上海でも一番古くからある繁華街”南京東路”。租界時代の建物と近代建築が混在し、デパートや古くから続く老舗などが多く、ショッピング・スポットとして大勢の人で賑わっています。そんな熱気あふれる南京東路の裏通り、庶民的な飲食店や足ツボマッサージ店などが並ぶ”天津路”に、自宅を改良した小さなレストラン「新光酒家」(シングアン ジウジア)はあります。
秋から年末にかけてのシーズンには、1日約3000杯もの上海蟹を剥くという「新光酒家」は、通りすぎてしまうほど庶民的な店構えなのに、味と値段は上海でも最高級!
というのも、上質な上海蟹が育つことで有名な、蘇州近郊の陽澄湖(ヨウチョウコ)に、「新光酒家」専用の養殖場を作り、丁寧に育てられた最上級の蟹だけを提供しているからなのです。
観光客が少ない裏通りにあるにも関わらず、その上海蟹本来の味に魅了された、香港映画スターや上海セレブたちがお忍びで訪れるという評判の、美食家たちに認められた名店です!
晩秋がシーズンといわれる上海蟹ですが、実はメスとオスとで、美味しいシーズンが異なり、1月頃までそれぞれの味覚を味わえます。
10月から11月下旬までは、蟹味噌と卵をバランスよく蓄えたメスの上海蟹が美味しい季節です!写真は「新光酒家」自慢の姿蒸しを半分に割ったところですが、真ん中には蟹味噌、甲羅近くには卵が、ぎっしりと鮮やかに詰まっています!
11月下旬頃になると、卵が多くなり蟹味噌が少なくなってしまうそうですが、代わって旬を迎えるのがオスの上海蟹です。
産卵を迎えるメスに対して、冬眠前のオスは栄養をとって蟹味噌や白子をたっぷり抱えるようになり、12月から翌年の1月頃まで美味しく食べられるようになるのです。
繊細な蟹の身を味わうならオスのシーズン、濃厚な卵を味わうならメスのシーズンに、それぞれ訪れるのがお薦めです!
上海蟹の単品メニューも多く揃う「新光酒家」ですが、大人数ではなく2人などの少人数で訪れるようでしたら、色々なアレンジが楽しめるコース料理がお薦めです!
どのコースでも1品目に出てくるのが、写真の蟹爪の蒸し物です。日本で上海蟹を食べると、蟹味噌をメインにした料理が多いのですが、蟹の爪の部分にもぎっしりと身が詰まっています。良く動かす部分でもある爪は、引き締まった上品な味わいで、こんな美味しい部位だったの!?と驚くほど。
しかも、爪の身を綺麗に形を出来るだけ残したまま取り出し、調理してから出してくれるので、自分で爪を割るような面倒なことをしなくてもいいのです!他のメニューも基本的に、全て身をほぐした状態で提供してくれますから、手や洋服が汚れることもなく、取り残しで悔しい思いもせずにすむのが嬉しい魅力でもあります。
コースには入っていませんが、ぜひ単品で味わっていただきたいのが、写真の「酔っ払い蟹」です!
「酔っ払い蟹(秘制酔蟹)」とは、紹興酒ベースの店主こだわりのソースに、活きたままの上海蟹を漬け込んだもので、これが想像を超えたトロリとした甘さで絶品なのです。
口の中に入れた途端、紹興酒の香りが広がり、オレンジ色の部分が蟹味噌なのですが、その濃厚な味わいに感動すること間違いなしです!
ぜひ、恥ずかしがらずにチュウチュウと音をたてて、豪快に味わっていただきたい逸品です。
はじめに少しご紹介しましたが、オーナーは専用の養殖所を陽澄湖に造ってしまうほど、上海蟹の知識を持ち、そのこだわりから「蟹マニア」とまで呼ばれる有名な美食家です。
この「上海蟹」という呼び方は日本特有のもので、中国では「大閘蟹」と言い、陽澄湖産のものが最高級とされています。そこに造った養殖所で育つ蟹は、できるだけ自然を活かした環境の中、海老や小魚だけを食べさせて育てる、贅沢な育て方をしているそう!
庶民的な価格で上海蟹を食べられる店に比べて、若干高めのメニューですが、育てる所からこだわった「新光酒家」で、旬の蟹本来の味を、楽しんでみてはいかがでしょうか。
上海の秋〜冬の味覚と言えば、上海蟹! 上海蟹専門店はいくつもあり、お値段も味もさまざまです。ご紹介しました”新光酒家”の上海蟹コースは、400元〜用意されています(2014年10月再訪時・時期によって変動します)。
日本語は通じませんが、日本語メニューが用意されていますので、安めのコースに、単品で”酔っ払い蟹”や”姿蒸し”など注文されてみるのがお薦めです。夜景が綺麗な歴史保存地区、外難(ワイタン)までも歩いて行ける地区ですので、お食事の後、ぜひ上海の美しい夜景も楽しんでみてくださいね。
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(2024/4/19更新)
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