スペイン・バレンシア「コロン市場」で優雅なティータイム!

スペイン・バレンシア「コロン市場」で優雅なティータイム!

更新日:2018/07/30 10:29

小林 理沙のプロフィール写真 小林 理沙 日本語教師、翻訳家
「コロン市場」はスペインのバレンシア市で、ブティックが軒を連ねる商業的中心部にありながら、落ち着いた地区にあります。
「市場」と名がついていますが、現在は花屋や、喫茶店などが入っているモールのようなところです。美しい建物には、壁がなく天井が高いため、開放感があります。そこでゆったりとお茶をするのは、最高に贅沢な気分。ぜひ、この贅沢を体験してください!

「国家遺産」の建造物

「国家遺産」の建造物

写真:小林 理沙

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「コロン市場(Mercado de Colón/メルカード・デ・コロン)」は、1914年に建設工事が始まり、1916年にオープンしました。当時の建築の流行は、「モデルニスモ」と呼ばれます。これは、19世紀後半から20世紀初頭にヨーロッパで起こった芸術運動です。「コロン市場」のように、曲線や装飾が多い建物が、この建築様式の特色です。

建築家は、バレンシア県サグント市出身のフランシスコ・モラです。彼が建築を学んだのは、世界遺産「カタルーニャ音楽堂」、「サン・パウ病院」を手がけた著名な建築家ドメネク・イ・ムンタネー率いる建築学校でした。

約100年も前に建設が着工した歴史的な建物ですから、傷みも目立っていました。しかし、約10年前の2003年に修復工事がされ、現在の美しい姿に蘇っています。

巧みの技の「モザイク装飾」!

巧みの技の「モザイク装飾」!

写真:小林 理沙

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建物正面のファサードには、「モデルニスモ」建築にふさわしく、凝った装飾が施してあります。バレンシアの民族衣装を着た男女や地域で取れるオレンジやブドウが絵描かれた美しいモザイクも、ずっと眺めていたくなるほどです。

なお、毎年3月に開かれる「火祭り」の時には、バレンシアの民族衣装を来た多くの人達を現在でも見ることができます。

「バレンシア名物」の飲み物専門店も!

「バレンシア名物」の飲み物専門店も!

写真:小林 理沙

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市場の中にはたくさんの喫茶店がありますが、中でもお勧めしたいのは「ダニエル(Daniel)」です。
「コロン市場」内にあるほとんどの喫茶店では、この「ダニエル」をはじめ、共通して「ある飲み物」を置いています。

それはスペイン国内では、実に有名なバレンシアの特産品なんです。
名前を「オルチャータ(horchata/orxata)」と言います。
原料は「チューファ(chufa)」という地下茎で、これをしぼって抽出したものがオルチャータです。バレンシアのアルボラヤという町が産地です。

「ダニエル」は、「オルチャータ専門店」の中でも老舗中の老舗。
アルボラヤにある本店は、かの芸術家サルバドール・ダリも来店したことがあります。

バレンシアに行くスペイン人は、必ずと言っていいほどオルチャータを頼むぐらい有名な飲み物なんですよ。味はオルチャータにしかない独特なものですから、飲み物の新境地を求める冒険家の皆さんには、特にお勧めします!

バレンシアならではのティータイムドリンク

バレンシアならではのティータイムドリンク

写真:小林 理沙

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写真を左回りに説明します。
左の牛乳のように白いのが、上でご紹介した「オルチャータ」です。
中央下は、「セバダ(cebada)」という飲み物です。原料が麦ですが、コーヒーのような味がします。
右は、オルチャータにアイスクリームが乗ったものです。
写真中央上は、「ファルトン(fartón)」という甘く細長いパンです。スペイン人は飲み物に、ファルトンを浸して食べるのが好きです。

おわりに

「コロン市場」には、「オルチャータ専門店」が多いのですが、コーヒーやお茶、ビール等も頼めます。また、地下のお店ではお寿司まで食べられるんですよ!

バレンシアは快晴の日が多い、天候に恵まれた土地です。屋根はあっても壁のない「コロン市場」でも、年中を通していつでも素敵な時が過ごせます!

「国家遺産」に指定されている歴史的建造物で、気軽にお茶をしてみませんか?そんなことができるのは、古いものを保存してきたヨーロッパならでは。ぜひ、この贅沢を味わってください!

掲載内容は執筆時点のものです。

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