独り占めできる!?パラグアイ唯一の世界遺産トリニダー遺跡

独り占めできる!?パラグアイ唯一の世界遺産トリニダー遺跡

更新日:2014/10/22 14:19

市川 芽久美のプロフィール写真 市川 芽久美 南米現地旅行会社 代表
南米の中心辺りに位置する内陸の国、パラグアイ。スペイン語と併せて今でも、原住民の言葉グアラニ語を公用語としています。
アルゼンチンやブラジル同様、17世紀初頭には、グアラニ族へのキリスト教布教活動として、この地にもイエズス会伝道所が建てられました。現在はその跡地、『ラ・サンティシマ・トリニダー・デ・パラナとヘスース・デ・タバランゲのイエズス会伝道所群』がこの国唯一の世界遺産となっています。

アルゼンチン国境からすぐの街「エンカナルシオン」が玄関口

アルゼンチン国境からすぐの街「エンカナルシオン」が玄関口

写真:市川 芽久美

地図を見る

ゲートウェイになる都市は、エンカナルシオン(Encarnación)。
パラグアイの首都、アスンシオン(Asunción)からはバスで6時間、アルゼンチンのポサダス(Posadas)からは、バスかタクシーで20分〜1時間の距離にある、パラグアイ第3の都市です。

エンカナルシオンから遺跡へは、タクシーかバスで50分。遺跡の入口には、小さな看板が出ているだけなので、運転手に降りる場所を教えてもらうのが一番です。

世界遺産登録の2つの遺跡を訪問

世界遺産登録の2つの遺跡を訪問

写真:市川 芽久美

地図を見る

イエズス会伝道所は、先住民のキリスト教化のためにつくられた、自給自足、共同生活の集落群です。
パラグアイには現在、ラ・サンティシマ・トリニダー・デ・パラナ(La Santísima Trinidad de Paraná)、ヘスス・デ・タバランゲ(Jesús de Tavarangue)、サン・コスメ・イ・ダミアン (San Cosmé y Damián) の3つの遺跡がありますが、最初の2つが世界遺産に登録されています。
この2つの遺跡を訪れるには、バイクタクシーを使うのが便利。ホテルに宿泊していたら、ホテルで事前に手配する事も可能です。

美しい姿が再現された、ヘスス・デ・タバランゲ遺跡

美しい姿が再現された、ヘスス・デ・タバランゲ遺跡

写真:市川 芽久美

地図を見る

まずは、ヘスス・デ・タバランゲ遺跡へ。
小規模ですが、保存状態も良く、しっかり区画されて建物が建設されているのが分かります。
イエズス会伝道所は、教育を重んじ、共同生活をしながら理想郷を作り上げようとしていた、と言われています。
1685年に築かれたこのイエズス会伝道所、実は完成前の1767年に、イエズス会退去令が発令され、廃れていきました。
現在は、パラグアイ政府が修復を行い、整備された公園の中に整然と土台や壁が残っていて、威容を誇る遺跡です。
遺跡の裏には、自給自足のための畑が広がっています。

ちょっと悲しげなトリニダー遺跡

ちょっと悲しげなトリニダー遺跡

写真:市川 芽久美

地図を見る

ラ・サンティシマ・トリニダー・デ・パラナ遺跡、通称トリニダー遺跡は、1706年に建造され、遺跡からは、中央広場、大教会、集会場、学校、作業場、博物館、先住民用の住居群などの位置がはっきり分かります。
この集落も他と同様に、1767年のイエズス会退去令の後、廃れていき、修復作業は続いているものの、風化作用で朽ちている部分が多くあります。
またそれが一層、理想郷が壊れてしまった諸行無常な感に思いを馳せさせる…そんな遺跡です。

幻想的な風景を独り占め

幻想的な風景を独り占め

写真:市川 芽久美

地図を見る

世界遺産にも関わらず『ラ・サンティシマ・トリニダー・デ・パラナとヘスース・デ・タバランゲのイエズス会伝道所群』遺跡を訪れる人の数は、他国のイエズス会修道所遺跡に比べて圧倒的に少ない。決して他と引けをとらない、規模と美しさを持つ遺跡にも関わらず・・・です。
平日の昼間に訪れれば、自分だけの貸し切り遺産になる事も少なくなく、ゆったりと広大な遺跡の中で、ノスタルジックな気分に浸れます。
更に、トリニダー遺跡では、夏期にはライトアップも行われ、ファンタジックな遺跡を楽しめます。

400年前の昔にゆったり思いを馳せる旅

パラグアイの人々は、南米の中でも抜きん出て穏やかな国民性。
人も景色もゆったりに見えます。遺跡を穏やかに楽しむには、パラグアイの遺跡が一番!
エンカナルシオンから国境を越えた、アルゼンチン側にも世界遺産で同様のイエズス会伝道所跡、『サン・イグナシオ・ミニ(MISIÓN JESUÍTICA SAN IGNACIO MINÍ)』があります。
エンカナルシオンから、車で約3時間程の場所にあるので、是非見比べてみてください。

■「トリニダー遺跡」概要

〔アクセス〕
「エンカルナシオン」(Encarnacion)から、国道6号を北東に28km進んだ場所(路線バスで30分、料金 5,000グアラニ)

〔入場料金〕
入場券 25,000グアラーニ 。 
ヘスス・デ・タバランゲ遺跡、サン・コスメ・イ・ダミアン遺跡 と併せて3つの遺跡に入園出来る入場券です。

〔オープン時間〕
毎日 7:00-9:00

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/09/25 訪問

- PR -

旅行プランをさがそう!

このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -