ＪＲ小海線は、山梨県の小淵沢駅と長野県の小諸駅とを結んでいます。野辺山以外の駅も標高が高く、全国の標高の高いＪＲ駅1～9位までを、すべて小海線が占めています。
山梨側起点の小淵沢駅から乗るのがおすすめです。南アルプスと八ヶ岳の間に位置するこの駅から野辺山駅まで、様々な景色が楽しめます。田畑、別荘地、林、清里高原、後述するＪＲ鉄道最高地点、そして、八ヶ岳の山々など。野辺山駅までは30分ほどです。
ネックは本数が少ないこと。観光シーズンの土休日には小淵沢駅～野辺山駅に「八ヶ岳高原列車」という臨時列車が運行されます（2014年は、11月3日まで）が、平日は2時間近く列車が来ないことも。あらかじめ時刻表などで到着時刻を確認しておきましょう。
野辺山高原のある長野県南佐久郡南牧村は、美星町（岡山県井原市）、石垣市（沖縄県）と並び、「日本三選星名所」に選ばれています。天文学者に「星空がきれい」と認められた場所なのです。三名所すべてに天文台が設けられています。野辺山は、標高の高さに加え、水蒸気や雪の少なさが観測に適しているのだとか。野辺山駅から徒歩30分と距離がありますが、受付で手続きをすれば無料で見学ができます。その際、携帯電話・スマートフォンの電源を切るよう指示があります。
敷地内には世界最大級、直径45メートルの電波望遠鏡があります。電波望遠鏡とは、目で見つけることのできない、宇宙のかすかな電波をとらえる装置です。これを使うことで、銀河中に存在するガスの成分を解明したり、ブラックホールを確認したりできます。宇宙のガスにはアルコールや塩、酢なども含まれているんですって。遥か遠い存在ながら、ちょっと身近に感じませんか？
隣接施設「ベジタボール・ウィズ」にはプラネタリウムがあり、天文好きの方はセットで訪れると楽しいはず。
さほど天文に詳しくない（私のような）方もいらっしゃることでしょう。難しい知識は要りません。日が沈んでから野辺山の夜空を見上げてみてください。都会では見られない星空が、きっと広がることでしょう。
清里駅－野辺山駅の間には、1,375メートルと、ＪＲで最も標高の高い場所があります。小淵沢駅から列車に乗ると、向かって右手に石碑、左手に「ＪＲ鉄道最高地点」の茶色の標柱が見えます。その標柱の近くに「鉄道最高地点神社」があるのです。
2005年に有志の方々が創設したものです。小さな神社ですが、鳥居があり、絵馬も奉納されています。鉄道にちなむ場所だけあって、祀られているのはレールと車輪！写真の車輪の下に、カタカナの「エ」に見えるものがありますが、これは岩に埋め込まれたレールの断面なのです。車輪はC56という蒸気機関車のもの。レールも、車輪も、実際に小海線の運行に使われていたものなのです。
ご利益の一つは夫婦円満・縁結び。一対の車輪がそのシンボル。いま一つのご利益は受験。なぜかというと、この場所の標高1,375メートルの語呂合わせが「ひとみなごうかく」だから。「ひとみなこうふく」とも読めて、受験生ならずともご利益ありとのこと。皆さんなら、何を願いますか？
野辺山は牧場も多いところです。その中で、比較的野辺山駅に近く、行きやすい滝沢牧場をご紹介します。
園内では乗馬体験ができます。林道をスタッフの方に引かれながら回る引馬コース（写真）と、馬場内を回るレッスンコースです。いずれのコースも、目前に大きく見える八ヶ岳を見ながら楽しむことができます。奥には牛舎もあります。スタッフの方が一頭一頭名前や性格など、親切に教えてくださいました。ここからの眺めもおすすめ。放牧されている牛馬と八ヶ岳のセットが見られますよ。アイスクリーム作りや、高原野菜の植え付け、収穫、キャンプなどもでき、あっという間に時間が過ぎてしまいます。ご家族やグループでのレジャーにぴったりです。
ＪＲ小海線野辺山駅周辺のおすすめスポットをご紹介しました。
小淵沢駅から野辺山駅を目指すルートをおすすめしましたが、小諸駅から乗るのも楽しいです。浅間山、シラカバの林に、秋はススキや柿が見えます。路線の名前にもなっている小海駅あたりから、千曲川と黄葉紅葉の共演が見られることでしょう。信濃川上駅～野辺山駅の間は、左右に広大な畑が広がり、まるで北海道のよう！
小諸駅～野辺山駅は約2時間。とっても時間がかかるのですが、のんびり眺めていたい景色がこの路線には揃っているのです。
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(2024/4/19更新)
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