プラハ以外のチェコに注目!南ボヘミアの隠れた名所&グルメ

プラハ以外のチェコに注目!南ボヘミアの隠れた名所&グルメ

更新日:2014/11/11 16:28

平川 郁世のプロフィール写真 平川 郁世 現地密着型ライター
プラハは非常に有名な観光地ですが、チェコはほかの地方にも訪れるべき場所がたくさん!
古い街並み、豊かな自然、そして古城がいたるところに見られます。

今回はヴルタヴァ川(ドイツ語でモルダウ川)上流沿いのエリア・南ボヘミアと呼ばれる地方を中心に、見どころ、そして食べてびっくり!のグルメをご紹介します。

濃緑色のヴルタヴァ川上流

濃緑色のヴルタヴァ川上流

写真:平川 郁世

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プラハから南へ、ヴルタヴァ川を上流へとたどっていくと、南ボヘミア地方に着きます。
プラハの喧騒を抜け、チェコ最長のこの川の静かなたたずまいを堪能できるのは、やはりこのあたり。

チェコ出身の作曲家・スメタナの楽曲「モルダウ」。スメタナが「古城や廃墟の傍らを過ぎ、ヴルタヴァ川は聖ヨハネの急流でうずを巻く」と語った、まさにその急流にさしかかる前の、穏やかな流れがここです。
川の色調が、なんとも奥深い緑。緑よりむしろ黒に近い、漆黒にさえ見える色合い。実際に目のあたりにすると、あたりの森林のミステリアスな空気と共に、時を忘れて見入ってしまいます。

チェコ国内最大の総貯水量を誇るオルリーク・ダムは、付近の村を沈めて、1963年に完成しました。以前はもう少し流れの速い浅い川だったのですが、ダム建設によって水位が上がり湖のように広がって、このように深い色になったのです。

川沿いにそびえる古城たち

オルリーク城(Zámek Orlík)は、川に少し入り込んだほとりに建っています。昔は、川の谷底から約70メートルという、はるか下のほうに川を見下ろす高さにあり、岸壁も見えていました。13世紀に建てられ、19世紀に改修、ネオゴシック調の白亜のお城となったのです。
ガイドツアーでは、豪華な室内や絵画、武器コレクションなどを見学できます。そして城の内部にも売店にも、狩りの獲物の剥製がずらり。

お城のまわりの庭園では、クジャクやシカに出会えます。行き交うのは、チェコ人やドイツ人観光客のみ。秋の狩りのシーズンには、森の中を銃声が響き渡ることも。

そして、ズヴィーコフ城(Hrad Zvíkov、写真)。これも13世紀の建設で、よく保存された古い雰囲気は、よく結婚式や映画の撮影に使用されています。オタヴァ川が流れ込む地点という立地条件のため、戦争中はこの城に、重要な宝が数多く隠されていました。
ガイドツアーはありませんが、内部見学はできます。

ヴルタヴァ川の、これらのお城へ行くには、古城をめぐるクルーズを利用すると便利です。
車でズヴィーコフ城に行くなら、付近のレストラン(その名も「ズヴィーコフ・ビール醸造所」)で食事した後、駐車したまま徒歩で向かうと良いでしょう(下記Memoのリンクで、詳細をご確認ください)。

川沿いにそびえる古城たち

提供元:ウイキペディア

http://en.wikipedia.org/wiki/Zv%C3%ADkov_Castle

南ボヘミア地方に伝わる、甘いニョッキ

南ボヘミア地方に伝わる、甘いニョッキ

写真:平川 郁世

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南ボヘミア地方には、ブランボロべ・シスキ・ス・マケムという伝統的な料理があります。
レストランのメニューでは、パンやじゃがいもと並んで付け合わせとしてあるのですが、不思議なことに粉砂糖がかかっていて、甘い! 
生地の材料はじゃがいもと小麦粉、卵、バターなどで、食感はニョッキとそっくりです。中にはケシの実(ポピーシード)のペーストが入っていて、まるで饅頭か大福のよう。

これがデザートではなく、肉料理と一緒に出てきます。日本人には何の違和感もないどころか、とてもおいしく、デザートとしてまた頼みたくなるくらい!
チェコのパンとしては、「クネドリーキ」が有名ですが、プレーンなものが主流。中に果物やケシの実が入ったものは、プラハでは珍しいようです。

(ブランボロべ・シスキ・ス・マケム、その他の南ボヘミア料理は、レストラン「レトフスキ・スタテク」でお召し上がりいただけます。詳細はMemoでご確認ください)

食べてびっくり!! チェコのスイーツ

食べてびっくり!! チェコのスイーツ

写真:平川 郁世

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正統なデザートなら、どこの店でも見られる「メドヴニーク」。キャラメル風味の、くるみが入った はちみつケーキです。
これがどこかの国で食べたパサパサケーキに外見がとても似ているので、期待せずに食べてみると・・・・・・お、おいしい!! 甘すぎるのかもしれないけれど、それを補って余りある、なんともコクのある味わいなのです。レストランでは、これに甘くない生クリームが添えてあり、イイ感じのハーモニーを醸し出しています。が、生クリームなしで食べても、やっぱりおいしくて、ぺろり。

この、いかにもパサパサに見えるメドヴニーク、生地はスポンジケーキではなく、実はクッキー。だからサクサクなのです。そしてこのクリーム、濃厚さの秘密はコンデンスミルクの隠し味にありました! クッキー生地にクリームをはさんで、まる1日寝かせて仕上げるという、手の込んだレシピなのです。

このようにチェコのスイーツは、見かけはぱっとしない、素朴な外見をしているものが多いのです。期待せずに口に入れると、実は意外においしい!と驚くことに・・・。
みなさまには、とにかく体験してみてくださいというほかありません。

小さな屋台で売られている、シンプルなお菓子でさえ、衝撃を受けてしまうことが!数ある中の、ほんの一例を挙げるなら、有名なトゥルドゥロ。焼きドーナツと焼きたてパンのあいのこです。シナモンシュガーとナッツがかかっていて、中は白パンのようにしっとり。街中のあちこちに、炭火焼きの屋台が甘〜い香りをただよわせています。

チェコのスイーツに多用される材料は、やはりケシの実。あんぱんのトッピングとして、日本人にはおなじみですね。ケシの実ペーストをのせた菓子パン、ケシの実ペースト入りのパイなど、プチプチして黒ゴマのよう。一見ザッハトルテかと思いきや、中をよく見るとまっ黒、ケシの実がたっぷり入ったスポンジケーキだったりもします!

チェコのその他の珍味

チェコのその他の珍味

写真:平川 郁世

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チェコはやはり内陸部だけあって、肉料理が豊富です。グラシュなどの煮込みシチューや、くん製肉、チェコのハムなど、どれもとにかく柔らかくて、絶品! 若い女子グループさえ、平然と巨大なステーキを食べ進むチェコ人を見習って、こちらも張り切って挑みましょう!
 
西洋わさび(ホースラディッシュ)を生のまま、すりおろしてたっぷりと肉に添えることが多く、写真のように時にはステーキをおおい隠していたり。ソースはビールで煮込んだビール風味。ジューシーステーキ・ビール味ソース・西洋わさびの組み合わせを口に入れて3秒後、鼻につーんと来て頭から抜けていきます!
(レストラン「ズヴィーコフ・ビール醸造所」にてお召し上がりいただけます)。

とにかく安いのでお値段は気にすることはなく、なんとビールはミネラルウォーターより安いです。昼間からビールは当たり前(しかし、飲酒運転には非常に厳しい国なのでご注意!)。

ビールのみならず、食後のリキュールも、伝統リキュール「ベヘロフカ」や、禁断のお酒「アブサン」などを試してみましょう。べへロフカもアブサンも、薬草とスパイスがふんだんに使用されており、特にアブサンはこの怪しい色(透き通る水色)、怪しい味(アニスの味が強い)から、チェコ人は冗談で「クスリ」と呼ぶことも。確かに摂取量をきちんと守りさえすれば、体にも良さそうです・・・。

プラハ以外のチェコを体験!

確かに、プラハは絵になる街。一日中、いたるところにシャッターチャンスがあり、誰もがうっとりしてしまいます。
しかし南ボヘミア地方は、ほかにも有名なチェスキー・クルムロフなどがあり、やはり外せません。ヴルタヴァ川が、プラハとはまったく違った表情を見せる場所です。
せめて1日はプラハを離れて、訪れる価値あり! ぜひ日程を調整して、のんびりと訪れてみてください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/10/15−2014/10/19 訪問

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