証明書がもらえます(200円)。妻籠・馬篭と2つの有名な宿場町巡りで、江戸時代にタイムスリップしてみませんか。
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